「おくりびと」「つみきのいえ」と
日本映画のＷ受賞で国内でも大いに盛り上がるアカデミー賞
では皆さん、今年の「原作賞（オリジナル脚本賞）」
はどの作品が受賞したかご存知ですか？
答えは「米アカデミー賞に原作賞は存在しない」
いや正確には５７年までは存在した、
それが消えてしまった理由とは？！
ドルトン・トランボは「恋愛手帖」（40年）でアカデミー脚色賞をノミネートされ
脚本家として将来を嘱望されていた。
しかし、全米を襲うレッドパージ、「赤狩り」の波にトランボも飲み込まれる。
俗にいう「ハリフッドテン」の一員として
アメリカ映画界から追放されてしまう、
いやそれだけでなく議会侮辱罪で逮捕され、禁固刑の実刑判決を受けて収監されるのだ。
刑期終了後も映画界から事実上追放されたトランボはメキシコに移り住み
貧困にあえぐ生活を強いられたが、彼はペンを置く事はなかった、
ロバート・リッチの偽名で原作・脚本を手掛けた
「黒い牡牛」がアカデミー原作賞を受賞する。
ハリウッドは彼を追放出来ても、彼の才能までは葬り去る事は出来なかったのだ。
しかし、アカデミー賞授賞式に現れない受賞者
いや、その正体、所在さえ不明な受賞者
アカデミー協会はこれを恥じ、この翌年から原作賞を廃止したのであった。
トランボはその後
「スパルタカス」
「栄光への脱出」
「ジョニーは戦場へ行った」
「ダラスの熱い日 」
「パピヨン 」
等数々の名作・話題作を世に残す。
そして、最近あの「ローマの休日」の原案・脚本のクレジットにある
「イアン・マクレラン・ハンター」は実はトランボであり
友人の脚本家の名義を借名していた事が判明した。
以上、漫画「栄光なき天才たち」からの受け売りでした！
