南総里見八犬伝を読みました。
図書館にこの古典のシリーズがあります。
これまで、古事記、平家物語、太平記、東海道中膝栗毛などを読みました。
歴史上の人物を漫画で読んでいたら、その時代について書いてあるものが読みたくなり、その中で出てきた文学なども知りたくなりました。それで、江戸時代を読んでいたら、これも読みたくなったのです。
滝沢馬琴の本には、挿絵として北斎が加わっているんですね。
どこかで聞いたことがありますが、今回改めて確認しました。
この里見八犬伝は、かなり長い話らしいのですが、1冊で書いてあるのはどうしてでしょうか。
かいつまんでの抜粋でしょうか。痛快娯楽小説のように見られて、人気が爆発したらしいですが、本人は道徳色を強くした作品のつもりだったようです。孝は、親孝行しなければならないとか、忠は、主人への忠義をつくさなければならないというように、8つの言葉を使って、道徳を説く。そういうものにしたかったそうです。
27年間もかけて書いたそうですから、相当な量だと思います。
最後は、目が不自由になって、自分で書くことができなくなり、口頭で言う言葉を家族に書き取らせたということです。
書き取らせるにしても、奥さんなのか、息子の嫁なのか、とにかく女性の家族の一人に、書かせましたが、その人が字が書けなくて、漢字などを一字づつ教えながらの作業だったそうです。指で書いて示して、それを書きとらせる。
だから、その女性も大変だし、言っている馬琴は、字を教えている間に、自分が言おうとしている内容を忘れてしまったり、そういう苦労をしながらだったという記録が残っているようです。
しかし、そうやって書いている内に、その女性も段々字を覚えて作業が段々速くなり、終わるころにはかなりの教養を身に付けてしまったという話です。長い物語が書き終わったときの二人の喜びは相当なものがあっただろうとあとがきの解説者は語っています。