博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

2025年問題来る

2025年01月14日 | 時事
(昨日の続きです) 
 住吉神社本殿の神門に「寿山福海」という言葉が掲示されていました(上の写真です)。「寿山福海」(じゅざんふくかい)とは、長寿や幸福が山海のように高く広く訪れることを意味する年始を祝う言葉だそうです。
 さて、内閣府が公表している「令和4年版高齢社会白書」(注)によりますと、今年2025年は75歳以上の後期高齢者人口が2,180万人、65~74歳の前期高齢者人口が1,497万人に達すると予測されています。日本の総人口1億2488万5175人(2024年1月1日現在)の内、約3600万人が高齢者になるということです。かくいうブログ主も、今年の11月18日に、その一人になります。日本国民の約3人に1人が65歳以上、約5人に1人が75歳以上となる計算だそうです。この状況は「2025年問題」と久しい以前から呼ばれています。2025年問題とは、超高齢化社会を迎えるにあたり、社会保障費の急増などが見込まれる社会問題です。高齢者の増加により、年金・医療・ 介護のニーズがより一層高まるという懸念のことです。その2025年が、とうとう来てしまった訳です。上記の「寿山福海」の言葉にブログ主は複雑な感懐を覚えました。長寿は「山海のように広く訪れて」も福はそのようにはならないかもしれないからです。
 ブログ主が考える2025年問題の根幹は、約1億2000万人分を前提として構築されている日本の社会システムを支えることが難しくなることではないかと思います。ここでいう社会システムとは、道路、橋、空港、港湾、電力、上下水道、保健医療、教育といった社会基盤(インフラストラクチャ)、市場経済など広く、私たちの生活を支える存在を指します。政府の今後の人口推計によりますと2050年頃には日本の総人口は1億人を下回り、2100年には現在のほぼ半分の約6000万人になるとされています。この趨勢をひっくり返すことは、もはや物理的に不可能でしょう。わが政府は、移民(という言葉は極力使わないのですが)とインバウンド拡大でこの問題を解決しようとしていますが、どちらも不確定な要素が強いので果たしてどうなることかというところです。
 人口が減っていくのであれば、それに合わせて社会システムを縮小していく必要があります。そうしないと起こる問題については長くなるので別稿でご紹介したいと思います。一番の問題は日本人に限らず全人類が、これまでの世界の歴史の中で(ブログ主の知る限りで)このような課題に直面したことが一度もないことです。参考になる前例が一つもなさそうなのです。さて、どうしたものか・・・「寿山福海」の言葉を前にブログ主は途方にくれてしまいました。
(注)https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/zenbun/04pdf_index.html

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