博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

太陽系の外とは

2006年08月26日 | 宇宙開発・天文
catalystさん、ようこそ。
 冥王星は唯一アメリカ人が発見した惑星でした。だから多くのアメリカ人は今回の出来事を残念に思っているでしょうね。

hamaさん、ようこそ。
 どこから太陽系の外と言えるかは意外と難しい問題です。
 1983年にNASAのパイオニア10号は冥王星軌道を超えました。このころは冥王星軌道を超えること=太陽系脱出と漠然と私は思っていました。でも実際は違うようです。
 現在パイオニア11号、ボイジャー1号、2号の4機の探査機が冥王星軌道を超えて恒星間の深宇宙を飛行中です。先週はNASAのボイジャー1号が、日本時間8月16日午前7時13分に太陽から100天文単位の位置に到達したと発表しました。これは地球から太陽までの距離のちょうど100倍で、およそ150億キロメートルに相当するということです。その領域は「ヘリオシーズ」と呼ばれる太陽風と恒星間風が「混ざり合っている」領域で、後10年ほどで、恒星間風の勢いが太陽風に勝る、文字通りの「太陽系外」に到達すると見られるとのことです。このように、どの探査機もまだ太陽の物理的影響からは脱出していない(ボイジャーの方がスピードが速いので先行するパイオイニアを追い越している)ので、正確には太陽系を脱出したことにはならないようですね。後10年かかる・・・
 もう一つ問題があります。先日ご紹介した2004年に冥王星の外側に発見されたセドナ(EKBO天体)は、思い切り超楕円形の軌道を辿っていて、最も太陽から離れると1300億キロも遠い場所に行くのだとか(太陽を1周するのに10500年かかる)。現在のボイジャーの8.6倍も遠い・・・この軌道をボイジャーが超えるのは、ええと・・・計算してみましょう。キロだと桁が大きいので、分かりやすく天文単位(地球と太陽の距離を1天文単位とする)で計算すると1300億キロは866天文単位、ボイジャーの速度は3.6天文単位/年だから・・・240年!このうち大体30年分は飛行しているから、それでも後約200年以上かかる・・・ああ・・・自分が生きている内はボイジャーが太陽系を脱出するのを見ることができないのです。しかもセドナより遠軌道のEKBO天体もあるかもしれません。太陽系は意外とあなどれない!

 写真は1990年にボイジャーが機体を振り向かせて太陽系を一望した写真です。9惑星をパノラマに撮影した記念碑的写真です。NASAジェット推進研究所のホームページから引用させていただきました。

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