2003年7月30日
薬師峠キャンプ場 === 薬師岳山荘 === 薬師岳 === スゴ乗越キャンプ場
スゴ乗越小屋前にて
上の写真を見て。どうしていきなりスゴ乗越小屋前での写真なの?
って思われる方がほとんどかもしれません。。。
いや、本当なら薬師岳とかスゴ乗越小屋までの行動写真を載せたかった。
が、しかし、無理だった。というより、写真自体がないっ。
1枚も撮れなかったんのです…
この日、薬師岳山域を通過していたときの雨といったら本当に酷かった。
写真なんて撮れる状況じゃなかった。
だからこの日の写真は終着地での写真ばかり。
というわけで、文字ばかりの5日目の行動記録をどうぞ。
7月30日、5日目。計画では五色ヶ原まで踏破することになっていた。
2日目と同じくらい長く辛い一日になるはずだった。
しかし、幸か不幸か夜半過ぎから風雨が強まり、
テントは激しく揺れ雨も容赦なくテントをたたく。
起床を予定していた夜中の1時45分。
みんないったん起きて、緊急の会議開催。
と言っても、眠くてほとんど何を話したのか覚えていないのだが、
この会議で決まったことは、以下2点。
①この天気では3時出発のヘッドランプ行動は危険と判断し、
今日は予備日を使ってスゴ乗越小屋までにしようということ。
②もう少しテントで待機、ということ。
眠かったし、五色ヶ原までなんて正直歩きたくなかったし、、
天気の神様に感謝???(笑) とにかくまた寝た。
3時30分ふたたび起床。しかし、依然として雨風ともにとても強い状態。
テントにも浸水の被害が。Kouさん側が水浸し。
朝ごはんのウィンナーサンドを食べながら風雨が弱くなるのを待つ。
そして5時40分。少し風雨が弱まったのを見計らって出発。
この山行始まって以来初めての本格的な雨の中での行動。雨は嫌だ!!!
いきなり沢に沿った樹林帯の上り。沢の水と雨の水のコラボレーション。最悪だ。
ただただ濡れる。うんざりする。そこを登りきると、平らな薬師平に出る。
ここにて最初の一本。雨の中いろんな花々が咲いていた。
薬師平を過ぎるとざれた上りになる。なぜかまた風雨が強まってきた。
そしてなぜかKouさんがペースをあげるように指示してくる。
なぜよ?なぜよ?
とNobu兄も私も疑問に思う。
あとで聞くと、ただ早く薬師岳山荘に着いてさっき脱いだ
雨具を着たかっただけらしい。まったく。。。
7時15分、薬師岳山荘に到着。
リーダー様にせかされたかいあっていいペース(笑)
小屋の中に少し入れてもらって休憩する。
置いてあったノートに足跡を記す。
なんて書いたっけな?覚えてないや。
7時30分ふたたび出発。雨と風はどんどん強くなっている様子。
寒いし。しかも、なんか顔が痛い。
そうじゃなくても雨と風で十分痛かったのに更なる衝撃。
なんだよ?霙だよ。って霙?!
今、何月だと思ってんだ!と言いたくなるが、山のうえは下界とは違う。
夏でも天候によっては簡単に10℃を下回ってしまう。
雪までとはいかないまでも霙ぐらいにならすぐ変身してしまう。
とは言ってもけっこう珍しいのでは?この日、この時間帯は本当に寒かった。
そんな天候のなか薬師岳山頂目指して道をジグザグに登っていく。
あたり前ながら辺りはガスで真っ白。
と、しばらくするとなんだかもうこれ以上登らなくてもよさそうな感じになる。
おっ、頂上か?って、そんなに薬師岳くんは甘くない。東南稜分岐に到着。
いつか愛知大学パーティーが迷い込んでしまった東南稜だ。ここにて小休止。
まぁ実際このときは、ここが東南稜との分岐だなんてわからなかったし、
まして、愛知大学の遭難のことなんて思い出している余裕すらなかったのだが。
もうただただ寒く、そこにあった小屋の跡らしき壁に身を寄せて休む。
そしたら一緒に休んでいた人が板チョコレートを分けてくれた。
涙が出るほど本当においしかった。ありがとうございました。
そこから最後のひと踏ん張り。そして8時35分、薬師岳(2926㍍)登頂に成功。
本当なら360度の展望が楽しめたのだろうがこの天気だ。なーんにも見えない。
長居したってただ寒いだけなので10分ほどで薬師岳をあとにする。
次なるピークは北薬師岳(2900㍍)だ。
本当なら右手に立派な金作谷のカールを眺めながらの稜線歩きになるはずが…。
しつこいけどホント久しぶりのHardな天気だった。雨は強いし風は強いし寒いし。
しかも、北薬師岳までの稜線は以外に痩せていて3人で声を掛け合いながら歩いたほどだ。
時間は記録してないけれど無事に北薬師岳(2900㍍)のピークも踏む。
すれ違ったパーティーの写真を撮ってあげてここも早々出発。
ここからスゴ乗越小屋まではずっと下り。600㍍を一気に下る。
それでも特に注意するような危険箇所もなく、
途中何度か小休止を入れながらたんたんと下っていく。
間山(2585.2㍍)の手前あたりまで来たときには
雨も風も峠を越えたようで収束に向かいつつあった。
ただ、3人の中で一番の寒がりのNobu兄はまだ寒がっていた(笑)
スゴ乗越小屋の30分ぐらい手前まで来ると
雨も完全に止んだので昼食をとった。
フランスパンにサラミにジャムにetc...
今回の山行は全行程を通してサラミを多用した。
コンロで少しあぶってから食べるとジューシーでうまい。
3人ともに大好きな一品である。
キャンプ地私有地化
13時32分スゴ乗越小屋に到着。まぁ、無難なペースで歩いてこられたか。
ここに到着したときは天気も完璧に回復傾向にあり、
雲が切れた時には赤牛岳や水晶岳も眺めることができた。
そんな中で自分でも「よく歩いてきたなー」ってしみじみ思ってしまったのが
真正面のずーと先にぽつんと少し尖がった烏帽子岳を見て取れたときだった。
この山行があそこからスタートしたと思うと、
ちょっとどころじゃなく信じられなかった…。
俺たちってバカなんだなって思った。(笑)
小屋でテントの申し込みをしてテン場へ。
テントを設営してから、びしょびしょになってしまった
3人の全装備をテントサイトいっぱいに広げて乾かした。
まだ時間が早かったこともあってか気兼ねなく有効利用させてもらった。
上の写真がその光景。
戦いのあとのキャンプ地にて
15時を過ぎると天気も完璧に回復し、
きれいな夕焼けを見ることができた。
音楽聴きながら3人で写真を撮ったり、
山を眺めたりして楽しいひと時を過ごしました。
お疲れのいっぷく
背
嵐去りしのちの雲
逆光のふたり
嵐去りしのちの雲2
夕焼けのひと時
夕焼けのひと時2
夕焼けのひと時3
高い高い越中沢岳
と…楽しいひと時に水を差したのが上の写真。
それはテン場から見たスゴの頭(右)と越中沢岳(左)の写真。
雲が切れてあの山々が目の前に見えたとき、
「なんだあの高くて重そうな山は?」と、
Kouさんと地図を広げて確認。
「まさか…俺たち明日登るのあれ?」
「いや~、ちょっと高すぎないか?」
「でも針ノ木はあんな近くないし…」
「そうだよな…じゃあ、やっぱりあれがスゴの頭であれが越中沢なのか?」
「でも…やっぱ高すぎない?」
とかなんとか二人でぶつぶつ話す。
そう、断固として二人ともあの山が越中沢岳とは思いたくなかった。
が、近くで同じように山を眺めていたおじさんが、
「お~い、越中沢もよく見えるぞー」とかなんとか言いだした。
「はぁ~、マジかよ」って思うのみ。
この事実を中屋さんにも伝えみんなでうんざり。
あんまり標高は高くないはずなのに、
このテン場から見えるスゴの頭と越中沢岳は本当にでかかった。
道は一本のみ。逃げることはできない。
薬師岳に越中沢岳にと巨大な要塞に囲まれたスゴ乗越。
どっちから訪れたとしてもその通過には
相当苦しめられる場所であることは確か。
夕日に染まる雲海
そういえば16時の天気予報から天気図をとったところ、
私たちが薬師岳山域を歩いていた時間帯は、
ちょうど低気圧と前線が私たちの真上を通過していたようだった。
どうりで酷い天気だったわけだ。
3人で楽しいひと時を過ごして、
夕食を作って食べて、
この日も無事に終わって就寝。
明日はとうとう立山山域に突入だ。
朝:ウィンナーサンド / 昼:フランスパン・サラミetc... / 夜:山菜うどん
【6日目】に続く
薬師峠キャンプ場 === 薬師岳山荘 === 薬師岳 === スゴ乗越キャンプ場
スゴ乗越小屋前にて
上の写真を見て。どうしていきなりスゴ乗越小屋前での写真なの?
って思われる方がほとんどかもしれません。。。
いや、本当なら薬師岳とかスゴ乗越小屋までの行動写真を載せたかった。
が、しかし、無理だった。というより、写真自体がないっ。
1枚も撮れなかったんのです…
この日、薬師岳山域を通過していたときの雨といったら本当に酷かった。
写真なんて撮れる状況じゃなかった。
だからこの日の写真は終着地での写真ばかり。
というわけで、文字ばかりの5日目の行動記録をどうぞ。
7月30日、5日目。計画では五色ヶ原まで踏破することになっていた。
2日目と同じくらい長く辛い一日になるはずだった。
しかし、幸か不幸か夜半過ぎから風雨が強まり、
テントは激しく揺れ雨も容赦なくテントをたたく。
起床を予定していた夜中の1時45分。
みんないったん起きて、緊急の会議開催。
と言っても、眠くてほとんど何を話したのか覚えていないのだが、
この会議で決まったことは、以下2点。
①この天気では3時出発のヘッドランプ行動は危険と判断し、
今日は予備日を使ってスゴ乗越小屋までにしようということ。
②もう少しテントで待機、ということ。
眠かったし、五色ヶ原までなんて正直歩きたくなかったし、、
天気の神様に感謝???(笑) とにかくまた寝た。
3時30分ふたたび起床。しかし、依然として雨風ともにとても強い状態。
テントにも浸水の被害が。Kouさん側が水浸し。
朝ごはんのウィンナーサンドを食べながら風雨が弱くなるのを待つ。
そして5時40分。少し風雨が弱まったのを見計らって出発。
この山行始まって以来初めての本格的な雨の中での行動。雨は嫌だ!!!
いきなり沢に沿った樹林帯の上り。沢の水と雨の水のコラボレーション。最悪だ。
ただただ濡れる。うんざりする。そこを登りきると、平らな薬師平に出る。
ここにて最初の一本。雨の中いろんな花々が咲いていた。
薬師平を過ぎるとざれた上りになる。なぜかまた風雨が強まってきた。
そしてなぜかKouさんがペースをあげるように指示してくる。
なぜよ?なぜよ?
とNobu兄も私も疑問に思う。
あとで聞くと、ただ早く薬師岳山荘に着いてさっき脱いだ
雨具を着たかっただけらしい。まったく。。。
7時15分、薬師岳山荘に到着。
リーダー様にせかされたかいあっていいペース(笑)
小屋の中に少し入れてもらって休憩する。
置いてあったノートに足跡を記す。
なんて書いたっけな?覚えてないや。
7時30分ふたたび出発。雨と風はどんどん強くなっている様子。
寒いし。しかも、なんか顔が痛い。
そうじゃなくても雨と風で十分痛かったのに更なる衝撃。
なんだよ?霙だよ。って霙?!
今、何月だと思ってんだ!と言いたくなるが、山のうえは下界とは違う。
夏でも天候によっては簡単に10℃を下回ってしまう。
雪までとはいかないまでも霙ぐらいにならすぐ変身してしまう。
とは言ってもけっこう珍しいのでは?この日、この時間帯は本当に寒かった。
そんな天候のなか薬師岳山頂目指して道をジグザグに登っていく。
あたり前ながら辺りはガスで真っ白。
と、しばらくするとなんだかもうこれ以上登らなくてもよさそうな感じになる。
おっ、頂上か?って、そんなに薬師岳くんは甘くない。東南稜分岐に到着。
いつか愛知大学パーティーが迷い込んでしまった東南稜だ。ここにて小休止。
まぁ実際このときは、ここが東南稜との分岐だなんてわからなかったし、
まして、愛知大学の遭難のことなんて思い出している余裕すらなかったのだが。
もうただただ寒く、そこにあった小屋の跡らしき壁に身を寄せて休む。
そしたら一緒に休んでいた人が板チョコレートを分けてくれた。
涙が出るほど本当においしかった。ありがとうございました。
そこから最後のひと踏ん張り。そして8時35分、薬師岳(2926㍍)登頂に成功。
本当なら360度の展望が楽しめたのだろうがこの天気だ。なーんにも見えない。
長居したってただ寒いだけなので10分ほどで薬師岳をあとにする。
次なるピークは北薬師岳(2900㍍)だ。
本当なら右手に立派な金作谷のカールを眺めながらの稜線歩きになるはずが…。
しつこいけどホント久しぶりのHardな天気だった。雨は強いし風は強いし寒いし。
しかも、北薬師岳までの稜線は以外に痩せていて3人で声を掛け合いながら歩いたほどだ。
時間は記録してないけれど無事に北薬師岳(2900㍍)のピークも踏む。
すれ違ったパーティーの写真を撮ってあげてここも早々出発。
ここからスゴ乗越小屋まではずっと下り。600㍍を一気に下る。
それでも特に注意するような危険箇所もなく、
途中何度か小休止を入れながらたんたんと下っていく。
間山(2585.2㍍)の手前あたりまで来たときには
雨も風も峠を越えたようで収束に向かいつつあった。
ただ、3人の中で一番の寒がりのNobu兄はまだ寒がっていた(笑)
スゴ乗越小屋の30分ぐらい手前まで来ると
雨も完全に止んだので昼食をとった。
フランスパンにサラミにジャムにetc...
今回の山行は全行程を通してサラミを多用した。
コンロで少しあぶってから食べるとジューシーでうまい。
3人ともに大好きな一品である。
キャンプ地私有地化
13時32分スゴ乗越小屋に到着。まぁ、無難なペースで歩いてこられたか。
ここに到着したときは天気も完璧に回復傾向にあり、
雲が切れた時には赤牛岳や水晶岳も眺めることができた。
そんな中で自分でも「よく歩いてきたなー」ってしみじみ思ってしまったのが
真正面のずーと先にぽつんと少し尖がった烏帽子岳を見て取れたときだった。
この山行があそこからスタートしたと思うと、
ちょっとどころじゃなく信じられなかった…。
俺たちってバカなんだなって思った。(笑)
小屋でテントの申し込みをしてテン場へ。
テントを設営してから、びしょびしょになってしまった
3人の全装備をテントサイトいっぱいに広げて乾かした。
まだ時間が早かったこともあってか気兼ねなく有効利用させてもらった。
上の写真がその光景。
戦いのあとのキャンプ地にて
15時を過ぎると天気も完璧に回復し、
きれいな夕焼けを見ることができた。
音楽聴きながら3人で写真を撮ったり、
山を眺めたりして楽しいひと時を過ごしました。
お疲れのいっぷく
背
嵐去りしのちの雲
逆光のふたり
嵐去りしのちの雲2
夕焼けのひと時
夕焼けのひと時2
夕焼けのひと時3
高い高い越中沢岳
と…楽しいひと時に水を差したのが上の写真。
それはテン場から見たスゴの頭(右)と越中沢岳(左)の写真。
雲が切れてあの山々が目の前に見えたとき、
「なんだあの高くて重そうな山は?」と、
Kouさんと地図を広げて確認。
「まさか…俺たち明日登るのあれ?」
「いや~、ちょっと高すぎないか?」
「でも針ノ木はあんな近くないし…」
「そうだよな…じゃあ、やっぱりあれがスゴの頭であれが越中沢なのか?」
「でも…やっぱ高すぎない?」
とかなんとか二人でぶつぶつ話す。
そう、断固として二人ともあの山が越中沢岳とは思いたくなかった。
が、近くで同じように山を眺めていたおじさんが、
「お~い、越中沢もよく見えるぞー」とかなんとか言いだした。
「はぁ~、マジかよ」って思うのみ。
この事実を中屋さんにも伝えみんなでうんざり。
あんまり標高は高くないはずなのに、
このテン場から見えるスゴの頭と越中沢岳は本当にでかかった。
道は一本のみ。逃げることはできない。
薬師岳に越中沢岳にと巨大な要塞に囲まれたスゴ乗越。
どっちから訪れたとしてもその通過には
相当苦しめられる場所であることは確か。
夕日に染まる雲海
そういえば16時の天気予報から天気図をとったところ、
私たちが薬師岳山域を歩いていた時間帯は、
ちょうど低気圧と前線が私たちの真上を通過していたようだった。
どうりで酷い天気だったわけだ。
3人で楽しいひと時を過ごして、
夕食を作って食べて、
この日も無事に終わって就寝。
明日はとうとう立山山域に突入だ。
朝:ウィンナーサンド / 昼:フランスパン・サラミetc... / 夜:山菜うどん
【6日目】に続く