
上の写真は、対馬の郷土料理です。左側の丼が「とんちゃん丼」です。「とんちゃん」とは焼肉用の味付け豚肉のこと。戦後、対馬在住の韓国人から伝わったそうです。右側の麺類は「ろくべえ」です。これはサツマイモの澱粉でつくられた麺料理です。観光案内によりますと、対馬のサツマイモは江戸時代に薩摩藩から導入され、岩がちで平地が少ない対馬の痩せ地にも適応できる優れた植物でしたが、傷みやすく、保存の難しさが問題となっていました。やがて、サツマイモを水に漬けて発酵させるなど、複雑な工程を経て澱粉(「セン」と呼ばれる)を取り出す方法が考案され、長期保存が可能になりました。食べる際には、乾燥して団子状になったセンをぬるま湯で戻し、沸騰した鍋の上で、穴の空いた鉄板から押し出して麺状にします。プルプルした食感が楽しめる、対馬の風土が生み出した素朴でヘルシーな郷土料理ですとのことです。今回の旅行では、保存用のとんちゃんを自家用に買って帰りました。