
本書では世界各地の過去と現在の様々な文明の比較によって、持続可能な文明とそうでない文明の比較を行っています。その中でも特に興味深かったのはグリーンランドとアイスランドの事例です。
メルカトル式の世界地図で北アメリカ大陸の北西を見ると大きな白い島が見つかります。それがグリーンランドです。世界で最大の島です。実際、一国の面積でも世界で13番目です(現在デンマーク領であるが、1979年に自治政府が発足し独立性が高い)。これほど大きな島ですが人口はわずか56,000人程度です。日本の6倍近い面積の土地に、私の住む能美市より少し多い人しか住んでいないのです。その理由は地形図入りの地図を見ると分かりますが国土の大部分が氷河に覆われた極北の寒冷の島だからです。
ところが面白いことに、グリーンランドの直ぐ隣にはアイスランドという島国があります。グリーンランドよりもかなり小さい。面積はグリーンランドのたった21分の1です。こんな小さな(失礼!)島なのに、人口はグリーンランドの5倍強の人が住んでいます。国土は氷河と不毛な岩地に覆われ天然資源も乏しく、産業は漁業に頼っています。その割には一人当たりGDPは日本よりも多く世界で4番目に豊かな国です。平均寿命も日本が追い抜くまでは世界一でした。常備軍は無く、昨2006年に駐留米軍が撤退して軍隊の全く無い国になったことでも有名です(但し1970年代の有名なタラ戦争で大国イギリスを相手に一歩も引けを取らずに戦いイギリスの譲歩を引き出した強力な沿岸警備隊が存在する)。天然資源が乏しい代わりに豊富な地熱エネルギーを活用して二酸化炭素削減に努力していることでも有名で、最近は地熱エネルギーで水素を製造し、内燃機関の燃料にしようという試みが国際的に知られています。
本書「文明の崩壊」はこのグリーンランドとアイスランドの歴史を比較して興味深い考察を行っています。(続く)
※地図はウィキペディアから引用させていただきました。
メルカトル式の世界地図で北アメリカ大陸の北西を見ると大きな白い島が見つかります。それがグリーンランドです。世界で最大の島です。実際、一国の面積でも世界で13番目です(現在デンマーク領であるが、1979年に自治政府が発足し独立性が高い)。これほど大きな島ですが人口はわずか56,000人程度です。日本の6倍近い面積の土地に、私の住む能美市より少し多い人しか住んでいないのです。その理由は地形図入りの地図を見ると分かりますが国土の大部分が氷河に覆われた極北の寒冷の島だからです。
ところが面白いことに、グリーンランドの直ぐ隣にはアイスランドという島国があります。グリーンランドよりもかなり小さい。面積はグリーンランドのたった21分の1です。こんな小さな(失礼!)島なのに、人口はグリーンランドの5倍強の人が住んでいます。国土は氷河と不毛な岩地に覆われ天然資源も乏しく、産業は漁業に頼っています。その割には一人当たりGDPは日本よりも多く世界で4番目に豊かな国です。平均寿命も日本が追い抜くまでは世界一でした。常備軍は無く、昨2006年に駐留米軍が撤退して軍隊の全く無い国になったことでも有名です(但し1970年代の有名なタラ戦争で大国イギリスを相手に一歩も引けを取らずに戦いイギリスの譲歩を引き出した強力な沿岸警備隊が存在する)。天然資源が乏しい代わりに豊富な地熱エネルギーを活用して二酸化炭素削減に努力していることでも有名で、最近は地熱エネルギーで水素を製造し、内燃機関の燃料にしようという試みが国際的に知られています。
本書「文明の崩壊」はこのグリーンランドとアイスランドの歴史を比較して興味深い考察を行っています。(続く)
※地図はウィキペディアから引用させていただきました。