
冥王星は、かつては太陽から最遠の平均約59億キロのかなたにある太陽系9番目の惑星でしたが、2006年に惑星の定義が変更され「準惑星」にされてしましました。その後、2015年7月にNASAの探査機「ニューホライズンズ」が接近観測を行い赤みを帯びた地表、起伏の多い地形、氷でできた巨大なハート形模様-冥王星発見者の故クライド・トンボー博士にちなんでトンボー領域と命名されました(上の写真です)―などの数多くの映像が印象的でした。冥王星表面の起伏のある地形にも「氷の火山」が存在することが発見されました。-高さ1~7キロ、幅30~100超キロの複数のドームが合体した地形、高台や低地などの複雑な構造がそれで、これらの地形の周囲に天体が衝突してできるクレーターがほとんどないことから形成されて間もない地形であると見られているそうです。冥王星の内部が比較的最近まで熱を持ち氷の火山活動が続いたことで、水の氷を含む物質が地下から表面へと大量に押し出され堆積した、と研究グループは判断したー(注)。こうした氷の火山にも熱源が必要なのですが、昨日のケレスと同様に何が熱源になっているか不明だそうです。冥王星は太陽から60億キロ近くも離れているので太陽熱はほとんど届かないそうですし、木星のような重力による潮汐力を働かせる巨大惑星も存在しないのです。本当に不思議ですね。
(注)上の冥王星の写真と引用箇所は、科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」から引用させていただきました。
⇒ https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20220411_n01/index.html