2003年7月27日
烏帽子小屋 === 三ッ岳山頂 === 野口五郎岳山頂 ===
水晶小屋 === 水晶岳山頂 === 水晶小屋 === 雲ノ平キャンプ地
午前2時。誰かの時計のアラームが鳴り響く。
Nobu兄のだっただろうか。起床。
眠い…。眠すぎる…。
昨夜あんまり寝付けなかっただけのことはあった。
いや、すんなり寝れたとしてもこんな朝とも夜とも
わからん時間に起きれてたまるか。って感じだが、、とにかく起床。
今日の行程は長いのだ。だから、2時起床。
結論から言ってしまうと、この日の行程は本当にクソ長かった。
今、思い出すと、この山行のなかで一番きつかった一日だったと言えるかもしれない。
前日のブナ立尾根よりもましてうんざりした一日だった…
今日のような行程の長い日の朝は簡単に食べれるウィンナーサンド。
個人的にあんまり好きじゃないのだけれど、こんな日はしかたない。
そして出発。午前3時30分。
三ッ岳より御来光
あたり前ながら、真っ暗。ヘッドランプ行動だ。
でも、月明かりに照らされた夜空が本当にきれいだった。
絶対に下界では見れない月だった。月だけじゃない。
本物のプラネタリウムだ。天の川も美しかった。
と、ここまでは早く起きたかいがあったってもんだ。
だったのだけれど、行動開始直後の三ッ岳への上りは寝起きの体にマジで応えた。
3人とも普通にへばった。三ッ岳へは烏帽子キャンプ場周辺から約300㍍のUPである。
寝起き一番の300㍍UPはキツイ。
4時45分三ッ岳山頂(2844.6㍍)付近到着(標識はあったが確か三角点上は通過しない)。
ここにてご来光を拝む。きれいだった…。
縦走路より槍ヶ岳を望む
野口五郎岳山頂にて
野口五郎小屋から野口五郎岳(2924.3㍍)はすぐだ。
15分から20分といったところ。山頂はだだっ広い。
2900㍍も標高があるようには思えない山頂だ。
三ッ岳も入れれば今山行3つ目のピーク。
ザックを背負ったまま交互に写真を撮って早々と先を急ぐ。
と、まぁ、先を急ぐといったって荷物が荷物だ。
急いで歩くことなんて到底できない。
ペースはいたってゆっくり。
一歩一歩確実にっていう感じ。
今のところ3人ともに順調だ。
あくまで、この段階での話しですが…。
縦走路より水晶岳を眺めて
真砂岳をトラバースして湯俣からくる竹村新道との分岐付近で小休止。
これから向かう水晶岳がとてもきれいに見える。かっこいい山だ。
しかし赤牛岳へと続く読売新道は長いなぁと思う。
話しでは聞いていたけど、実際に見てもなるほど長い。
きっとそうとう疲れるんだろうなぁ~とただ思う。
いつか登ってみようなんて馬鹿なことを考える日が来るだろうか。
まぁ、無きにしも非ずか…
な~んてことを考えながら、また出発。
と、少し歩いたところでICUのワンダーフォーゲル部の方々と出会った。
聞けば、夏合宿の真っ最中らしい。
上高地から親不知までの北アルプス大縦走だとか。
ただただ「すげー」と感心。
お互いの健闘を祈ってまた前進。
帰ってからICUさんのHPを拝見させていただいたのですが、
無事にこの夏合宿は成功し親不知まで踏破したようです。
本当におめでとうございます。そしてお疲れさまでした。
とまぁ、IUCの女の子が可愛くって3人とも元気に。
ほんと救いようがないんです、、、私たち。
そんなこんなで水晶小屋に向けてこれまでよりは少し痩せた尾根を進んで行く。
地図上には危険のマークがついているが、そこまでたいしたことはない。
多少岩がごつごつごろごろしているぐらいだ。
途中、尾根上でお昼を食べながらそこでゆっくりする。
けっきょく水晶小屋に到着した時には12時45分になっていた。
コースタイムと比べてもかなり遅い…。
東沢乗越から水晶小屋までの登りは結構きつかったし…。
Kouさんがばててたのを今でも鮮明に覚えてる(笑)
親ライチョウ
12時55分。水晶小屋の前にザックをデポして水晶岳へピストン。
このときはもうすでにガスってしまっていてあたりは真っ白。
山の午後は嫌でもガスが湧いてきてしまうのだ。
でも、そのおかげか、水晶岳への道中で雷鳥をたくさん見かけることができた。
砂浴びをしてたり、子供を連れてうろちょろしてたり。
それに雷鳥の鳴き声は初めて聞いた気がする。特に可愛くはなかったけど。
去年も燕岳でたくさん雷鳥を見かけたけど、雷鳥って天然記念物。
こんなに雷鳥とめぐり会える私はラッキーなのだろうか?
それとも、雷鳥が増えてきているのかな?そうだといいな…。
子ライチョウ
13時35分。水晶岳(2986㍍)到着。
ガスってなんにも見えないけれど、気持ち良い!
ピークも“山”って感じだったし。
そういえば余談ですが、水晶岳への上りで、
どうも私だけ方向感覚がまったくつかめなくなってしまった。
あんな体験初めてだったからちょっとまいった。
ある意味、山の恐ろしさなのかもしれない。
水晶岳山頂にて
14時40分水晶小屋に戻り14時55分出発。
時間的にはかなり遅かったものの、3人とも
「よし、あともう一息だ!」ってな感じで気合は十分だった。
地図上でも雲ノ平までそう離れてはいなかったから。
しかし!それは大きな、大きすぎる間違いだった…。
地図上ではあまり離れていないように見えた雲ノ平。
実際に、水晶小屋を少し出たあたりで雲の隙間から見えた雲ノ平。
3人とも「嘘だろ?」ってな感じになって茫然唖然。
そう、実際の雲ノ平はかなり遠かったのだ。
そして、ここからの約2時間が、この山行のなかで、
もっとも3人を苦しめた2時間になった。
強敵、祖父岳
思い出したくもないあの2時間。
本当に本当に長かった。辛かった。うんざりした。
行く手に立ちはだかる祖父岳(2825㍍)。
地図を見てみると、どう考えても祖父岳を通過するしか雲ノ平への道はない…。
でも、祖父岳がなんとも高すぎるではないか。
「あんなの登ってられっか!」って3人で何度言いあったかしれない。
岩苔乗越より黒部源流
岩苔乗越についた時には、真面目に3人でどこか近道はないものかと探した。
でも、でも、やっぱり雲ノ平への道は一本しかなかった。
私たちは祖父岳を“おじいちゃん”と呼び合って挑んだ。
だんだん、だんだん、3人の口数は減っていった。
そしてピリピリムードになっていった。
みんな“おじいちゃん”にきれていた。
“おじいちゃん”は上りも下りも強敵だった。
“おじいちゃん”に危うく殺されるところだった。
本当に3人とも疲れ果てたのだ…。
17時48分。雲ノ平キャンプ地到着。
最後の力を振り絞ってテン場を探し。
テントを設営し、夕食を作って食べ、就寝。
15時間近い行動は初めてだった。
寝れないわけがなかった。
朝:ウィンナーサン / 昼:フランスパン・ハムetc. / 夜:ハヤシライス
【3日目】に続く
烏帽子小屋 === 三ッ岳山頂 === 野口五郎岳山頂 ===
水晶小屋 === 水晶岳山頂 === 水晶小屋 === 雲ノ平キャンプ地
午前2時。誰かの時計のアラームが鳴り響く。
Nobu兄のだっただろうか。起床。
眠い…。眠すぎる…。
昨夜あんまり寝付けなかっただけのことはあった。
いや、すんなり寝れたとしてもこんな朝とも夜とも
わからん時間に起きれてたまるか。って感じだが、、とにかく起床。
今日の行程は長いのだ。だから、2時起床。
結論から言ってしまうと、この日の行程は本当にクソ長かった。
今、思い出すと、この山行のなかで一番きつかった一日だったと言えるかもしれない。
前日のブナ立尾根よりもましてうんざりした一日だった…
今日のような行程の長い日の朝は簡単に食べれるウィンナーサンド。
個人的にあんまり好きじゃないのだけれど、こんな日はしかたない。
そして出発。午前3時30分。
三ッ岳より御来光
あたり前ながら、真っ暗。ヘッドランプ行動だ。
でも、月明かりに照らされた夜空が本当にきれいだった。
絶対に下界では見れない月だった。月だけじゃない。
本物のプラネタリウムだ。天の川も美しかった。
と、ここまでは早く起きたかいがあったってもんだ。
だったのだけれど、行動開始直後の三ッ岳への上りは寝起きの体にマジで応えた。
3人とも普通にへばった。三ッ岳へは烏帽子キャンプ場周辺から約300㍍のUPである。
寝起き一番の300㍍UPはキツイ。
4時45分三ッ岳山頂(2844.6㍍)付近到着(標識はあったが確か三角点上は通過しない)。
ここにてご来光を拝む。きれいだった…。
縦走路より槍ヶ岳を望む
野口五郎岳山頂にて
野口五郎小屋から野口五郎岳(2924.3㍍)はすぐだ。
15分から20分といったところ。山頂はだだっ広い。
2900㍍も標高があるようには思えない山頂だ。
三ッ岳も入れれば今山行3つ目のピーク。
ザックを背負ったまま交互に写真を撮って早々と先を急ぐ。
と、まぁ、先を急ぐといったって荷物が荷物だ。
急いで歩くことなんて到底できない。
ペースはいたってゆっくり。
一歩一歩確実にっていう感じ。
今のところ3人ともに順調だ。
あくまで、この段階での話しですが…。
縦走路より水晶岳を眺めて
真砂岳をトラバースして湯俣からくる竹村新道との分岐付近で小休止。
これから向かう水晶岳がとてもきれいに見える。かっこいい山だ。
しかし赤牛岳へと続く読売新道は長いなぁと思う。
話しでは聞いていたけど、実際に見てもなるほど長い。
きっとそうとう疲れるんだろうなぁ~とただ思う。
いつか登ってみようなんて馬鹿なことを考える日が来るだろうか。
まぁ、無きにしも非ずか…
な~んてことを考えながら、また出発。
と、少し歩いたところでICUのワンダーフォーゲル部の方々と出会った。
聞けば、夏合宿の真っ最中らしい。
上高地から親不知までの北アルプス大縦走だとか。
ただただ「すげー」と感心。
お互いの健闘を祈ってまた前進。
帰ってからICUさんのHPを拝見させていただいたのですが、
無事にこの夏合宿は成功し親不知まで踏破したようです。
本当におめでとうございます。そしてお疲れさまでした。
とまぁ、IUCの女の子が可愛くって3人とも元気に。
ほんと救いようがないんです、、、私たち。
そんなこんなで水晶小屋に向けてこれまでよりは少し痩せた尾根を進んで行く。
地図上には危険のマークがついているが、そこまでたいしたことはない。
多少岩がごつごつごろごろしているぐらいだ。
途中、尾根上でお昼を食べながらそこでゆっくりする。
けっきょく水晶小屋に到着した時には12時45分になっていた。
コースタイムと比べてもかなり遅い…。
東沢乗越から水晶小屋までの登りは結構きつかったし…。
Kouさんがばててたのを今でも鮮明に覚えてる(笑)
親ライチョウ
12時55分。水晶小屋の前にザックをデポして水晶岳へピストン。
このときはもうすでにガスってしまっていてあたりは真っ白。
山の午後は嫌でもガスが湧いてきてしまうのだ。
でも、そのおかげか、水晶岳への道中で雷鳥をたくさん見かけることができた。
砂浴びをしてたり、子供を連れてうろちょろしてたり。
それに雷鳥の鳴き声は初めて聞いた気がする。特に可愛くはなかったけど。
去年も燕岳でたくさん雷鳥を見かけたけど、雷鳥って天然記念物。
こんなに雷鳥とめぐり会える私はラッキーなのだろうか?
それとも、雷鳥が増えてきているのかな?そうだといいな…。
子ライチョウ
13時35分。水晶岳(2986㍍)到着。
ガスってなんにも見えないけれど、気持ち良い!
ピークも“山”って感じだったし。
そういえば余談ですが、水晶岳への上りで、
どうも私だけ方向感覚がまったくつかめなくなってしまった。
あんな体験初めてだったからちょっとまいった。
ある意味、山の恐ろしさなのかもしれない。
水晶岳山頂にて
14時40分水晶小屋に戻り14時55分出発。
時間的にはかなり遅かったものの、3人とも
「よし、あともう一息だ!」ってな感じで気合は十分だった。
地図上でも雲ノ平までそう離れてはいなかったから。
しかし!それは大きな、大きすぎる間違いだった…。
地図上ではあまり離れていないように見えた雲ノ平。
実際に、水晶小屋を少し出たあたりで雲の隙間から見えた雲ノ平。
3人とも「嘘だろ?」ってな感じになって茫然唖然。
そう、実際の雲ノ平はかなり遠かったのだ。
そして、ここからの約2時間が、この山行のなかで、
もっとも3人を苦しめた2時間になった。
強敵、祖父岳
思い出したくもないあの2時間。
本当に本当に長かった。辛かった。うんざりした。
行く手に立ちはだかる祖父岳(2825㍍)。
地図を見てみると、どう考えても祖父岳を通過するしか雲ノ平への道はない…。
でも、祖父岳がなんとも高すぎるではないか。
「あんなの登ってられっか!」って3人で何度言いあったかしれない。
岩苔乗越より黒部源流
岩苔乗越についた時には、真面目に3人でどこか近道はないものかと探した。
でも、でも、やっぱり雲ノ平への道は一本しかなかった。
私たちは祖父岳を“おじいちゃん”と呼び合って挑んだ。
だんだん、だんだん、3人の口数は減っていった。
そしてピリピリムードになっていった。
みんな“おじいちゃん”にきれていた。
“おじいちゃん”は上りも下りも強敵だった。
“おじいちゃん”に危うく殺されるところだった。
本当に3人とも疲れ果てたのだ…。
17時48分。雲ノ平キャンプ地到着。
最後の力を振り絞ってテン場を探し。
テントを設営し、夕食を作って食べ、就寝。
15時間近い行動は初めてだった。
寝れないわけがなかった。
朝:ウィンナーサン / 昼:フランスパン・ハムetc. / 夜:ハヤシライス
【3日目】に続く