繁浩太郎の自動車と世の中ブログ(新)

モータージャーナリストとブランドコンサルタントの両方の眼で、自動車と社会をしっかりと見ていきます。

「私の愛車遍歴」第11回 MG-B後期モデル 後編

2016-07-12 17:36:34 | 日記

MG-Bの後編です。

MG-Bは言うまでもなく、オープンカーですが、それも本物の筋金入りの・・・

つまり古いクルマですが、私は屋根付きガレージではありませんでした。

しかし、何の問題もありませんでした。

雨漏り? そんなもん、ホロが破れないかぎりしません!!!

 

ただ、今のオープンカーではするかもしれませんよ。(笑)

と言うのは、雨漏れの多くは、①ルーフ(ホロ)とドアーガラスの合わせ面(殆どがサッシュレス構造)、また②ルーフ(ホロ)とAピラー上部ありの三角地帯が多いのです。

①に関しては、最近のオープンカーはハードまたはホロにかかわらず当然の様に「ドアーシール」がルーフ側に付いていて、ドアーはサッシュレス構造で、ガラスとでシールする構造です。

よって、ドアーガラスとシールの合わせがうまくいかない時は、漏れるのです。

一般的にオープンカーはボディ剛性が低いので、雨の中を走っていて段差に乗り上げたりすると、ドアーガラスとシールの合わせの間が一瞬ずれたり空いたりするのです。そこで、水が入ります。段差に乗り上げなくても、細かな振動でドアーガラスとシールの合わせ部はいつも擦れていて、水漏れしやすいと言えます。

MG-Bには、ドアーシールはついていませんでした。

それでも、雨が入ってこないのは、ホロがドアーガラスに対して、傘のようにカバーしているのです。

つまり、ドアーシールがなくて隙間はありますが、ホロがドアーガラスを大きく覆っているのです。

このおかげで、どんなにすごい雨でも絶対に雨は入ってきません。

ただ、高速走行すると室外と室内の圧力差がおこり水が入ってくる場合はありますが、雨の時はせいぜい70〜80km/hなので、これくらいだと大丈夫です。

後は、勿論洗車機はいけません。 (笑)

 

私は7年間MG-Bに乗りました、春夏秋冬+梅雨を7回。

勿論、エアコン、クーラー無し。パワステ、パワーウインドウ無し。何もなし・・・(笑)

「人間耐久」の時もありました。

気持ち良いのは、夏の夜です。

最悪は、当然、梅雨と真夏の昼間。

真夏の炎天下の時は、勿論、ホロを閉じて走ると汗だくを通り越して「つゆだく」!!

また、ホロを開けて走ると、直射日光で、今で言うと「熱中症」確実。

麦わら帽子を被って走りたいが、頭はフロントウインドから上へ少し出ているので、麦わら帽子は飛んで行く。

仕方ないから、つばの小さな野球帽を被って走っていました。

 

悟ったのは、冬を除いて湿気の多い日本ではオープンカーは気持よくない。

ロスやハワイなど湿気の少ないとこで、オープンカーは最高。

冬は、隙間風で寒い。

やはり、夏の夜だけなんです、気持ちいいのは。

あと、梅雨前のみじかい時期。

 

ところで、ホロは7年間で、3度張り替えました。しかも、自分で。

1回目はアメリカの西海岸にあるMGショップから純正品を、二回目はドイツのホロメーカーが試作でMG-B用のを作って、もう要らないということで、もらいました。三回目は良く覚えていませんが、MG-B用ではあるが、「パチもん」だったと思います。

二回目が大変でした。

何故かと言うと、本当にホロの布の部分しかこなかったのです。つまり、フロントウインドと固定するためのロックやロックをつけるフロントウインド上部のカーブに合わせた鉄板など、「骨」がついていない。

仕方ないので、交換対象のホロの「骨」をバラして、組み付けました。

何より大変なのは、ホロってピンと張っているじゃないですか。あれって、ちょっと寸足らずで「骨」と組んで、ロックした時にピンと張るようになっているのですが、その「チョット寸足らず」をどれ位にすれば良いのか?わからず、適当に一度やってみたらブカブカで、また「骨」と組み直して、と何回かやってやっとでした。

それでも、左右の張り加減がちょっとアンバランスでしたが、丸一日やって疲れたので、もう良しとしました。

 

故障的には、ラジエーターの水漏れ、電動ファン、・・・数々ありましたが、ラジエーターの水漏れで水がなくなった時は、空冷でチョット走っては、ボネット開けてエンジンを冷やしながら、また、道路近くに水道を見つけると頼んで、もらったりしながら、修理工場まで走りました。

歩いたほうが早いくらいでした。チョット行っては、長く休む。兎と亀を思い出しました。

しかし、エンジンは私が買う前に、長く何年も置きっぱなしなっていながら、いきなりスターターをまわしたようで、シリンダーに相当なキズが入っているようでスカタンでした。が良くまわりました。

また、一度バッテリーがアガって、セルをまわしても「チン、チン」としか言わなくて、ダメかと思ったら、ブルルンとかかったのです。つまり、クランクが一回転もせず、シリンダーのどこかが、ちょうど上死点だったのか・・・(笑) インジェクションでは無理じゃないですかね? キャブでよく出来たヤツだったのです。

キャブといえば、ガバッとスロットルを開けた時の、あの加速感はたまりませんね。それが恋しくて・・・、今回クラシック・ミニ選択の一つの理由です。

インジェクションはお利口ですが、お利口な奴にかぎってツマラナイのは人間も同じか・・・(笑)

 

まだまだ、エピソードはありますが、この辺で。

とにかく、機械的には古いこともあり、良く故障して大変でしたが、部品もあって修理工場や自分でスグに直せました。

このクルマが私に与えてくれた楽しさや充実感ははかりしれません。

最後は、リヤデフのあそびが大きくなり、ガチンガチン言い出したので流石にこれは大金かかるかと思い手放しました。

と言っても、売れなかったので、修理工場に預けたままで・・・ヒドイ話ですね。

そうそう、最後にいわゆる雨ざらしの7年間でして、生産してからは20年以上が経っていたのに、ボディの錆は殆ど無かったです。イギリス車もすごかったんだと・・・。