写真の『ブラインドネス』(フェルナンド・メイレレス監督 日本・ブラジル・カナダ 2008年)という映画を見ました。アメリカのある都市で、日本人男性が車を運転中目が見えなくなります。視界が白い光に溢れてものの形が見分けられなくなるという症状で、通常の失明とは様子が違うようです。日本人男性(名前は出てこない)は眼科医の診察を受けますが、眼球には異常は全く見当たりません。眼球ではなく神経系の異常ではないかということで翌日神経科を受診するように日本人男性に伝えます。翌日になると眼科医自身も日本人男性と同じ症状で失明していました。どうやら接触感染するようです。その日から感染は全世界に向けて爆発的に広がり始めます。政府は感染者を、過去に精神障害者を収容した施設に隔離し、感染の広がりを防ごうとします。眼科医と日本人男性も収容されます。眼科医の妻は正常なのですが夫を気遣って一緒に施設に入所します。収容者はどんどん増えていきますが、ある日外部からの食料や日用品の配給がストップし、電気や水もこなくなってしまいます。収容施設はパニックとなり、やがて・・・というストーリーです。
映画を見ていて強烈な既視感を感じました。私自身白内障で、光は感じられますがものの形が見分けにくくなるという症状ですから。もう一つは小学生の時に見た映画『トリフィドの日(日本版タイトル:人類SOS!)』(スティーヴ・セクリー監督 イギリス 1962年)の記憶です。ある日明るい流星群が降り注ぎ、それを見た人は皆失明してしまうという内容でした。そして目が見えなくなった人々に不気味な動き回る殺人植物が襲い掛かるという内容でした。主人公は偶然にも目の手術を受けていて入院していたため流星群を見ないですんだため失明を免れるというストーリーでした。上記のタイトルはこの映画の原作に出てくるせりふで「目の見えない人々の国では、目が見える人が王様」というものです。両映画とも目が見えない人々の中で、少数の健常者の行動を描いている点が共通しています。いろいろ考えさせる内容でした。