サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

「ふぉれすと鉱山」の賑わい ~北海道のコーディネイターに学ぶ

2009年10月03日 | 環境と教育・人づくり
写真:北海道白老の浜辺


北海道の登別にある「フォレスト鉱山」を訪ねた。かつて鉱山で栄えた村の廃校を環境教育施設として利用している。

金銀硫黄等の採掘で栄えた町も、今は4・5戸しか居住者がいない。山間のどんづまりにある廃校。

そうした先入観を持ってたずねると、思いのほかに新しい施設だ。駐車場には車が多い。建物に入ると、若いお母さんと子供たちの賑わい。

この施設の運営を行うのは、NPO法人で指定管理者として施設を管理運営している。さらに、利用者による運営を目指して、参加の仕組みをつくり、さまざまな事業を展開している。


同じ廃校利用でも、十分な活用が出来ずに苦労しているところは多い。先だっても浜松で、木工の机・椅子を製作している廃校利用施設をたずねた。冷暖房がない朽ちた廃校をそのまま利用していた。製品はよいが、廃校や校庭はもっと有効に利用できるだろう。

これに対して、「フォレスト鉱山」は古い校舎を利用するだけでなく、宿泊・交流棟を新築で追加している。運営にかかわる人材も確保し、ネットワーク人材も有効に活用されている。

このような施設をなぜ作ることができたのか。

その秘密は「永遠の未完成」というコンセプトにある。「出来合いの施設や運営組織が与えられるのではない。この施設は未完成である。利用者がつくっていく施設である。」というコンセプトを徹底させている。

そして、このコンセプトを徹底させ、事業を立ち上げ、発展させてきたコーディネイターの存在が大きい。

デザインされた参加の仕組みには、利用者一人ひとりの特性に応じて、働きかけるものだ。その人が得意な仕事ややりたいことを、”よいしょ”し、踏みだした試みがうまくいくように、見守り、サポートする。

・・・

今回の調査では、登別だけでなく、隣接する白老町で、アイヌ文化の体験施設をたずたねり、朝、浜を見下ろす遊歩道を散歩したり、面白い体験をした。

コーディネイターに学ぶ旅、次回は新潟県上越。











コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 環境ビジネスの今後~近未来... | トップ | 民芸運動 ~モーリスから柳... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

環境と教育・人づくり」カテゴリの最新記事