ねこじゃらし2

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210411 都市農業公園の桜

2021年04月11日 | 植物・園芸など
もう桜は終わりかなと思いましたが
ちょうどよかった、八重桜の季節
芝川と合わせて、23品種(+花が終わったオオシマザクラの実、写真が撮れなかった千里香センリコウで24種類)を観察できました
 
ソメイヨシノが終わっているので、これらの桜はいわゆる遅咲きってことになる
 
ビジターセンターで「桜マップ」「里帰り桜のしおり」「都市農業公園パンフレット」をいただき、園内へ
 
多くの木にラベルが付いているので助かります
解説の他、QRコードがあり花ペディアのサイトを見られます
いただいた資料やラベルほかから各品種の特徴を転記します
 

関山(かんざん)

荒川土手の関山
サトザクラ・関山カンザン `Sekiyama'
大輪、花弁20~50、濃紅紫、全国で最も目にする八重桜、塩漬けにして桜湯に使われる
荒川堤から広まったといわれる栽培品種
高木、樹形は盃状、生育良い 花と若葉が同時に開く
小花柄が太くて垂れ下がらない
濃いピンク色の花弁はねじれうねりがあるが、先端は巻き込まない
雄しべは約6mm、先端が伸び白~紅色
雌しべは通常2本で葉に変化するものが多いが、正常なのもある
萼片に鋸歯や毛は無く内側に巻きこむ
萼筒はろうと形で、開口部に横縞があり、小花柄とともに無毛
最下の苞は丸みが強く鋸歯は0.5mm
葉は中央より上で幅最大、大型で長さ10cm以上 急に細まりごく短い尾状
両面無毛、売れは白み強い淡緑色、付け根はやや広いくさび形
鋸歯はやや開いて浅く、数多く、先端は長く伸びる
葉柄は無毛で長さ22~28mm
 
似ているサクラ: コウカ、エド系
 
 



サトザクラ・松月ショウゲツ `Superba'
淡紅、20~30枚、花弁にナデシコのおような細かい切れ込みがある。樹高が低い。
荒川堤から広まった品種、栽培は関東が多い 
桜湯の原料としてもかつては栽培されていた
カーネーションを連想させる、花弁の縁の細かい鋸歯、散房状に下垂する
亜高木、樹形は傘型、枝は横向きに伸びる 花と同時の黄緑色の若葉で全体的に明るい
花弁は白色に近く縁や裏面は明るいピンク色、内側の花弁はほぼ白色
雄しべは先が白色で長く、雌しべは通常2本で上部まで葉に変化しており緑色
萼片は長さ7mmの幅広い卵形、先端はやや鈍く縁に鋸歯あり、6枚ある花もある
萼筒はろうと形で凹凸が目立つ、小花柄と共に無毛
最下の苞はくさび形で黄緑色、鋸歯は深く目立つ
葉は淡い黄緑色でやや白みを帯び両面無毛
徐々に細まり長い尾状
やや開いた重鋸歯で先端は著しく長く伸びる
葉柄は無毛、長さ23~30mm
 
似た品種: イチヨウ、フゲンゾウ
 


サトザクラ・朱雀スザク・シュザク `Shujaku'
大輪、淡紅紫、10~15枚、開花から散るまでの変化が大きい
花は下垂し、果実がよくつき、黒く熟して苦みがある
 




サトザクラ・福禄寿フクロクジュ `Contorta'
大輪、淡紅紫、15~20枚、花弁がねじれており波打っているように見える
荒川堤で栽培されていた品種 `Contorta'の意味はねじれ、2n=24の3倍体
亜高木・高木、樹形は盃状・広卵状 大輪で花つきが良い
 
 



サトザクラ・糸括イトククリ `Fesciculata'
大輪、淡紅、!0~20枚、花が糸で括られたように束になって下垂するという意味の名
亜高木・盃状 荒川堤で栽培されていた品種で、江戸時代から知られていた
「花壇綱目1681年」に糸くくり中輪なりとの記述あり、「怡顔斎桜品」(1758)にもその名があり、船津静作の「江北里櫻の品種と特徴」には“大手毬トモ云ウ”とあり、また手毬は“糸括ヨリ早ク咲ク”とある
 


自生種・大島桜オオシマザクラ 
大輪、白、5枚、花には芳香があり、同時に開く葉は桜餅に利用される
高木・傘状
葉は中央付近で広く大型、幅8cm以上、徐々に細まり尾状に伸びる
両面無毛、裏は淡い緑色でやや光沢あり、厚みがある
つけねは丸いか広いくさび形
鋸歯は外に開き先が糸のように長く伸びるのが特徴、葉柄無毛
 


里帰り桜・ワビビト
紅紫,20~35枚、大輪、カンザンに似る
高木、広卵状
 
 


里帰り桜・早生都ワセミヤコ
淡紅、30~40枚
 



サトザクラ・御衣黄ギョイコウ `Gioiko'
中輪、緑黄、8~20枚、鬱金より濃緑部多く、花弁が反る
荒川堤で栽培されていた品種
高木、樹形は盃状、緑色のスジガ入る珍奇は花色を貴人の衣服の色に見立てた品種名
古くから栽培されていて、シーボルトが持ち帰った江戸時代の標本も現存する → どこに?ライデン?ミュンヘン?
淡い黄緑色に緑色の筋模様が入る、緑色部分の面積広い
雄しべは正常、短く3mm
雌しべは正常、長く突き出す
萼片は狭い卵形で鋸歯ない、一部あるの花が混ざる
萼筒はろうと形でやや凹凸めだち、小花柄と共に無毛
最下の苞葉丸み強く外に反り、鋸歯は深さ約1mm
花と同時の若葉はウコンに似て茶色みがある
中央より上で幅最大、細長く幅5cm以下が大半、急に細まり短い尾状
両面無毛裏は白み強い暗黄緑色
つけ根はうさび形、上向きの単鋸歯と重鋸歯が混ざり先端は長く伸びる
葉柄は無毛でやや長めの25~35㎜
 
似た品種: ウコン、スマウラフゲンゾウ、
花が小型で緑色部分の多い遺伝的変異のあるものが広く栽培されており別品種か?
 



高砂タカサゴ `Caespitosa'
大輪、淡紅、5~15枚、4つの野生種が関わる品種、大輪
他の八重咲きの桜より花期が早い
亜高木、盃状、丁字桜と里桜の雑種と推定される
花弁はごく淡いピンク色で開花が進むにつれ色淡くなる
萼筒は太く長いつりがね形
萼筒や花柄・小花柄に開いた毛が多い
葉に毛が多い
ワセミヤコの名で苗が流通する
 
 
似た桜: ベニユタカ、カンザン
 



サトザクラ・白妙シロタエ `Shirotae'
白、10~15枚、蕾は淡紅色、純白色大輪八重の代表品種で気品に富む花
荒川堤で栽培されていた品種
外側の花弁先や外面が淡紅紫色を帯びる
高木、盃状、樹勢が強く大木になる
 



サトザクラ・ヒグラシ日暮 `Amabilis'
大輪、淡紅、20~25枚、花弁の縁の色が濃く、中心に行くほど色が薄くなる
高木、盃状、大輪、荒川堤で栽培されていた品種
 
 


サトザクラ群 江戸・江戸系
大輪、淡紅、10~20枚、江戸時代には既に存在しており、荒川堤に栽培されていた八重咲き品種
亜高木、盃状
萼筒が関山より細長い(7~8mm)、若葉は茶色みを帯びた明るい黄緑色
小花柄は短い(20mm以下)→あれ?これ長いな、江戸系にもいろいろあるからかな?
江戸は八重紅虎の尾、東錦、手毬、糸括などと非常に似ていて区別が難しい品種
 
似た桜: カンザン、コウカ、イチヨウ
 



サトザクラ・鬱金桜ウコン `Grandiflora'
大輪、淡黄緑、8~20枚、蕾は淡紅、咲き始めは緑を帯び、のち淡黄色
散り際には花弁中心部から紅色に変化
淡い黄色の花で有名、全国・海外でも人気
品種名はこの花色を骨董品を包むウコン染めの布の色に見立てたもの
高木、樹形は盃形、樹勢強い 荒川堤で栽培されていた品種
淡い黄色にまれに緑色部分が入るがその部分の割合は低い
しばしば花弁先端っや外側が淡紅紫色(たんこうししょく)を帯びる
雄しべは正常、短い約3㎜
雌しべも正常、長く突き出す
萼片は狭い卵形で鋸歯は無いがあるのも混ざる
萼筒はろうと形でやや凹凸目立つ、小花柄と共に無毛
最下の苞葉丸み強く外の反り鋸歯は深さ約1mm
花と同時の若花茶色みが強い
中央より上で幅最大、細長く幅は5cm以下が大半
急に細まり短い尾状、両面無毛裏は白みが強い淡黄緑色
つけねはくさび形、上向きの単鋸歯と重鋸歯が混ざり、先端は長く伸びる
葉柄は無毛、やや長く25~37mm
ギョイコウと系統的に近縁でギョイコウの枝代わりでウコン型の花を咲かせる例がある
 
似た品種: スマウラフゲンゾウ 1990年神戸でフゲンゾウの枝代わりが見つかり近年急速に広まる
黄色巳が強く、商品名は黄金桜
花弁は25枚以上と多く、萼片は目立つ鋸歯あり
雌しべは葉化けした2本
 
・・・・レンゲ畑(田んぼ)・資料館をへて、荒川土手へ
 

里帰り桜・マノガ
大輪、淡紅、20~30枚、由来不明
高木、盃状
似た品種: ホクサイ
 
 


サトザクラ・手鞠テマリ `Temari’
大輪、淡紅、10~20枚、幾つかの花が手鞠のように固まって咲く
亜高木、盃状
古くから知られていた品種
「花壇綱目」(1681)に“てまり中輪なり”とある
 



泰山府君タイザンフクン `Ambigua'
中輪・淡紅、40~60枚、桜町中納言が、桜が散らないようこの桜を祀った故事に由来する
亜高木、樹形は盃状・広卵状・枝が上に伸び箒状、小高木、枝は上向き
 


サトザクラ・楊貴妃 `Mollis'
淡紅、10~20枚、大輪であでやかな花の美しさを楊貴妃になぞらえた
小高木・亜高木、盃状
 


サトザクラ・一葉イチヨウ `Hisakura'
大輪、淡紅、20~40枚、下部が葉化した雌しべが1本出る 花弁はしだいに白くなる
荒川堤から広まった栽培品種 関東に多いが今は全国で栽培
品種名は長い雌しべ(13~15mm)が1本で下部が葉に変化する花が多いことによる 2個ある花もある
高木、樹形は傘型・広卵状、強健
花弁は淡いピンク色で中心は白に近い
うねりがあるが平らに開く
小花柄は長く25mm以上で垂れ、花時に茶色みのある若葉が伸びる
雄しべは短い(約4mm)、雌しべの上部は紅色
萼片は5~7mmで鋸歯無し
萼筒は長さ5~6mmのろうと形で凹凸目出る、小花柄と共に無毛
最下の苞は広いくさび形で鋸歯は無い 
若葉は茶色みが強い
葉は両面無毛、裏は淡い緑色だやや白み
横長で小型、長さ8cmほどのものが多い
先は急に細まり長い尾状
上向きで細かい重鋸歯が多く、先端は長く伸びる
 
似た桜: フゲンゾウ、エド系、ショウゲツ
 
 





オオシマザクラ・駿河台匂スルガダイニオイ `Surugadai-odora'
大輪、白、5~10枚、強い香りがする、旗弁が数枚ある
高木・亜高木、樹形は傘型
荒川堤から報告された栽培品種、もとは江戸の駿河台にあったことが品種名の由来
一重咲きと半八重咲きが混ざり、2~3個ずつ散形状につき、強い芳香があり、近年各地で栽培される
白花としては遅咲き
濃い茶色の若葉が目立つ
5枚の花弁は白で細かい切れ込み目立つ、やや外に反る
中央の花弁は弧がアで立ち上がる 今日の写真はみな一重
萼片は卵形で幅3~4mm、あまり目立たない鋸歯数個
萼筒は細いつりがね形、長さ8~9mm、茶色みを帯びた黄緑色、小花柄と共に無毛
最下の苞はくさび形で幅7~8mm、やや外に反り鋸歯は浅い
オオシマザクラとの葉の違い(意識してなかった・・・知らなかった・・・写真撮ってない)
葉は質が厚く、細長い(幅5cm以下)、長さが幅の約2.5倍、中央で幅最大、
両面とも無毛で葉裏は白み強く帯びる淡い緑色
両面無毛、質厚く中央で幅最大、幅5cm以下で細長い、徐々に細まり短い尾状
つけ根は広いくさび~円形
ほぼ上向きの重鋸歯が多く、開かないで先端は著しく長く伸びる
葉柄は無毛、非常に長く30~45mm
 
似た桜: オオシマザクラ、ヤマザクラ
 
 



サトザクラ・普賢象フゲンゾウ `Alborosea'
大輪、淡紅、20~50枚、普賢菩薩が乗る象のこと
古くから知られる品種、全国各地で植栽される、樹形は傘型
上部まで葉化した雌しべが2本突出し、象の牙に見えることから
高木、樹形は傘状
蕾は灰色みを帯びた暗さを感じるピンク色、花や若葉はシックな色合い
花弁は外側が淡いピンク、内側は白
雄しべは先端が伸び白、20本以上
萼片は大型長さ9mm以上で先端は鋭く鋸歯目立つ
萼筒はろうと形で凹凸目立ち小花柄共に無毛
苞は大型、長さ8~9mm、外に反り、鋸歯は粗くて深さ約1mm
若葉は茶色
中央よりやや上で幅最大、大型の葉は長さ10㎝以上、両面無毛、裏はやや白み帯びる
急に細まり短い尾状
やや上向きの重鋸歯で先端は長く伸びる
葉柄には毛が無く長さ23~35mm
 
似た品種: イチヨウ、ショウゲツ、ハナガサ

参考: 荒川堤の桜 日本花の会・さくらずかん 大原隆明著,サクラハンドブック,文一総合出版 日本花名鑑④ サクラハンドブック


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