ねこじゃらし2

いけばな、いきもの、食べ物、音楽、散歩を楽しむ ねこじゃらし

201016 小石川植物園 4/4 分類標本園~日本庭園~出口

2020年10月16日 | 植物・園芸など

園芸別科の1000属検定で、属名を覚えようと頑張ったけれどC級で力尽きてしまった。でも、属名は園芸品種やいけばなの花材の流通名として多く使われていると知ったのは収穫でした。億劫だけど、調べて見ると面白いなと思うこともある。

標本園を出ると、サクラが咲いていました

ジュウガツザクラ?…にしてはがっちりしてる? 地面近くのこの枝だけ咲いていました
名札を見ると
 
カンザクラ(寒桜) バラ科 サクラ属
Prunus x kanzakura Makino → Cerasus x kanzakura (Makino) H.Ohba
栽培
 
カンヒザクラを片親する交雑品種 樹形は杯状
(ヤマザクラとカンヒザクラの雑種に由来すると考えられている)
カンザクラをアタミザクラと俗称することもある
同じくカンヒザクラを片親にする交雑品種にカワヅザクラ、オオカンザクラ、シュゼンジカンザクラ、タイリョウザクラがある
 
サクラの自生種は
ヤマザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラ、オオシマザクラ、マメザクラ、タカネザクラ、チョウジザクラ、エドヒガン、コシノヒガンの9種に2016年にクマノザクラが加わって10種となった
 
早咲きのサクラの中でも特に早く開花する
花時に朱色を帯びた若葉がかなり開く
熱海市に名所がある
花弁はほぼ円形、小型で縁は内川に巻きこむ
萼片は中央で最大ながさ5-6㎜紅色
鋸歯は無く先端は尖る
萼筒(がくとう)は太く丸みのある釣鐘形
小型で長さ6-7㎜
紅色で小花柄ともに無毛
最下の苞は広いくさび形、縁はやや内側に巻きこみ、細かい鋸歯がある
 
早咲きの中の早咲きといっても、この一枝だけ、何かあったのだろうか
葉は見当たらなかった
 

参考

① 安藤敏夫・小笠原亮・長岡求,2007 日本花名鑑④.アボック社:355

② 監修:勅使河原宏・大場秀章,1999.現代いけばな花材事典.草月出版:p.254

③大原隆明,2009.サクラハンドブック

 



シセントキワガキ(四川常盤柿)→ 標準和名: タマフリノキ
カキノキ科 カキノキ属
Diospyros cathayensis Steward
デュオスピロス カタイエンシス
中国
栽培
雌雄異株の常緑~半常緑低木、枝に棘がある
 
実の径2㎝、果柄3~4㎝
日本のトキワガキD.morrisiana は黄色に熟した後紫褐色になり果柄が短く
花材としてマメガキと呼ばれることがある
参考①日本花名鑑④p.141 現代いけばな花材事典p.644
 
 

トウフジウツギ フジウツギ科(エングラー: Buddlejaceae) → APG: Scrophulariaceae(ゴマノハグサ科)
Buddleja lindleyana Fortune
ブッドレア フジウツギ属
中国
先に見た、フサフジウツギと同じ属
 
 

ウダイカンバ カバノキ科
Betula maximowicziana
ベツラ
日本(北海道~九州)、南千島
木肌の色はシラカバが白、ダケカンバがやや褐色
 
 
アイグロマツ(間黒松)(別名アカクロマツ)  マツ科 マツ属
Pinus densi-thurbergii Uyeki
ピヌス
園芸種
アカマツP.densifloraとクロマツP.thunbergiiの交配種
雑種があるって初めて知った・・・って、何度もこの樹の下を歩いていたろうに、気がつかんかった
クロマツが山地に生えたり、アカマツが海岸に生えることもあり、そのようなところでは雑種ができる
アイグロマツなどと呼ばれ、アカマツとクロマツの中間的な性質をもつ
 

参考:現代いけばな花材事典p.642

 

ヒガンバナはすっかり終わって葉が出ていました
 
シダレカツラ(枝垂桂)  カツラ科 カツラ属
Cercidiphyllum japonicum Siebold et Zucc. cv. Pendulum → 標準名Cercidiphyllum magnificum (Nakai) Nakai f. pendulum (Miyoshi ex Makino et Nemoto) Spongberg
ケルキディフィルム ヤポニクム ペンドゥルム
栽培
日本花名鑑に「きわめて優美な樹姿」とある
黄葉した葉が甘くキャラメルのようないい匂いを発していた
 
参考:日本花名鑑④p.77

 

ソメワケハギ(染分萩)  マメ科 ハギ属
Lespedeza japonica Bailey cv.Versicolon → 標準名 Lespedeza thunbergii (DC.) Nakai subsp. thunbergii f. versicolor (Nakai) Ohw
名札ではレスペデサ ヤポニカ(シロバナハギ)の園芸品種という意味で
YListの標準名はソメワケハギとミヤギノハギは同じ亜種で品種の違いということ
レスペデサ ツンベルギー ウェルシコロル

参考:日本花名鑑④p.260

subsp.亜種  var.変種 f.品種 cv.園芸品種
 


名札は見つけられなかった

名札は見つけられなかった
 
ハギ(萩)
マメ科 ハギ属
Lesupedeza
秋の七草のひとつ 
昔から絵画や文がj九の題材とされ、万葉集にもっとも多く登場する植物名
日本にハギ属は十数種ありm庭園などに広く植えられているが、小さな花がたくさん咲くハギへの愛着は日本人独特のものらしく、国外ではほとんど栽培されない
 
 

ハナズオウ(花蘇芳) マメ科 ハナズオウ属
Cercis chinensis Bunge
ケルキス チネンシス
中国
落葉低木~小高木
葉が展開する前に前年枝や古い枝の葉の付け根に多数開花する
良く実が付いているなぁ マメ科らしい豆果で、落葉後も長く残る
カツラは対生、葉が似ているハナズオウは互生

参考①日本花名鑑④p.77 現代いけばな花材事典p.518 

サンシュユ(山茱臾) ミズキ科
別名ハルコガネバナ春黄金花・アキサンゴ秋珊瑚
Cornus officinalis Sieb. zucc.
コルヌス オッフィキナリス
中国、朝鮮
日本では栽培
果実は楕円形で下垂し赤く熟す・・・葉の中央に見えるのが実だと思ったけれど
これは冬芽かも
黄色い花の頃は春の花木としてマンサクに次いで出回り、幅広くいけばなに利用される
 

参考①日本花名鑑④p.101 ②現代いけばな花材事典p.278

 

宿題
 


ススキの大きな株
ススキ(薄) イネ科
Miscanthus sinensis Andersson
ミスカンツス シネンシス
YListに中国名が芒とあった まさに その特徴をとらえている
 
秋の七草のひとつで尾花とよばれる
カルカヤとともに屋根を葺くのにのにも用いられた
Miscanthus はギリシア語のmiskos「茎」と  anthos「花」の組み合わせで、
長い花穂に尾状につく花からきたものか
sinensisは「中国の」の意味
 
ススキの小穂はそれぞれ2個の小花からなり、
小穂の基部には白色の毛が密生し
小花の頴(えい)のひとつ(護頴・ごえい)に長い針のような突起(芒・のぎ)がある
果実が成熟すると毛は綿状になり小穂は綿毛とともに風に乗って飛ぶ

イネ科の花の作りはこれまた専門用語が難しい

参考①日本花名鑑④p.291  ②現代いけばな花材事典p.335

 

 

↓ノギが無い、こちらは芝川に生えていたオギ
Miscanthus sacchariflorus (Maxim.) Benth. et Hook.f. ex Franch.
オギの中国名は日本と同じ荻窪の荻

オギは地下茎でつながりはえていて、株立ちのススキとは遠目でも違って見える


 
出口近くの芝生の縁に

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園内の他にもこういうのがあるのだろうか?

八重のサルスベリ
Lagerstroemia indica L. cv. Plena
ラジェルストローミア インディカ
 
雨でくしゃくしゃ
サルスベリ(猿滑 別名:百日紅ヒャクジツコウ)
サルスベリは幹の肌が滑らかで猿も滑るということから
ヒャクジツコウは花期が長いことから
 
花は縮れた6弁花で雄しべは40個前後ある 雌しべは1本
この雄しべが花弁化したとすると、46前後の花弁の八重ということになる
2次花とは? 2次花の花弁・雄しべ・雌しべはどうなっているのかな?
花がしっかり開いていたらこの意味が分かったのかも
 

参考 ① 日本花名鑑④p.250 ② 現代いけばな花材事典p.268



センニンソウ キンポウゲ科
Clematis terniflora DC.
クレマティス テルニフロラ
と思われる
 
今日はここまで、正門とは反対側の出口から出る
 
全体として参考
米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info  
      


不思議な空でした


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