サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

BDF(バイオディーゼル・フュエル)の可能性

2009年09月14日 | 循環型社会・3R
プレックに入社して、社長から「フランスでは国をあげて、バイオディーゼルを推進している。日本でも菜の花の産地等があるのだから、大きな仕事にしていけないだろうか」と投げかけられたことがる。

菜の花による地域づくり等も含めて検討をしてみたが、どうも大きな仕事にしにくい。菜の花の生産、あるいは廃油の回収をいくらしても、車の燃料としては量が少ないからだ。

そんな宿題を忘れつつあるなか、滋賀県の油藤商事さんをヒアリングした。また、ある企画書の検討において、京都市のレボインターナショナルさんにコンタクトをとらせていただいた。

廃油回収によるBDF製造事業は可能性があることを、この2つの事例が教えてくれている。ただし、誰でもできるビジネスではなく、法制度等の制約条件も多いことも確かである。特定の地域や熱心な主体において、行政、NPO、企業CSR等との連携において、成り立つコミュニティ・ビジネスであろう。


最近少しまとめてみたので、下記に張っておく。

・BDFの普及における取組事例は、主導する主体タイプから、A.NPO主導、B.行政主導、C.企業主導、D.学校主導等に分類することができる。また、菜の花栽培・搾油等を中心に行い、次の段階として廃油回収・BDF事業を実施しているものと、最初から資源循環を意図して、BDFを主眼として実施しているものがある。

・これらの取組み事例の多くが、採算がとれずに継続が困難になっている(特に、NPO主導等の取組み事例)、次のようなBDF事業の特性に起因する。

 ・分散して排出される廃油を回収する必要があり(コストやマンパワーが必要)
 ・製造するプラントは小規模で、安定した品質の確保と効率的な生産が困難
 ・品質確保や安定供給がなされないものにBDF利用者は購入意欲を持たな

・また、マイナーな代替燃料として、位置づけが充分にされていなく、法制度や自動車メーカー側の対応が不十分なことも、BDF普及の阻害要因となっている。

・具体的なBDF事業の課題は、①廃油の回収、②製造、③利用の3つの流通段階ごとに、ア.法制度、イ.技術、ウ.経済性、エ.社会的状況の4つの側面で存在する。

・経済面、社会面に係る課題解決策としては、次の方向が考えられる。

 ・回収・製造、利用のコストの公益的負担(行政、あるいはNPO・企業CSR)
 ・地域ぐるみや大口排出者確保によるスケールメリットの創出・自立性確保
 ・上記による回収インセンティブ、ステッカー等の原資確保

以上
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「高速道路の無料化」は理解... | トップ | 遠野のコーディネイターに学ぶ »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
BDF (ken_acr99)
2009-09-12 20:32:11
初めまして
BDFは日本のような国では、かえって化石燃料を余計に消費してしまうことになるんでしょうね。

日本がやるべきことは、資源は無いがマンパワーは膨大にあるような国で、菜種の栽培、収穫、運搬、採油、精製、などの大部分を人力(もしくは家畜orソーラー)で行い、必要最低限の部分で自動車や発電機に使うための、効率のいいローテク機器の開発じゃないかと思います。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

循環型社会・3R」カテゴリの最新記事