腫瘍内科医一家のニューヨーク滞在記

ニューヨーク研究留学中での出来事を感想を交えてメモ代わりにつづります。

鳩山首相辞任で思うこと

2010年06月04日 12時22分17秒 | 日記
 ブログの存在を特定の人にしかお知らせしていないので、今日はあえて本音を。

 鳩山首相が総理大臣の職を辞した。

 おそらく、沖縄の基地移転問題と参議院選を前にしての支持率低下でこのタイミングでの辞任には驚きはしない。やはり短命であった、93年当時、非自民政権が成立したときの連立政権の細川首相を思い出した。社民党の政権離脱と同時ではなく、一呼吸置いてから突然の辞任発表に「外圧」がかかってやめされられたと誰もが思うであろう。
 
 日本では沖縄の基地返還問題でリーダーシップを発揮できなかったことで、国民の支持を得られなくなったことが辞任の直接の引き金と報道がなされているようである。

 沖縄の方々が大変怒っているというのがインターネットでのニュースから伝わってくる。
 期待していたのに肩すかしをくらったという沖縄の方々の気持ちは痛いほどわかる。
 
 しかし、海外にいるからかもしれないが、自分は少し違和感を覚える。
 沖縄の方々が「本当に」怒りの矛先を向けるべき対象は、鳩山総理なのだろうか。

 敗戦後、アメリカとの交渉において、ほぼ完全にアメリカの言いなりだった戦後の政権、歴代の官僚のことを思うと、鳩山首相は初めて沖縄の方々の気持ちを代弁した日本の首相だったと個人的には思っている。もちろん、常人であれば、事前にしっかりとした根回しもなく基地移転のことをぶち上げるようなリスクを取るとは思えないのであるが・・・。そのあたりが、「宇宙人」と呼ばれるゆえんだとすれば悲しすぎる。こと基地問題に関しては、首相は自分の気持ちに「正直」に行動しようとしたのだと思う。
 ETは宇宙人だけど人の気持ちを解するいいやつだった・・・。

 今回の件で、言行一致?とのことで、社民党の人気が上がるとの向きもあるが、なんだか釈然としない。もし、社民党の福島代表が総理の立場だったら、アメリカとの交渉が成功して基地の移転に成功したと思っている人なんているのだろうか。もちろん、代表の沖縄の方々を思う気持ちに偽りはないはずであるが、決定権のない立場だからこそ歯切れのよいことが言えたのではないだろうか。
 
 このあたりが、大統領制ではない日本の首相の限界なのか。

 アメリカにいると、日本がアメリカ人から格下に扱われていることがよくわかるだけに、日本の政治家、官僚の方々には日本を主導する真のエリートとして頑張っていただきたい。

 長々と失礼しました。