
じゅんじさん、ようこそ!
http://www.youtube.com/watch?v=a-W-4X3zSoI
素晴らしい上記の映像をお教え下さり、まことにありがとうございます。旧ソ連のマルス2号、3号のローバーの映像がばっちり紹介されていますね。私もロシア語の音声が聞き取れる訳ではないので、この映像が当時ソ連で公開されていたかどうかは残念ながら分かりません。もしもテレビ番組やニュース映画で一般に公開されていたとすると、当時の西側の報道機関は鵜の目鷹の目でソ連のテレビ番組やニュース映画をモニタリングしていましたから、録画なり、スチール写真なりが西側にも紹介されていたと思われますが、そういう形跡はないので、多分公開はされなかったのではないでしょうか。
この映像が、1971年から75年までの5年間に作成されたことは間違いないと思います。その根拠は、再生開始7分59秒からの火星表面の描写で、アニメの火星の空が黒く描かれているからです。1965年にアメリカのマリナー4号が初めて火星を接近探査した際に、火星の気圧が地球の100分の1以下であることが判明し、それほど大気が薄いのなら火星の空は昼間でもかなり暗いだろうと予測されていたためだと思われます(夜の描写でないとすればですが)。その後、1976年に火星への軟着陸と観測に成功したアメリカのバイキング1号と2号から送られてきた映像で、実際には火星の空は薄いピンク色でかなり明るいということが分かった訳です。
映像の10分7秒の所で出てくる火星のダストデビル(砂塵嵐)の描写がリアルですね。ダストデビルの動画は、確か2004年以降にアメリカのスピリットとオポチュニティによって初めて撮影されましたが、実際のそれにかなり近い映像ですね。上の写真はスピリットが撮影したダストデビルです(NASAのホームページから引用させていただきました)。
マルス2号、3号とも軟着陸の方法が、1966年に月への軟着陸を行ったルナ9号の着陸機と同じように、着地後に着陸機の上部が花びら状に展開してカメラや測定器を露出させるという描写に感銘を受けました。