忘己利他

書道をやっています。大切な仲間に恵まれ、ふれあい、共に楽しむために・・・

若い人へのメッセージ

2013-07-31 16:25:17 | 書道


8月末のグループ展の作品制作をしなければと
時間が惜しい時期ですが、
どういうわけだかパソコンに向かっています。

機械音痴の私が自分の作品をフォトチャンネルにしてみました。
すでにこのブログに掲載したものがほとんどですが、
ご覧いただければ、幸いです 



娘が高校の国語の教員をしているのですが、
先日小論文の授業で
「書道」をテーマに論文を書いてきた生徒さんがいたそうです。

若い方々が書道に関心を持って下さるのは大変ありがたいことですが、
最近流行っている音楽にのって大きな文字を書くパフォーマンスや、
外人が着ている手書き文字のTシャツが日本文化の書道だというのは、
いかがなものでしよう。

それも一つの楽しみ方ではありますが、
「書の世界」は、底知れない奥深さがあり
それを探求する地道な鍛錬が必要です。

娘に依頼されて、高校生に理解してもらうために
「書道について」以下書いてみました。
拙文ですが、読んでいただければ幸いです。



 日本語は漢字と仮名を用いて表記されます。漢字は中国から伝来したものであり、仮名はその漢字を基に日本で作られたものです。ですから、我が国の文字文化は、中国の影響を色濃く受けているのです。書道もまた、中国から伝えられたもので、我が国の有名な書家は、すべて中国の書家が書いた古跡を手本として、書を学びました。
 現代社会において、携帯・パソコンの普及により、日本人は活字漬けになってしまい、手書きの文字に触れること、自ら文字を書く事が疎かになりました。活字は読みやすい特性は持ち合わせますが、機械で作られた文字という点から、筆者の心情を表現することは不可能です。その点手書きの文字は、書き手の温もりを感得することができ、手書きの文字の手紙を受け取ると、差出人の心が伝わります。
 現代は筆記用具・紙の普及により学校でもノートを取るなど、ペンや鉛筆、シャープペンシルなど使用することは当たり前ですが、昔はシャープペンシルがなく、ペンや鉛筆・紙は貴重品でした。人々は皆、筆を用いていました。現代において、書道をやるということは、趣味・道楽のように捉えられていますが、一昔前は、実用的に使用されていたものでした。書道が日本文化の一つとして捉えられる理由がそこにあります。
 書道は武道や華道・茶道というように「道」という文字がつきます。これは、長い間の修行が伴い、日本人特有の克己の精神を修練し、人格形成を目標とするものだと言われています。ただ、文字を書いたから「書道をやっている」ではなく、書道を通して立派な人間になろうとする努力が必要なのです。「書は人なり」「書は心の鏡」と言われ、書いた作品を見れば、書いたその人がどのような人かわかると言われます。
 また、現代において書作品は、平面芸術として、美を追求することも一つの要素です。単に美しさを追うばかりでなく、その作品から感じられる趣や風情により、作者の心情や思想を鑑賞者に訴える作品が求められます。
 先に述べたように文字や書道は中国で作られ、日本に伝来したものでありますが、近年は日本人独自の感性により、中国の書道とは違った面をもった作品の数々が発表され、日本独自の書道文化が確立されています。最近は、活字が一般的で、珍しい手書きの文字が注目を集め、ポスターや看板・商品のロゴなどに用いられることもしばしばです。
 近年、欧米諸国でも漢字が注目され、書道に興味を持って下さる方々も多いようですが、ますます多くの方々に見ていただき、絵画などと並ぶ芸術文化として、書道の普及を願いたいと思います。










もう一歩前へ

2013-07-30 21:34:00 | 言葉



昨日「第53回現日書展」の記事に
フェイスブックから30以上もの
「いいね」という反響をいただき、
有難うございました 

拙い言葉を並べて
ブログを綴っていますが、
見ていただける方
読んでいただける方がいてくださるのは、
とても嬉しいことです 

しかし、私はやっとのこと、
パソコンでブログを書いているのです。、
機械音痴なため
スマホは使えず、
ラインも
フェイスブックも
ツイッターもどのように操作するのか?
何のことやら、よくわかっていません 

このブログでさえ、
弟に「お姉ちゃんが自分でそんなことできるわけがない」と、決めつけられ、
主人や娘に作ってもらっているのだろうと疑われています。

でも、このブログは、一から自分でちゃんと作りました。(難しいことではなかったので…)

年をとると新しいことに挑戦するのに尻込みをしてしまいます。
でも、一歩踏み出して、ブログをはじめ、
新しいご縁をいただいたり、
ご覧頂いた方から、感想や情報をいただいたり、
嬉しい効果が生まれています。

麗川会の方々の中には、
これまで縁のなかったインターネットですが
私のブログを見るために「やっと自分で見れるようになりました」と 

ブログを初めて7ヶ月。
皆様に応援いただき、感謝です。

これからも頑張ります。


第53回現日書展

2013-07-29 21:03:47 | 書展



新潟から帰った翌日は、現日書展の搬入、
その翌日から審査会の手伝い、
今日やっと審査結果の報告書を各団体や受賞者に送ることができました

審査会のお手伝いをしていて思うのです。
皆さん精魂込めて書かれた作品だから、
厳正に公平に審査されなければならないと。
勿論現日会は、その点 素晴らしいものです。

出品点数が多くないと賞に入らなかったり、
内申があったり、
審査にお金が動いたり・・・
そんな情けない審査はやっていません。

創設者 南 不乗先生の精神により、
作品本位。書く力のある作品と力の足りない作品を見極めていきます。

受賞者は賞をいただけたことが大きな励みとなるでしょうが、
賞をもらうために、書道展に出品をするのではなく、
自分に書く力をつけるため、自分の成長のためなのだという
目標を明確にもって書道展に臨んでもらいたい思います。

書展に出品することで、
作品を発表する緊張感が生まれます。
自ずから、作品制作に気合が入ります。
そして、自分磨きは少しづつ進行し、
やがて輝きを増してくるのです

受賞したとかしないとか、
そんなことは、「おまけ」があるかないかです。
私も「自分磨き」頑張ります

明日の朝、顔を洗うと
お肌がツルツルになっているかも???

現日書展会期は8月2日から、東京都美術館です。




第60回記念 太空書道展 その2

2013-07-29 17:05:42 | 言葉
前回に引き続き、新潟の第60回記念 太空書展のレポートです。

昨日で会期が終了されました。
太空会の皆様、お疲れ様です。


「観」の競作の1点 岡村けい守齋氏


     
左は内藤巌泉太空会会長「知足」
右は岡村けい守齋書展実行委員長「蛞蝓掛塩」



木原光威氏 
尾崎放哉句 「一斉に海に吹かるる芒(ススキ)かな」

いつも憧れの木原さんの作品です。
「うまいなぁ~」いつも感心してしまいます 

ちょうどお目にかかりました。
皆さんが競作されている「観」の中に木原さんの作品がなかったので
「観」はどこ? と、質問をしたところ、
「気づいた時には締め切りを過ぎていて・・・ないんです。まっ、こんなものです。」と。

木原さんが「観」を書いたらどんな作品を発表されるのだろう?
逆にそんな想像が生まれたり、拝見できない悔しさがあったり・・・

作品のないところにも彼の存在感があるように思いました。






第60回記念 太空書道展 その1

2013-07-25 22:09:52 | 書展
今朝目が覚めて、「 よし!行くぞ」と思い立ち、
慌てて支度をして、出かけた新潟の「第60回記念太空書道展」

今年に入って2回目の新潟です。



新潟が産んだ偉大な書家 故 中俣苗邦先生の門下の方々の書展です。

中俣先生が亡くなられて17年も経っているのに、先生の精神を会員の皆さんが受け継がれて、
意気軒昂、熱い想いが伝わってくる作品の数々でした。

会期中につき、本日は中俣先生の作品のみのご紹介にとどめます。



斎藤茂吉の歌
「陸奥(みちのく)をふたわけざまに聳(そび)えたまふ 蔵王の山の雲の中に立つ」

東北を太平洋側と日本海側とに二つに分け、中央にそびえ立つ蔵王の山の雲の中に私は立っている。
というような解釈でしょうか…

残念ながら私は中俣先生にお目にかかったことはありません。
しかし、自由で斬新で独創的なその作品をいつも憧れをもって拝見しておりました。
今回は中俣先生のこの作品を拝見することができ、また、ご門下の皆様の作品をたっぷりと鑑賞させていただき、
新潟へ伺って、よかったと思いました

本日の新潟行きの、もう一つの目的地。。。
駅前の「冨寿司」
以前、美味しいお寿司屋さんだと新潟の方からお薦めをいただき、
はまってしまいました。



さすがに新鮮な海の幸が自慢の新潟です。
特に南蛮エビは最高です。
お米も美味しいので、なおさらですね。

横浜のお寿司とはかなり違うような気がします。
私がいつも行く近所のお寿司屋さんは、廻るんです