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懐かしい生活道具 ハエ取り器

2012-02-11 | 思うこと
小学生時代、通学路に大きな魚屋があって、ドジョウが泳ぐ樽や並べられている魚の数々は興味の対象でした。
何より店頭に置かれた優美なフォルムのガラス製ハエ取り器は、子供心に興味を激しく掻き立てられる存在で、美しさと不思議の詰まった生活用具でした。
まるで置物のような形を持ちながら、その中にハエがたくさん入っていき、入り口は大きいにもかかわらず何故か出てこれない。
よくハエ取り器の前にしゃがみ込んで、飽きることなくじっと見つめていた、そんな記憶があります。
店先にしゃがみ込んでいる小学生に対して文句も言わなかった魚屋の人は、ハエ取り器が捕まえるのはハエだけでなく、たぶん興味を持った何人かの小学生でもあることを知っていたのかもしれません。
子供が多くの興味を持ち、社会の周辺で多少の迷惑をかけるけれど、それによって成長したり子供時代の思い出を持ったりすることが当たり前な、そんな時代だったからなのかもしれません。

先日、古物商の店内でハエ取り器を見つけました。
突然小学生時代のそんな事などを思い出し、思わず写真を撮らせてもらいました。
昔ハエ取り器というものがあってね、と子供に説明しても、その形の優美さまでを言葉で説明するのは難しい。
本当は実物を持ってきて、ハエが捕れる様を子供とじっと見ていたいと思っていたのです。