忘己利他

書道をやっています。大切な仲間に恵まれ、ふれあい、共に楽しむために・・・

麗川会課題 五言絶句を書く

2014-10-30 23:10:50 | 教室
明日は10月末日。
今年も残り2ヶ月です。

1年って、こんなに短かっかったかなあ・・・
「烏兎匆々」って知っていますか?
中国では太陽にはカラスがいて、月にはウサギがいると言われていることから
月日のこと。匆々は慌ただしいという意で、
「光陰矢のごとし」や「歳月人を待たず」と同じ意となるそうです。



先月の麗川会の課題
半切に五言絶句を書きました。

たくさんの半切作品が集まり、
どの作品も一生懸命書かれているので、
優秀作品を選ぶのが難しかったです。

どれもご紹介したいところですが、
その中でも私がみなさんにご覧いただきたい作品です。



送郭司倉       王昌齢

映門淮水緑     門に映ず 淮水の緑
留騎主人心     騎を留む 主人の心
名月随良掾     名月 良掾に随い
春潮夜夜深     春潮 夜夜に深し



漢字がお得意の恵祥さんの作品です。
長いあいだ伊都内親王願文を勉強されていて、
ここ数年道風の屏風土代に取り組んでおられます。
重厚な線でありながら流れが感じられ、
作品作りが手馴れています。

     
罷相作        李適之

避賢初罷相     賢を避けて初に相を罷め 
楽聖且銜杯     聖を楽しんで且つ杯を銜む 
爲問門前客     爲に問ふ門前の客 
今朝幾箇來     今朝幾箇か來る



入会して間もない淡雪さんの作品です。
麗川会に来られる前に、ずいぶんご経験があるようで、
かなも漢字も技量が高く、やる気が漲っています。
この作品は、自然な繋がりの連綿線が特に良く、
流れとリズムができています。



お手本にはならないのですが、
私も恥ずかしながら、書いてみました

     

麗川会
11・12月のお稽古予定

上大岡ひまわりの郷   10:00~12:00   
11/2(日)  11/9(日) 11/22(土)
12/6(土)  12/13(土)

フォーラム南太田 10:00~12:00
12/21(日)

地域労働文化会館 14:00~16:00
11/6(木) 11/20(木)B
12/4(木) 12/18(木)

新杉田 杉田劇場
15:00~17:00
11/2(日) 11/9(日) 11/15(土) 11/23(日)
12/6(土) 12/21(日)


新杉田 杉田劇場
19:00~21:00
11/10(月) 11/17(月)
12/1(月) 12/15(月)


11月29日(土)は、絵手紙講習会 「未年の年賀状を書く」 です。
皆様是非ご参加ください。
麗川会以外の方も歓迎です。
詳細は、こちら







  

2014 書TEN 私の作品

2014-10-29 00:32:52 | 書展
ハワイのキラウエア火山の溶岩が流れ出て、
村の500メートルまで近づいているとか。

日本でも、一か月前の御嶽山を始め
宮崎のえびの高原、
鹿児島の桜島、
そして山形の蔵王と
噴火または、それを予知する現象か゜・・・

地下のマグマが
怒り始めています。

何に対して

人間を悪行を戒めるためかも。。。

被害が少ないことを祈ります



さて、「2014 書TEN―探―」が終了して、
10日が過ぎますので、
本日私の作品で作品紹介を最終回とします。
今回私は3点出品しましたが、
そのうち1点は先日ご紹介したので、
残り2点です。


「日月」


今年、夏からずっと
「日月」を書き続けています。

今回は「金文」で。

私はこれまで
金文をあまり書いたことがないのですが、
新たに
挑戦してみました。

画数の少ない簡単な文字だからこそ、
難しさがあります。

「日」と「月」の一体感の欠如
幼稚な作品です




「喜」


額寸 21×25cmの小品です。

実は書き始める前は、
「喜」を3つ書くつもりだったのです。

何で読んだか忘れてしまいましたが・・・

「喜び」には3つの喜びがあり、

一つ目は、与えられる喜び
二つ目は、与える喜び
そして三つ目は、それらを感謝する喜びだと。

何回も何回も「喜」を書き続けたのですが、
結局納得できる作品は、一つだけで、
三つの「喜」はできませんでした

こうして「書」をやっていて、

周りの方々に、
たくさんの励ましや支えをいただいています。


私は、与えられることばかりで、
周りの方々に、
何を与えているのか?
何が与えられるのか?


私からは何も差し上げるものはないのに
皆様が、
私を支えてくださって、
只々
感謝です

こうして「書TEN」のメンバーに加えていただき、
たくさんの刺激や影響をいただき、
メンバーにも感謝いっぱいです。

書TENのメンバーであるという、
誇りをもち
素晴らしい仲間がいてくれるという、
喜びを感じています。

そんなことを思いながら、
「喜」をたくさん書きました。


この「喜」
少しお辞儀をしているように、
三つ目の感謝する「喜」のつもりです。



もうすでに、
書TENは、来年に向けて
動き始めています。

もっとグレードアップした
アグレッシブな書展をご覧いただけるよう、
メンバー一同ガンバるでしょう。

私も風邪だ
ぎっくり腰だと
弱音を吐いている場合ではありません















2014 書TEN 私の好きな作品 その5

2014-10-28 01:06:42 | 書展
夜になって、木枯らしのような冷たい風が吹いてきました。

今日(日付変わって昨日)は、夜のお稽古だったのですが、
最近入会されたM君が、
仕事で遅くなったと、
一時間遅刻してきました

仕事帰りでは、
お腹が空くだろうと
若い彼らのために、
いつも軽いおやつを用意しておくのですが、

「食べてから書いたら」と促すと、
「いえ、書ける時間が少なくなるので、後でいただきます」と

「今の若い奴らは・・・」と言われる昨今ですが、
今時珍しく実直な彼の姿に
嬉しくなりました。



2014書TENの作品をポツポツご紹介してきました。、

今日は「その5」となり、
「その1」でご紹介した、
木原光威氏の2点目の作品です。
ご本人のブログ 「雪割草」に掲載の前に
載せさせていただきますが、
お許しください



百田宗治詩
「一かたまりの灌木、丘陵、森かげの赤煉瓦の製造工場。遠い地平にいま 日が翳る」

詩の一番最後「日が翳る」を大きく書き、
その余白に、この詩全体が細かく書かれています。

「日」は、文字の中の余白を大胆に空け、、
本来余白であるべきところは、文字で埋めています。

普通では、考えつかない構成です。
彼の作品は、エキセントリック・奇抜・型破り。
普通でない独自性があるところが、魅力なのです



百田宗治といえば、
小学校で習った童謡「どこかで春が」を読んだ詩人です。
この歌、大好き



         どこかで「春」が生まれてる、
        どこかで水がながれ出す。 

        どこかでひばりがないている、
        どこかで芽の出る音がする。

        山の三月東風ふいて
         どこかで「春」が生まれてる。

「春」が生まれるって、
ステキ









2014書TEN 私の好きな作品 その4

2014-10-26 11:07:10 | 書展
ここ数日風邪気味で、
喉が痛く、不調です。
ぎっくり腰とのダブルパンチで、
昨日は、午前中南太田でお稽古をしたものの、
午後は家で回復に努めていました。
(という言い方もありますが、居眠りをしていました。)

今日も倦怠感が続いていますが、
多分寝過ぎかな?

ブログに向かう元気があるので、
まあ、大丈夫なのでしょう。。。



岡村雞守斎氏 「山」


この作品を、文字と観るのか? 絵と観るのか?
その境目は、どうでもよい。
もともと「山」という漢字は、絵から生まれたものなのだから。

岡村氏は、自然豊かな新潟にお住まいで、
作品は、大地のにおいがし、人間の生きる力を感じます。


この山は、富士山ではないけれど、
まるで
葛飾北斎や横山大観のような
存在感だと私は感じました。

粗野で大らかで、
迫力いっぱいの「山」です。
たくましく、
エネルギーが湧き出る、
作品です。

岡村氏には、
このような元気をもらえる作品を
書き続けてもらいたいと
願っています















2014書TEN 私の好きな作品 その3

2014-10-23 21:31:06 | 書展
お蔭さまで、ぎっくり腰はずいぶん良くなりました。

それにしても、寒いですね。
一気に冬がやってきたので、
セーターを着込み、
ホットカーペットでぬくぬくです

このところ書TENの私の好きな作品をご紹介していますが、
もう少し、お付き合いください。




坂本沙於里さん「木簡へのオマージュ」


この作品の隣に貼られたプレートに、
以下の作者のメッセージがありました。

「木簡へのオマージュ
なにものにも囚われず、自由でおおらか、凛々、豪快に
歓喜する木簡の境地に共感。意味に縛られた文字の運命を
変えたくて「線」と「空間」から、共感覚な世界を探って
みました。 文字を礎にしつつ文字に非ず、心象の形。

内緒にしたいところですが、礎の面々は・・
「鳥」「空」「心」「是」「下」「馬」「号」「見」「道」。」



抽象作品は、私には未知の世界です。
答えを出してしまうと、そこで話は終わってしまい、
人間は考えることを、止めてしまう。
作品を見てそれぞれの感じ方は様々で、
一つの答えではなく、いくつも答えがあってよいではないか。
という、彼女の主張に
なるほどと一々うなづいています。

沙於里さんご自身の作品の解説は、こちらに



芸術劇場では、会期中作品を販売することは、
NGなのですが、
終わってしまえば、ノープロブレム。

真ん中の列の、一番下の作品、
ピエロが綱渡りをしているように見えます。
一番黒が主張していて、余白も明るい。

私はその作品が大好きで、
いつもその作品に目がいくのです。
会期中から、どうしても欲しいと
思っていました

昨日交渉成立。
安価でお譲りいただけることとなりました。
嬉し~い

すでに売約済の作品があるようですが、
早いもの勝ちですよ。。。