忘己利他

書道をやっています。大切な仲間に恵まれ、ふれあい、共に楽しむために・・・

第5回 書を楽しむ麗川会展  ご案内

2015-09-30 10:52:45 | 教室
「書を楽しむ麗川会」というのは、
私が主宰する書道教室・・・

いや、主宰ではなく、私が雑用係を勤める教室ですね

隔年で教室の展覧会をしているのですが、
今年はその年にあたり、

10月3日(土)~6日(火) 10:00~17:00
港南区民文化センター ひまわりの郷 ギャラリーにて

(京急線 または横浜市営地下鉄 上大岡駅 駅ビル ウイング4階)

開催致します。






麗川会は、「ひまわりの郷」と
「フォーラム南太田」・「杉田劇場」、
そして阪東橋の「地域労働文化会館」の会議室をお借りし、
「書を楽しむ」をモットーとしてお稽古に励んでいます。

「書を楽しむ」というのは、ただ筆をもって書いて楽しいではなく、
懸命に研鑽し、地道に努力して、
上達が得られた時や良い作品ができた時に、
喜びや楽しみが生まれてくるものだと私は思います。

会員一同は、その努力を讃え合い、励まし合い、
そして、いたわりと思いやりを大切にしています。

高齢の方も多く、
病気を抱えている方や、
御家族の介護をしながら続けている方、
みんなそれぞれ条件が違います。

でも、互の立場を分かり合いながら、
互を気遣いながらで、
助けあっています。


こうした素敵な仲間がいて、
居心地のよい自分の場所があることは、
とても「しあわせ」なことだと思います。

その「しあわせ」をかみしめつつ、
この書展も今回が五回目となりました。

私は、先週池袋の書展を終えたばかりで
支度にアタフタしておりますが、

お買い物のついでなどに、
ご近所の方は
お出かけいただけますよう、
お願いいたします




麗川会では、入会者を若干名募集いたしております。
書道を初めたい方、
再開したい方、
この展覧会の受付へお問い合わせください。







2015書TEN―めざめ―  作品④

2015-09-29 00:50:16 | 書展
昨晩は、素敵な月が見えました。

夕方6時過ぎ、横浜の環状2号線に乗って、
夜のお稽古に向かう途中、
高架に差し掛かったところで、
見事なスーパームーン。

あまりの大きさと鮮やかな色にしばし見とれてしまいました。

おっとぉぉぉぉ。。。前の車に追突寸前。。。スレスレで急ブレーキ
危ない。危ない

さて、2015書TEN―めざめ―の作品紹介にお付き合いいただきましたが、
この④でピリオド。

恥ずかしながら、私の作品をご覧いただきたいと思います。

今回は、製作期間に疲れからの体調不良。
それに加えて、仕事が溜まっていて、時間不足。

でもでも、いい訳できないことは、わかっています。

他のメンバーが頑張っておられる中、
一人、情けないなあと肩身の狭い思いでした。





「色即是空」


日本橋の小津和紙で購入した1枚ものの染め紙をバックにしました。






「強くなんてない」


「私は自分が強くないことに気づいた」と言ったら、
メンバーが吹き出し気味に笑っていた。
どうしてだろう???






「曉」


百人一首の壬生忠岑の歌に
「有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂きものはなし 」があるが、
「めざめ」の朝のイメージは、夜明け前の暁の切ないイメージだった。


夜明け前は悲しい気持ちでも、
やがて希望に満ちた朝がやってくる。

「あけない夜はない」って、よく云う。
ダメなときもある。
スランプが時々あってもいい。

ずっとスランプが続くかもしれない。

でも、きっといつか回復できると信じて
前へ進んで行きたいと思います。

来年は、もっと頑張ります。
と、誓いを立てて、
今年の書TENは終了しました。








2015書TEN―めざめ― 作品③

2015-09-28 13:22:06 | 書展


書TENが終わって、4日目。
今日は朝からお礼状を書いています。

本日は、2点のご紹介を・・・。

書TENの代表 木原光威氏の 山本洋三詩より「純白に凍る」です。
上の写真は部分。

全体像はこちら。↓




毎回何か新しい試みが感じられる木原氏の作品ですが、
今回はいつもより渇筆を強調して、白さを意識されているかと。
文字の傾き、細かい部分の配置、いつもながらに「お見事」です。

これまでに宮沢賢治・中原中也・尾崎放哉などをモチーフとされていますが、
このところ山本洋三氏の詩を使われています。

山本洋三氏について語るとすご~~~く長くなるので、
皆様こちらのホームページブログをご覧ください
とにかく、多才で楽しい方、こんな詩を書かれるのですから、ロマンチストでもあるのでしょう



詩の全文のみ、ここで紹介いたします。



 生



空は青く

木の葉は緑であるという

恐ろしいまでの単純さと

空は

赤く燃え

紫に染まり

漆黒に輝き

木の葉は

黄に散り

紅に舞い

純白に凍る

という多様さとが

ぼくらの

生の

あり方だ



この詩の中から、心に止まったフレーズ「純白に凍る」を切り取り、
大きく書かれたと木原氏はおっしゃっていました。

このところ、書TENは木原氏に代表を勤めていただいていますが、
ご本人は「役割分担です」と繰り返されています。

メンバーから信頼が厚く、
書の実力は満点、
熱い情熱を持って皆を引っ張り、
それでして優しい気遣いをしてくださる、
素敵な代表です。


ただ作品を書くだけでは、偏った人間になってしまいます。
積極的に広くコミュニケーションを図ること、
人との関わりの中に自分の成長があるのかと。

その点でも、
コミュニケーション能力の高い
木原光威氏に、
書TENは勿論、
これからの書道界のリーダーになってもらいたいと思います






筵平桃太郎氏の作品。
「壺の圖」です。
右上に添えられている漢字は、万葉集。
 「造駒 土師乃志婢麻呂 白久有者 諾欲将有 其黒色乎」
  駒造る土師の志婢麻呂白くあればうべ欲しからむその黒色を


奎星会で御活躍の桃太郎さん。
メンバーは「桃さん」の愛称で呼んでいます。

独特の世界観をお持ちなので、理解するには「10年早い」のか?

とにかく、凄い芸術家の匂いがします


2015書TEN―めざめー 作品②

2015-09-27 12:10:33 | 書展

東京 池袋駅からすぐ近くの東京芸術劇場で開催した、
「2015書TEN」です。

最近、東急と副都心線が繋がり、
JRの湘南新宿ラインを利用して、
横浜から池袋まで一本。
30分ちょっとで来れるのですが、
池袋は遠く感じられる方が多いようです。

行かれなかったので、
「ブログで作品を観ます」との、
お声をいただくので

本日は先輩女性陣4名の作品のご紹介をば・・・






中谷翠泉氏の「陰陽」







谷合双辰氏「露」






伊地知星夏氏「秋の野に」






多田翠香氏「抱心」



先輩たちの書に対する情熱の強さに、
圧倒されてしまいます。

時間がない、お金がかかる、
もう年だ・・・なんて
愚痴をこぼしながらも、
自分の作品に誇りをもち、
自分自身を磨くことに、
全力投球をしておられます。




会期最終日に行った合評会。
互いに作品について、言いたいことを言いました。

何を言おうが
何を言われようが、

言える友がいること、
言ってもらえる仲間がいること、

それが何より幸せです


2015書TEN―めざめ― 作品①

2015-09-26 21:44:24 | 書展



シルバーウィーク
お天気に恵まれて、
「2015書TEN―めざめ―」を、
盛会に終了することができました。

これも、偏にご来場くださった多くの皆様のお蔭と、
感謝申し上げます。
 
私にとっては、楽しいメンバーと、
この4日間を過ごし、最高にハッピーでした。


10名の個性豊かなメンバーの書展ですが、
今回も見事に十人十色、
それぞれに違ったものが、出揃いました。
何回かに分けて、作品をご紹介しますので、
お付き合いいただければ、幸甚です。

私が、自分にない世界として、
注目しているのが、
抽象の世界です。

文字性がなく視覚平面芸術として
純粋に造型・線・墨色・余白などの美しさを主張し、
時間と空間との美的構造の上に
新しい造形を打ち立てようとするもの。

でも、難しい理論はそっちのけで、
ただ心のままに書けばよいと言う。
(誰が言ったかは、ナイショ)

上の作品は、新潟の岡村雞守斎氏の「波のイメージ」

全体像は、こんな感じです。⇓



昨年の書TEN、直前にご病気で入院され、
前回は、作品のみのご参加でご本人はお越しになれず、
心配していましたが、
その後、ご静養にはげまれ、
今年はすっかりお元気になられました。

岡村氏の生きる喜びとエネルギーが
表われている作品。
胸が熱くなりました。


次に坂本沙於里氏



木簡を愛する沙於里さんならではの、
楽しげな波磔の表現。
3×6尺の大きな紙でインパクトの強いものとなりました。

題名は「祈りのかたち めざめ」



迷いなく、気取りなく、
何も囚われるものなく、
自分をさらけ出し、
作品に向かっている作者の意気込みを感じます。



人間生きていくうちには、
喜びも悲しみもあり、
辛いこと、苦しいことを
それぞれが背負って生きています。

喜びや愉しみは率直に自分の肥しとし、
艱難辛苦に立ち向かい、
強く、
乗り越えなければなりません。

その道の先には、
明るい未来や希望が待っていることを信じて、
元気に進んで行きたいものです。

そんな「祈り」をもって、
私はこの二つの抽象作品をは拝見しました。