TVを観ていたら、引っ掛かる言葉を言っていました。
テレビ未来遺産、中村勘九郎~親子の宿命~
藤山直美さんが、役者以外のことをしようとすると上手くいかなかったが、役者をやろうとすると話がパタンパタンとことが上手く運んだ。もう宿命と思って、逆らわないようにしようと思ったと。
導かれるようにそうなるというのがありますね。私も経験があります。
芝居が成長しなくなったら、人間性が止まっているからというのも、言っていました。
そういう内から出る、何かが関係するのかも知れませんね。
それと、後継者達の苦悩として、”継承”と”革新”の問題。
”伝承”は、昔からの伝わってきたものをそのまま今の時代に受け継いで渡すことですが、そうではなく”伝統”今の時代の最高のものに変えて次の時代へ渡す、というかたちに柿右衛門さんはしていると言っていました。
余り斬新すぎると、それは柿右衛門ではない、歌舞伎ではない、と言われるし。
十四代柿右衛門さんは、いい言葉を遺されていました。
十四代を継いだ時に、「柿右衛門頑張って。代々の柿右衛門に負けないように」と言った時に、十四代が言われた言葉があって、息子のあなたに伝えないといけないからと、来られた方がいたそうです。
十四代は、「そうじゃないんですよ。柿右衛門という大きな木があって、そこから枝が伸びている。それがだいだいの柿右衛門であります。そこから枝が伸びて葉っぱが付いて実がなる。それが各代各代で何百年も経った時に、大きく育ったりそうでなかったりするんで、(先代)を越えるというよりは、自分なりに頑張っていけば将来結果が出る。比較するのではなく、自分のやりたいことを一生懸命やれば良いというようなことを、思っている」と言われたそうで、「間接的にお父様の思いを教えてくださる人がまだいらっしゃる。」ということでした。
「大きな木は、いつまでもあるものだから、あまり気にしないで、自分のやりたいことをやりなさい」
いい言葉を残されて、逝かれたのですね。
直接ではないけれど、そこに愛を感じました。
勘九郎さんも、途中涙目になって、その言葉自分の中にも残していいですか、自分も楽になりましたと。
いい話でした。