博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

戦火の中で

2013年11月26日 | 読書・映画

 さて写真が先日ご紹介した映画の第二部『戦火のナージャ』(ニキータ・ミハルコフ監督 ロシア 2010年)です。前作が全編夢のように美しい田園地帯が舞台でしたが、今度は全編悪夢のように陰惨な独ソ戦の戦場です。ミハルコフ監督自身が演ずる主人公のコトフ大佐は、すべての名誉をはく奪されて独ソ国境近くの収容所に入れられています。何とも言えない点は、コトフの罪状が時間がたつと変わっていくのです。最初はソヴィエト刑法58条違反(反革命の罪)でしたが、しばらくすると129条違反(多重横領の罪)に変わっています。コトフ本人も何のことか訳が分からず目を白黒させています。まるでカフカの世界です。

 1941年6月22日ドイツ軍のソ連への侵攻が始まると収容所は真っ先に爆撃を受け壊滅してしまいます。かろうじて生き残ったコトフは一兵士としてソ連軍に加わり絶望的な抵抗を開始します。あらゆる人が雑巾のようになって死んでいきます。1994年の第一部では当時8歳で妖精のように可愛らしかったナージャも成人しています。こちらも看護師として、父親とおそらくはそれほど離れていない戦場ですぐ隣で砲弾が爆発している中で看護活動をしています。親子の運命はいかにという所で映画は終わります。第三部は何とこの11月23日から上映が始まったようです。機会がありましたらぜひ大画面でご覧下さい。


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