
1936年のスターリンの大粛清を描いた映画『太陽に灼かれて』(ニキータ・ミハルコフ製作・監督 ロシア・フランス合作 1994年)を見ました。ミハルコフ監督は70年代の「機械じかけのピアノのための未完成の戯曲」などの作品で日本でも有名ですね。故黒澤明監督との交流でも知られています。この映画の特筆すべ点は、ミハルコフ監督自身が主人公のコトフ大佐を演じている点と、実子のナージャ・ミハルコフが主人公の娘として登場していることです(役名も本名のナージャ)。コトフ大佐はロシア革命直後の国内戦を戦った英雄の一人で、スターリンの友人でもあります。1936年の夏、夢の中のように美しい田園地帯にある妻の実家で楽しく長い夏休みを、親戚一同と過ごしています。この映画は、主人公一家の楽しく長い夏休みの描写が実は上映時間の9割を占めています。そんなある日、古い友人のドミトリが訪ねてきます。ドミトリの目的は実は・・・ スターリンの大粛清は、古い友人だろうが革命の英雄だろうが容赦なく木端微塵にしてしまいます。そのあと、コトフ一家は数奇な運命をたどることになるのですが、この映画は3部作の第一部で、第三部が今月11月に公開されると聞きました。ぜひ見てみたいです。