今日は、アメリカで10年前の9.11テロから10年が経過したとのことで、犠牲者を弔う式典が開かれた。金曜日から、マンハッタンは、新たなテロを経過して、厳戒態勢であり、平和なルーズベルトアイランドも、トラム、地下鉄の駅前には常時警官が駐在している。
9月9日金曜日の夜12時過ぎにトラムに乗って帰宅した時も、トラムのステーションに警官が駐在していた。
職場でも、この話題で少し会話をしたが、職場のテクニシャンの方の娘さんが、9.11テロの時にWTCビルから、たった3ブロックほど離れた学校にいたそうで、テロの後、ショックと恐怖のあまり、精神科医によるカウンセリングをしばらく受けていたと語っておられたのが印象に残った。
子供たちにも、平和について考えてもらおうと(普段いい加減な私がこんなことを言うのは似つかわしいくないとの突っ込みが飛んできそうであるが)、子供たちと、珍しくテレビをつけ、NY1チャンネルのニュース番組や、You Tubeで当時の映像、報道を見てみた。考えてみると、2000年生まれの上の娘にはもちろん当時の記憶はなく、2002年生まれの下の息子はまだ生まれてすらいないのである。
子供たちが当然いただく疑問、「なぜこのような無差別テロが起こったのか。」
との問いかけに、政治は全くの素人で一般庶民の私ではあるが、自分の知る見聞を子供たちに伝えようと努めた。もちろん、国と国との利権争い、宗教間の対立、長くつづいた東西冷戦の歴史、アルカイダの成り立ちとアメリカとの関係が正反対の立場に変化したこと等、複雑に絡み合った状況で、大人ですら単純に善と悪という形で判断が出来るわけがない。もし、どちらかが一方的に正しいなどと言うのであれば、それは決め付けに過ぎず、そのような立場をとるひとは、ただ単に国家間の対立をあおるアジテーターではないだろうか。
10年前のつらく悲惨な事件を思う時に、「一般人を巻き込んだ形での無差別テロは、決して許されるものではない。」ということだけは、子供たちも身にしみて感じてほしい。
本日の周辺の混雑と犠牲者の遺族の方々の心情を察して、社会見学としてグラウンドゼロに子供を連れていくのは、少し時間がたってからにすることにしよう。