博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

「サピエンス減少」を読んで

2025年01月26日 | 読書・映画
  本ブログでは去る1月14日から3日間ほど「2025年問題来る」という記事をご紹介いたしました。わが国の少子高齢化・人口減少が今年からいよいよ勢いを付けて深刻化するという暗い見通しについて記述しておりました。では、なぜわが国では1990年代以降、急速に少子高齢化・人口減少が進んだのでしょうか?その原因については上図の書籍『サピエンス減少』(原俊彦著 岩波新書 2023年)に詳細に記されています。ブログ主は本書を1年前の2024年のお正月に読んだのですが大きな衝撃を受け、しばらく呆然としておりました。著者の原俊彦氏は、札幌市立大学名誉教授で日本人口学会の会長を務めた人口学の専門家です。
 原氏によると人口減少の一番の原因は高度経済成長期以降の日本において個人の自己決定が尊重される社会に変化した結果であるということでした。その結果、日本人の多くが高度成長期以前のような多産を望まなくなったということです。人口減少の原因として、1970年代前半に生まれた第二次ベビーブーマーの子世代が、バブル崩壊後の経済不安、雇用環境の悪化・不安定化によって子を産むことができず第三次ベビーブームを起こせなかったことが原因だとよく言われています。ブログ主もそう思っていましたが、著者によると、それは少子化の原因というよりは上記の社会的変化の結果ではないかということでした。そうだとすると少子化は政策的・人為的に解決できる問題とはいえなくなるかもしれません。これはかなり深刻な事態であると言えます。
(次回に続きます)

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