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博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

「食」の眼に見えるリスク

2022年12月12日 | 時事
(昨日の続きです)
 多くの日本国民に知られているリスクが、私たち日本国民の「食」に関するリスクです。日本の食料自給率は、農林水産省の発表によりますと、カロリーベースの食料自給率では、令和3年度で38%だそうです(注)。カロリーベースとは平均的な日本国民が生存に必要なカロリーを得る食物の国内での自給率のことです。わが国は実に6割強の食物を海外から輸入していることになります。このことだけでも、わが国の安全保障上、由々しき問題です。いくら高価なミサイルを購入して揃えたところで、輸入が脅かされれば私たち日本国民は生存に必要なカロリーの6割を摂取することができなくなり、ゆっくりと餓死していくことになります。わが国の輸入を寸断することが軍事的にいかに容易かは、太平洋戦争の史実を見れば一目瞭然です。わが国の輸出入の貿易ルートは「シーレーン」-一般的には中近東と日本を結ぶインド洋、マラッカ海峡、南シナ海、東シナ海を経由する航路(上の図です。ウィキペディアから引用させていただきました)のことですが、北米大陸と日本を結ぶ航路、豪州と日本を結ぶ航路も重要ーと呼ばれていますが、シーレーンを防衛することは(その主要部だけでも)コスト的にかなり費用がかかります。こちらの方が、わが国への脅威としては深刻です。中近東と日本を結ぶシーレーンは12,000㎞もの長大な航路です。もちろん、この距離を日本が単独でカバーして防衛することは物理的に不可能なので、豪州やインドネシア、フィリピン、インドといった国々と分担して防衛を計ることになりますが、各国の政治経済事情に基づく海軍力に差異がありますので、敵対勢力は一番弱い環を突いてきます。各国で連携しても限界が出てくることでしょう。つまり軍事力による防衛には限界があるのです。では、どうすれば良いのかということですが、やはり長期的にはわが国の国内自給率を高めることが、どうしても必要です。これは言うは易く困難な課題です。農業人口の減少・極度の高齢化など極めて深刻な隘路をわが国農業は抱えているからです。少なくとも高価なミサイルを購入するよりも、よほど喫緊の課題であると思います。しかしながら、ここで初めて「眼に見えにくい」食のリスクが見えてきます(しつこくて申し訳ございません)。(注)農林水産省「日本の食料自給率」
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/012.html

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