“忘れられた日本人” (1)
もうひとつの民俗学 宮本常一
柳田国男が創始した民俗学の流れに沿いながらも、宮本常一は新しい形の民俗学を立ち上げようとした。
その特徴を一言でいえば「もの」を入り口にすること。
宮本常一の民俗学には、ある独自性がある。
柳田国男が目には見えない民間伝承、民間信仰を元にして「心」を手掛かりに日本人を明らかにしようとしたのに対し、
宮本は、風物、技術、生業、慣習、日常のさりげない行為、民具など、目に見える「もの」に注目することで、
民衆の生活意識の根本を明らかにしようとしたのだ。
第一回は、宮本常一が立ち上げようとした「もうひとつの民俗学」の構想を明らかにしていく。
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