私が地球交響曲(ガイヤシンフォニー)という映画のファンだと知っておられる方が、
第4番に出演されているジェームズ・ラヴロック氏の本「ノヴァセン」を薦めてくださいました。
「地球はひとつの巨大な自己調節システムであり、すなわち生命体のようなものだ」というガイヤ理論を提唱したラヴロック氏の100歳の時の著書です。
103歳でお亡くなりになられたので、遺作となりました。
100歳の著書というだけでも信じ難いのですが、その内容が斬新すぎて驚きです。
人類は、「産業革命以来の時代」アントロポセンから「超知能と人類が共存する時代」ノヴァセンに移行するというSF小説のような予測です。
本の中では、超知能はサイボーグと呼ばれているのですが、映画によくある暴走したサイボーグと人類との戦いというお話ではなくて、人間の知性を遥かに超えたサイボーグが地球の恒常性を維持する。
そのサイボーグから見ると人間は植物のような存在なので、敵にはならないそうです。
ラブロック氏の推論ではサイボーグは球体をしていて、コミュニケーションもテレパシーとか!
益々SF小説のようですが、言葉の進化によって直観がもつパワーが過小評価されるようになったという考察は、タロットやクリスタルを使ったセッションで日々感じていることなので、超知能が言葉を使わないことで人間の考えの及ばない次元へ進化していくことは想像できます。
球体のサイボーグが地球の恒常性を維持してくれて、人間は霊性を高めていけたらと明るい未来を空想させてもらえました。
読み終えると、久しぶりに地球交響曲第4番が見たくなり、DVDを再生しました。
そこには、80歳のラブロック氏のお元気な姿があって、科学者というより森の発明家と呼ぶ方がぴったりな暮らしが紹介されています。
50以上の発明品の特許を持ち、その収入で得た広大な土地を自然な森の姿に戻す活動をしながら組織に属さないで自由に研究を続けているガイヤと共にある生き方です。
そんな暮らしの中での直観こそが研究の源であり、考えるだけでなく、手を動かして実験装置を作ることが大切だとお話されていました。
映画からは、ラブロック氏の尽きることのない直観とガイヤへの愛しみが感じられて、ノヴァセンという未来も単なる考察ではなく、ガイヤが望んだ大いなる計画の一部なのかもしれないと思えてきますし、そうであって欲しいと願ってしまいます。