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今年最後の津軽巨木調査

2012-12-09 | 巨木
東北巨木調査会の忘年会旅行ということで五所川原、黒石方面の巨木を見学してきました。
前日から大荒れの天候でしたが、新雪に覆われた津軽の風景は初めての体験です。
巨木を見学するのも楽しい事ですが、なんといってもこの会は個性的な会員が多く、そんな方々との交流も魅力です。今回は遠く神奈川県から参加した会員もいて、巨木ファンの広がりを感じました。
今回見学した巨木のいくつかをご紹介します。

五所川原市 菊が丘公園のヌマスギ(日本一)
 
五所川原市 飯詰のクロマツ 
 
五所川原市 十二本ヤス(日本一)
 
黒石市 夫婦雷樹
 



青森県の木ヒバ 脇野沢のヒバ巨木

2012-08-27 | 巨木


'00年に林野庁が発表した「森の巨人百選」は、全国の国有林内から選定された百本の巨木です。
青森県内から選ばれた四本の内の一つが脇野沢千年ヒバでした。
脇野沢千年ヒバと、東北巨木調査研究会が発見した近くにあるヒバ巨木を見学してきました。

脇野沢九艘泊から急坂の尾根越えで旧貝崎キャンプ場まで一時間弱。キャンプ場から奥に進む道の左右斜面に、今回発見した「双窓のヒバ」と「三頭木のヒバ」があります。
さらに10分ほど沢沿いの道を奥に進むと、脇野沢千年ヒバが急斜面上に現れます。
今回は、15年前の森の巨人選定時に森林組合で千年ヒバ計測をしていた方も同行していただきました。
当時は、崖から横に突き出た状態で生えているこの木の計測方法に困り、根回りに近い位置で計測していたとの事。
今回は環境省による計測方法、斜面上部の地際から1.3mで幹の伸びている方向と垂直、という条件で計測したところ、713cmという結果になりました。
森の巨人百選では618cmで登録されてましたが、環境省データベースにはこの数字で登録し直すことになるでしょう。



双窓のヒバ 

双窓のヒバ               三頭木のヒバ

脇野沢千年ヒバ
 
幹周計測風景


ヒバは青森県の木となっているのに、そのヒバの巨木は青森県内の環境省巨木データベースへの登録が少ない状況です。データベース内ではヒバとヒノキアスナロが別建てになっていて、金木にある十二本ヤスはヒノキアスナロへ、千年ヒバはヒバへと同じ樹木が二つに分かれているため青森県内のヒバ巨木が少なく表示されているのです。
青森県もヒバという名称に一本化する働きかけをしていただきたいと思います。
蛇足ながら、ヒバ製のまな板を十年以上使っています。抗菌効果があるためか十年以上使っているものの黒く変色せず、普通に洗っているだけで殺菌や漂白の必要もない。
私が思う青森県産品ベスト1はヒバ製まな板です。





蔦赤沼 不思議の森

2012-08-21 | 巨木
蔦温泉近くの赤沼周辺に、巨木の密度が高い森があります。
まだ見たことが無い、この森の取材があると聞き、ちょうど大雨の日でしたが同行してきました。
案内人がいなければたどり着けない森の巨木見学は、めったにできない貴重な体験です。
それほど高低差のない森の中はブナの森らしい緑色の世界で、今の季節はアジサイの水色が所々に。
春から初夏の花はすでに実になっていて、雨に濡れてつやつやと光っていました。

雨の日の森は、思っていた以上に美しい。
ただ、真夏の暑さとレインウエアの蒸し暑さだけは大変でした。


 






霜畑神社のケヤキ

2012-08-05 | 巨木
久慈市の旧山形町にある霜畑神社。
ケヤキの巨木が県の天然記念になっています。
見学のため訪れた日には、しめ縄や幟を片付けていて、前日がお祭りだったとのこと。
片付けを手伝っていた小学生が
「昨日は大きな木に登ったよ。いつもはダメだけど祭りの日だけ登れるの」
と、説明をしてくれました。
境内には目通りで7m前後のケヤキの巨木が二本。
昭和56年と記載された案内書きを見ると三本のケヤキの説明がありますが、現在は社横と社後ろの二本だけです。
この三十年の間に一本は枯れてしまったらしい。
今でも素晴らしいのですが、三本がそろっていた頃は、それだけで鎮守の森になっていたはずで、2~30年の時間差でそんな風景が見られなくなってしまったことが残念でもありました。

人に人相があるように、巨木には一本一本に独自の樹相があって、ランドマークや地名の由来になることも。
そしてこの神社で小学生が語っていたように、祭の日に登る体験が子供時代の記憶となっていく事も。
樹木のある景観は、故郷の象徴になっているのだと思います。


 
 









未確認カツラ巨木

2012-05-16 | 巨木
趣味や好みというのは、時に熱病のような症状を示すもので、気が付くと一本釣りのように吊り上げられてしまう魚の気持ちと同じになっています。

未確認の巨木があると聞き、万端繰り合わせて確認に行ってきました。
日本一かもしれないと言われると、見ずには居れなくなってしまい、自分の馬鹿さを笑いつつ参加してしまいます。
本当に日本一かどうかは今後の動向次第ですが、感動の体験であったことだけは確かでした。
木の前にいる人物が小さく見えるような素晴らしい巨木でした。





浅瀬石城跡 牛頭天皇社のポプラ

2012-05-15 | 巨木
神々の明治維新 -神仏分離と廃仏毀釈-には、明治時代に全国津々浦々の寺社を県庁職員などが『神社改め』として調べ、山の神・賽の神・道祖神・稲荷などの社を、祭神が山の神であれば大山津美など、地主神であれば大名持・少彦名神などと、記紀にまつわる神名へと変えていったと記されています。
羽黒修験であった戸川安章も、明治時代末に戸川安章の父が調べた山形県内の神主の経歴について書いていますが、元々修験者であった神主がほとんどで、元から神官であったのは千数百名中50人に満たなかったと記憶しています。
元が修験道であれば祭神も当然違っていたはずで、羽黒修験の多い山形県の数字ほどではなくとも、それに近い割合で主祭神も変わっているのでしょう。
現在は、神社といえば大概は記紀神話に登場する神を祭っているわけですが、小さな神社などはほとんどの場合は明治時代に祭神の変更があったと考えられます。
ですから現在の各地の神社で祭られている祭神は、明治時代に変えられたものだと思ってみる必要もあります。


黒石市の浅瀬石城址の片隅にある牛頭天皇社(ごずてんのうしゃ)は、鳥居のように二本のポプラの巨木がある神社で、社名が牛頭天皇であることが、とても興味を引きます。
黒石市内の羽黒神社の末社ということなので、元は修験道に関係する社であったと推察できますが、明治に社名を変えなかったとすれば、津軽のじょっばり精神からだったのでしょうか。
入内の石神神社でも感じた、自分たちの信仰に対する思い入れや信仰心の厚さは、ここでもまた感じました。

奇木でもあるポプラは、太い方が幹周4.7mで、国内でも10位内に入る巨木でした。
巨木の下調べに行っただけでしたが、地域の方々が集まって浅瀬石城の話や他にもある巨木の話などで大変盛り上がりました。
多くの方から歓待され、たくさんの話が聞けて、とても楽しい巨木調査でした。









茨島のトチ

2012-02-07 | 巨木
階上巨木見学で一番の見どころは茨島のトチでした。
新緑も花の時期も素晴らしいと想像できますが、雪の季節もまた素晴らしい。
トチの木は奥入瀬渓流にも多く自生していますが、谷間に生える木はすうっと高く伸びて樹冠の上に花を咲かせるので、花を近くで見ることはできません。
日当たりの良いこの場所では、横に大きく枝を伸ばし、人の目線の高さで花を咲かせます。
トチの花は近くで見ると中々に美しい花で、葉が展開した後に咲く花のため、桜のように鑑賞されることが少ないのですが、もう少し注目されてもいいのではと思っています。

巨木の魅力は幹の大きさだけではなく、どのような場所でどんな樹勢で育っているかも大きなポイントと感じます。
藁葺屋根の立派な民家の庭先で、見事な枝ぶりを見せるこのトチは、写真の被写体としても最高の巨木でした。


茨島のトチ  青森県指定天然記念物
樹齢 推定850年  
幹周 698cm
花の時期 5月下旬~6月上旬頃


 







階上町巨木見学

2012-02-06 | 巨木
      柳沢家のアサダ

東北巨木調査研究会の巨木見学に参加してきました。
冬は落葉樹の葉が落ちて見通しが良くなり、葉のある季節には見られない巨樹の姿を見学できます。
樹木の魅力は、春の新緑であったり花咲く季節だったり、紅葉の美しさだったりと見どころは多いのですが、雪に覆われ枝ぶりを露わにする季節もまた美しいものです。
巨木の魅力は樹木の美しさだけではなく、長い年月の間、大切にされ、神と崇められ、人との関係を築いてきた歴史を想像する事にもあります。
木を守ってきた人から、子供の頃その木に登って遊んだ思い出などを聞くと、子供の頃の楽しい思い出と信仰心は深く関わっているのだと認識させられます。
楽しさとセットになった世代間伝承は、子供時代の懐かしい記憶として強く残り、そして次世代の子供達へと語り継がれていくのでしょう。
家庭内の伝承は意外と永い間語り継がれていくもので、子供の情動に訴えるか、楽しい思い出か、そんな事象に仕立て上げ語る大人の知恵が知識の伝承に役立っていたのだと感じることがあります。
震災の記憶を語り継ぐには、信仰心や子供心に訴える何かを使った方法が有効かもしれません。

巨木を見学しながら、伝承の力とか地域の信仰と宗教の関わり方など、色々な事を考えています。
でも、それはとても大きな内容になってしまうため、いつも考えはまとまりません。

平内のホウノキ 
 
天当平のアカマツ





四角岳のシナノキ巨木見学

2011-11-23 | 巨木
田子町にある四角岳は青森・秋田・岩手の三県の県境が接する山です。
この山にあるシナノキの巨木見学に参加してきました。
東北巨木調査研究会の主催で新聞記事(田子・四角岳のシナノキが幹周で日本一)にもなっています。

山中にある巨木は案内が無ければ見ることができませんし、こういった機会を利用しない手はありません。
ただ日程が決まっている山行は天気が気になります。
相当な悪天や降雪では中止になるものの、多少の雨なら決行なので合羽は必需品になります。この日は天気予報では雨だったものの、この木に到着するまでは日も射して、巨木の美しい姿を見る事が出来ました。



シナノキといえば、先日見学してきた大川亮回顧展で展示されていた工芸品を思い出しました。
美しく編まれた籠や蓑はシナノキ(マダの木)の樹皮を薄く剥いでヨリを入れたものを材料にしています。
また岩木山のお山参詣で幟とともに掲げられる御幣も、昔はこの木から作られたとも。 
山に住んでいた人々は樹木の種類を見分け、樹木の特性を生かした利用をしていました。そして利用するための技術や撚りのかけ方や加工法の知識も持っていたはずです。
そのような知識は今では失われようとしていますが、その土地にあるものを上手に利用して生きていた知恵の総合体は大きなものだったのだろうとも感じます。
それは生きるために必要な切実な知恵だったのでしょう。
現代の知識や技術は進歩したのかもしれませんが、長く培われてきた知恵と技術の総量もけして小さなものではなかったとも思います。






ハリギリの話

2011-10-09 | 巨木
色々なブログを読んでいると、思わぬ発見と巡り合うことがあります。

昨年秋に読んでいた 津軽十景を調べてみました  わ的には…
このページの津軽十景に興味を持ち、今年の春にその中の一つである「法峠」(ほっとうげ)を見学に行った時のこと。
途中の道路脇に、思わず車を止めて見入ってしまうような見事な巨木がありました。
目測で幹周5mを超えていたのですが、葉の無い季節で樹形と樹皮だけでは木の種類が分からず、東北巨樹巨木の会の高淵会長に報告して、7月に現地調査を行いました。
その結果、樹種はハリギリで幹周5.6m、ハリギリでは国内7位の巨木と分かりました。
この木は環境省データベースに未登録で、そんな未確認の巨木が道路脇にある青森県の魅力を、改めて認識した出来事でもありました。


環境省データベースでは地上1.3mの高さでの主幹周が3m以上の樹木を巨木としています。
樹種ごとに最大幹周は違っていて、昨年日本一と判明した五戸町の『上村のカシワ』は幹周5.4mでした。
樹種が分からないけれども立派な木があったら、それは日本一の巨木かもしれませんよ。




景勝地の選定で活気=13 陸奥新報

黒石のハリギリ 幹周全国7位と判明

黒石市の巨木調査 vol.03 隠し里のハリギリ

個人のブログの中にはたくさんの情報が詰まっています。
ずっと前からあったもの、見慣れていて特別とは思わないものの中にも宝物が埋もれていたりします。
何かの手がかりであったり、心に残る言葉であったりしますが、私にとって貴重な情報であることも多いのです。
そんな情報を発信している方々に感謝しています。