2003年8月1日
五色ヶ原キャンプ場 === ザラ峠 === 一ノ越山荘 === 雄山 === 剱沢キャンプ場
この長い長い縦走も残すところあと3日になった。
今日から終盤戦に突入だ。
この山行が最終的に目指すところは剱岳。
ザラ峠の登下降を断念したからといって剱岳に登頂できれば、
この山行のいちおうの目標は達成される。はず…
山行が始まってから一週間。
食糧や燃料も減り、荷物もだいぶ軽くなった。
それに、気持ちもだいぶ軽くなった。
そんなこの日は2時30分に起床。
ザラ峠の登下降を断念したため、予定を繰り上げ、
今日は剱沢キャンプ場までの行動ということになる。
五色ヶ原から剱沢キャンプ場まではけっこう遠い。
なので、いつもより少し早めの起床だ。
出発は4時30分。
キャンプ場から40分ぐらい歩くと昨日偵察に訪れたザラ峠に到着。
しばし、休憩することにする。
さらばザラ峠
ザラ峠を見つめるKouさん。
とても悔しそうだった。
そんな写真が上の写真。
ここで15分ほど“お別れザラ峠休憩”をして、ふたたび出発。
獅子岳(2741㍍)の上りにかかる。
ザラ峠の手前から見る獅子岳は嫌になるほどでっかい。
ザラ峠の標高が2348㍍なので約400㍍のアップである。
獅子岳へ400㍍アップ
写真ではわかりにくいけど、ギザギザにルートを登ってく。
獅子岳の上りの途中で太陽も高くなり、
昨日泊まった五色ヶ原や雨のなか歩いた薬師岳、
遠くは槍ヶ岳から穂高連峰まできれいに見渡せた。
それに、富山県側に広がっていた雲海も見事だった。
五色ヶ原
薬師岳
遠く槍ヶ岳と穂高岳
富山県側の雲海
獅子岳の上りではいったい何回ぐらい休んだであろうか?!
とにかく、休み休みゆっくりゆっくりと登っていった。
途中、地図上で危険と書かれていたハシゴ部分もたいしたことはなく、
順調に順調に高度を稼いでいった。
獅子岳の次に現れる鬼岳(2750㍍)はその山腹をトラーバース。
この時期だと眩しいほどの雪がまだ豊富に残ってた。
龍王岳(2872㍍)
縦走路から雄山方面を望む
そして、鬼岳の次に現れるのが龍王岳(2872㍍)。
ここも山頂は巻いてしまうが鬼岳と龍王岳のコルからの上りはなかなかの急坂。
そこを登りきると左手に富山大学立山研究所が建っている平らな台地へ。
ここで大休止。
Kouさん
私
Nobu兄
目指す剱岳も姿を現し、雲に見え隠れしてました。
考えてみれば、剱岳を肉眼ではっきりと見たのはこの場所が初めてだった。
かっこよかったー。
それにそれに、ここに着いて感じたこと。
それは、下界のにおいがしたこと。
今までの登山道と違って、ここまで来るとハイカーさんもたくさん。
一週間も山にいると、匂いというものにとても敏感になるか、
すれ違うハイカーさんたちの匂いに鼻が反応。
そんなとき、「あー、今回も無事に帰ってきたんだなー」って、
まだ剱岳が残っているにも関わらず思っていた私なのでした。
そんなことを思いながら一ノ越山荘へ。
下に見えるのは、室堂、コンクリートの道路、バス、大勢のハイカーさん。
室堂から登ってくる子供たちが私たちに「ヤッホー」と声をかけてくる。
正直、一気に緊張がほどけて力が抜けてしまった。
一ノ越山荘は雄山を目指すハイカーさんばかり。
いきなりそんな中に入り込んでしまったんですもの。。。
でも、少しホッとしたな。
ここは携帯の電波もしっかりあって一週間ぶりに電話やMailも。
ちなみに、一ノ越山荘には10時15分到着。
ほぼコースタイム通りでした。
空がきれいで
ここにて昼食。カンカンに日が照りつけるなかラーメンをつくる。
天然の日焼けサロン。3人とも違う味だからちょっと面倒くさい。
ここでは1時間近くゆっくりしてた。
11時10分やっと立ち上がって出発。
次に越える山は目の前に聳える雄山(2991.6㍍)。
一ノ越山荘からは約300㍍のアップだ。
今日はアップダウンが激しい…。
雄山を目指すハイカーさん達のスピードにあわせてゆっくり登ってく。
すごい人。人だらけ。危ないので下手に抜くこともできず。
雄山は室堂までバスで入れ、手頃に登れる3000㍍峰(雄山神社は3003㍍)。
ちなみに室堂からは歩いて2時間ほどでホントお手頃。
11時47分雄山到着。雄山神社まで登るにはお金をとられるらしく断念。
500円だったかな?!お金を払ってまで登ろうとは思わない。
トイレに行くなど7分ほど休ませてもらって雄山をあとに。
ここからは高低差もそれほどない稜線歩き。
ほどなくして大汝山(3015㍍)に到着。
立山のなかではこの山が一番高い。
でも、特に魅力的な山頂ではなかったな…。
この頃からガスも出始めていて何も見えなかったし、
写真を一枚とってすぐに出発。
そして、また少し歩くとすぐに立山三山最後の一峰、
富士ノ折立(2999㍍)付近に到着。
ここは確か山頂には登れなかったような…。
私たちが山頂には登らず通り過ぎてしまっただけかも。
縦走路が山頂を巻いていることだけは確かです。
富士ノ折立からは右に内蔵助カールを眺めながらいったん下って真砂岳(2861㍍)へ。
ここも山頂は巻いてしまって前進。
山頂へのルートもきちんとありますが、
私たちは楽なほう楽なほうへとルートをとってトラバース。
もちろん別山(2874㍍)もトラバース。
3人ともまったくもってピークを踏んでやろうとは思わない…。
別山を巻き終わると、とうとう今日の目的地である剱沢キャンプ場が遥か下に。
は、ちょっと大げさだけどけっこう下に見えてきた。
ガス間の剱岳
ガスの間から見えた剱岳も一段と大きくてかっこいい。
けっこう急な坂をゆっくり下って剱沢キャンプ場へ。16時15分到着。
五色ヶ原から約12時間。
それなりに歩いたわりにそこまで疲れを感じませんでした。
立山の山域に入ってからは道も一段と歩きやすかったし、
精神的にも楽になって余裕が生まれのかもしれません。
剱沢キャンプ場は広々としていてテントもたくさん。賑わっていました。
私たちが着いたときにはテントを張るスペースもほとんどなくて。
端っこの方のサイトを整地してテント設営。
この日の夕飯はドライカレー。初めての試み。でも、大成功!
とってもおいしくて3人とも大満足でした。
水もどし餅に引き続いて即採用。
食糧の即戦力になることは間違いない。
これはつかえます!うまいです!
玉ねぎとサラミ、ガーリックバターがポイントかな。
さぁー、明日は剱。
今山行最後のピーク。
てなわけで就寝。
朝:五目御飯・味噌汁 / 昼:ラーメン / 夜:ドライカレー
【8日目】に続く
五色ヶ原キャンプ場 === ザラ峠 === 一ノ越山荘 === 雄山 === 剱沢キャンプ場
この長い長い縦走も残すところあと3日になった。
今日から終盤戦に突入だ。
この山行が最終的に目指すところは剱岳。
ザラ峠の登下降を断念したからといって剱岳に登頂できれば、
この山行のいちおうの目標は達成される。はず…
山行が始まってから一週間。
食糧や燃料も減り、荷物もだいぶ軽くなった。
それに、気持ちもだいぶ軽くなった。
そんなこの日は2時30分に起床。
ザラ峠の登下降を断念したため、予定を繰り上げ、
今日は剱沢キャンプ場までの行動ということになる。
五色ヶ原から剱沢キャンプ場まではけっこう遠い。
なので、いつもより少し早めの起床だ。
出発は4時30分。
キャンプ場から40分ぐらい歩くと昨日偵察に訪れたザラ峠に到着。
しばし、休憩することにする。
さらばザラ峠
ザラ峠を見つめるKouさん。
とても悔しそうだった。
そんな写真が上の写真。
ここで15分ほど“お別れザラ峠休憩”をして、ふたたび出発。
獅子岳(2741㍍)の上りにかかる。
ザラ峠の手前から見る獅子岳は嫌になるほどでっかい。
ザラ峠の標高が2348㍍なので約400㍍のアップである。
獅子岳へ400㍍アップ
写真ではわかりにくいけど、ギザギザにルートを登ってく。
獅子岳の上りの途中で太陽も高くなり、
昨日泊まった五色ヶ原や雨のなか歩いた薬師岳、
遠くは槍ヶ岳から穂高連峰まできれいに見渡せた。
それに、富山県側に広がっていた雲海も見事だった。
五色ヶ原
薬師岳
遠く槍ヶ岳と穂高岳
富山県側の雲海
獅子岳の上りではいったい何回ぐらい休んだであろうか?!
とにかく、休み休みゆっくりゆっくりと登っていった。
途中、地図上で危険と書かれていたハシゴ部分もたいしたことはなく、
順調に順調に高度を稼いでいった。
獅子岳の次に現れる鬼岳(2750㍍)はその山腹をトラーバース。
この時期だと眩しいほどの雪がまだ豊富に残ってた。
龍王岳(2872㍍)
縦走路から雄山方面を望む
そして、鬼岳の次に現れるのが龍王岳(2872㍍)。
ここも山頂は巻いてしまうが鬼岳と龍王岳のコルからの上りはなかなかの急坂。
そこを登りきると左手に富山大学立山研究所が建っている平らな台地へ。
ここで大休止。
Kouさん
私
Nobu兄
目指す剱岳も姿を現し、雲に見え隠れしてました。
考えてみれば、剱岳を肉眼ではっきりと見たのはこの場所が初めてだった。
かっこよかったー。
それにそれに、ここに着いて感じたこと。
それは、下界のにおいがしたこと。
今までの登山道と違って、ここまで来るとハイカーさんもたくさん。
一週間も山にいると、匂いというものにとても敏感になるか、
すれ違うハイカーさんたちの匂いに鼻が反応。
そんなとき、「あー、今回も無事に帰ってきたんだなー」って、
まだ剱岳が残っているにも関わらず思っていた私なのでした。
そんなことを思いながら一ノ越山荘へ。
下に見えるのは、室堂、コンクリートの道路、バス、大勢のハイカーさん。
室堂から登ってくる子供たちが私たちに「ヤッホー」と声をかけてくる。
正直、一気に緊張がほどけて力が抜けてしまった。
一ノ越山荘は雄山を目指すハイカーさんばかり。
いきなりそんな中に入り込んでしまったんですもの。。。
でも、少しホッとしたな。
ここは携帯の電波もしっかりあって一週間ぶりに電話やMailも。
ちなみに、一ノ越山荘には10時15分到着。
ほぼコースタイム通りでした。
空がきれいで
ここにて昼食。カンカンに日が照りつけるなかラーメンをつくる。
天然の日焼けサロン。3人とも違う味だからちょっと面倒くさい。
ここでは1時間近くゆっくりしてた。
11時10分やっと立ち上がって出発。
次に越える山は目の前に聳える雄山(2991.6㍍)。
一ノ越山荘からは約300㍍のアップだ。
今日はアップダウンが激しい…。
雄山を目指すハイカーさん達のスピードにあわせてゆっくり登ってく。
すごい人。人だらけ。危ないので下手に抜くこともできず。
雄山は室堂までバスで入れ、手頃に登れる3000㍍峰(雄山神社は3003㍍)。
ちなみに室堂からは歩いて2時間ほどでホントお手頃。
11時47分雄山到着。雄山神社まで登るにはお金をとられるらしく断念。
500円だったかな?!お金を払ってまで登ろうとは思わない。
トイレに行くなど7分ほど休ませてもらって雄山をあとに。
ここからは高低差もそれほどない稜線歩き。
ほどなくして大汝山(3015㍍)に到着。
立山のなかではこの山が一番高い。
でも、特に魅力的な山頂ではなかったな…。
この頃からガスも出始めていて何も見えなかったし、
写真を一枚とってすぐに出発。
そして、また少し歩くとすぐに立山三山最後の一峰、
富士ノ折立(2999㍍)付近に到着。
ここは確か山頂には登れなかったような…。
私たちが山頂には登らず通り過ぎてしまっただけかも。
縦走路が山頂を巻いていることだけは確かです。
富士ノ折立からは右に内蔵助カールを眺めながらいったん下って真砂岳(2861㍍)へ。
ここも山頂は巻いてしまって前進。
山頂へのルートもきちんとありますが、
私たちは楽なほう楽なほうへとルートをとってトラバース。
もちろん別山(2874㍍)もトラバース。
3人ともまったくもってピークを踏んでやろうとは思わない…。
別山を巻き終わると、とうとう今日の目的地である剱沢キャンプ場が遥か下に。
は、ちょっと大げさだけどけっこう下に見えてきた。
ガス間の剱岳
ガスの間から見えた剱岳も一段と大きくてかっこいい。
けっこう急な坂をゆっくり下って剱沢キャンプ場へ。16時15分到着。
五色ヶ原から約12時間。
それなりに歩いたわりにそこまで疲れを感じませんでした。
立山の山域に入ってからは道も一段と歩きやすかったし、
精神的にも楽になって余裕が生まれのかもしれません。
剱沢キャンプ場は広々としていてテントもたくさん。賑わっていました。
私たちが着いたときにはテントを張るスペースもほとんどなくて。
端っこの方のサイトを整地してテント設営。
この日の夕飯はドライカレー。初めての試み。でも、大成功!
とってもおいしくて3人とも大満足でした。
水もどし餅に引き続いて即採用。
食糧の即戦力になることは間違いない。
これはつかえます!うまいです!
玉ねぎとサラミ、ガーリックバターがポイントかな。
さぁー、明日は剱。
今山行最後のピーク。
てなわけで就寝。
朝:五目御飯・味噌汁 / 昼:ラーメン / 夜:ドライカレー
【8日目】に続く