めぞん・ど・とぷ

とぷのくらし、とぷのすきなもの、とぷのきもち、その他あれこれ。のぞいてみてください。

風にそよぐ草

2011年12月24日 | culture


今日も寒い一日でした。
朝から快晴でしたが、北北西の風が吹き、思わず身震いするクリスマス・イブ。

神保町の岩波ホールで、映画を観てきました。

アラン・レネ監督作『風にそよぐ草』。

アラン・レネといえば、『去年マリエンバードで』があまりにも有名。
私も同時代ではないけれど、観たことがあります。

何ともいえない不思議な映画で、どんな映画かストーリーを説明しろといわれても、答えようがないけれども、あの幻想的な映像美だけは、一度観たら忘れられない…

そんなレネ監督も、今年で89歳。

巨匠の最新作は、「芳醇なワインのごとき、大人のための恋愛映画」とか。
そんなキャッチフレーズに魅かれて、寒風の中、出かけました。

なかなかどうして。
《難解派》でならしただけあって、夢と想像と妄想が複雑に入り組んだイリュージョンの世界に放り込まれた気分です。

で? 結末はどうだったの?って訊かれても、やはり困る。
それは『去年マリエンバードで』同様、答えようがありません。

ただひとつ、最後に突然現れた少女の一言。
「ねぇ、ネコになったらキャットフード食べてもいいの?」

それまでのドタバタは、すべてこのファンタスティック!なセリフの前振り?
と思わせるほどに、唐突で、かつ、魅力的なエンディングでした。

それにしても、さまざまな場面で垣間見せる映像美の見事さは、サスガというしかありません。

公開して間がないので、年明けにでも機会があれば、
もう一度、観たい…
と思わせるものがありました。

とぷ




アートの現代詩?

2011年12月18日 | culture


ときどきのぞくギャラリーのひとつに谷中の『SCAI THE BATHHOUSE』があります。

銭湯の内部を改装した空間でアートに触れる、居心地のいい場所。
では、ありますが…

今回、一歩足を踏み入れて、思わず???

テーブルの上に並べられた得体の知れない物体の数々。

廃棄物を折り重ねたような繊維状のクズガラが散乱する周辺に、
脱皮したエイリアンのヌケガラかしら? カゴの中にぶらさがってる。
宙に浮いた楕円系の球状物は、表面がてかっていて妖しい感じ…

ぬめぬめとした液状の物体がテーブル全体を覆い、垂れ落ちるその下辺をのぞくと
テーブル下にも、あれやこれやゴミ?が散乱…

はて? この現代アートが意味するものは? 異空間の再現?

とまどう私をさしおいて、いそいそと興味深げに展示物の周辺を動き回る主人が
一言。

「この建物の内部とすごく調和して、溶け合っている感じで気持ちいいね」

ギャラリー内部は一面真っ白の壁で、普段から無機質な空間ではあるのですが、
銭湯でしたから天井が高く、通常のビル内の画廊では出せない寒々感が充満して
おり、確かに今回の企画とマッチしているような感じがしなくもない。

「これぞアートの現代詩だね」

なにやら、すっかりお気に召した様子。

そんな風にご満悦の連れの横で、あらためて色々の角度から眺めていると、
当初の違和感とは別の部分で、なんとなく居心地の良さが感じられてくる
から不思議…

きっと、展示された作品の数々も、この場所を気に入って鎮座しているのでしょう。

今回の企画は1月28日までやっているそうですが、
もう一度くらい、つきあってあげてもいいよ。

 こんなポストカードをもらって帰りました。
とぷ

The Spirit

2011年12月04日 | culture


久しぶりにミュージカルを観てきました。

劇団四季の『SONG&DANCE』シリーズ最新作『The Spirit』。

今回は二部構成で、第一幕には代表的なミュージカルナンバーが
弟二幕には、作曲家・三木たかしさんの世界を彩るメロディの数々が
ダンスとともに披露されました。

『夜桜お七』や『津軽海峡・冬景色』など、お馴染みのヒット曲を
きもの姿のシンガーが唄う姿は、ここはコマ劇場か、と錯覚するくらいで
『四季』の舞台じゃないみたい!

とおもいつつ、目が離せなかったのは、趣向を凝らしたダンスの振り付けが
それは華麗で、やはり四季ならではの見せ場が随所にうかがえました。

特に、四季の歌い手さん達は、本当に歌が上手で、演歌でもなんでも
こなすんだなぁと、感心してしまいました。

もちろん、第一幕の四季オリジナルナンバーは、歌も踊りも堪能でき、
ホントに、『SONG&DANCE』の世界。

前回のこのシリーズの『55 Steps』も感激したけど、よくよく考えて見れば、
あれからもう2年もたつなかで、どうしたわけか、劇場から足が遠のいていたことに、
改めて気付きました。

機会をみて、また通ってみよっかな。

とぷ

視線の先にあるものは…

2011年11月03日 | culture

前売りのペアチケットと引き換えにもらったミニカード

本日は祝日、文化の日。
芸術の秋にちなんで、美術鑑賞の日と決めていました。

向った先は、江戸東京博物館。
『世界遺産 ヴェネツィア展』が開催されています。

9月の予告段階から待ちに待った企画展示です。

実はチケットを手に入れたのは、開催早々の10月初旬だったのですが、
主人の都合がつかないこともあって、延び延びになっていました。

目玉作品はヴィトーレ・カルパッチョの『二人の貴婦人』。
長い間にわたって、日本では『二人の遊女』という題名で知られていたカルパッチョの代表作で、本邦初公開。
でも、近年の研究の成果から、絵の中の女性達は“客待ちの娼婦”から、上流階級に属する身分の高い女性であることが明らかになり、“貴婦人”に格上げ?されました。

しかも、驚くべきことに、ロサンジェルスの美術館で保管されている別の絵画と上下でつながった、もともと1枚の絵の下辺部であったことが、科学的に証明されたという、いわくつきの作品です。

そして、さらなる研究の結果、上下でつながった1枚の絵は、屏風のような折り戸か、大きな家具の扉の右半分であって、左側には同じサイズの(つまりこの絵の2倍のサイズの)絵が存在したはずであるという、結論にいたったのこと。

今回の展示では、そうした最新の研究の成果が、動画像を含めて、ていねいに解説されており、とっても好感がもてました。

それにしても、左側にあるだろうとされるパネルに描かれた絵に向けて、二人の貴婦人がじっとみつめている、その視線の先には何があるのでしょう?

ちょっとワクワクさせられる話…ではありませんか。

ところで、イタリア料理の“カルパッチョ”は、この画家が好んで描いた鮮やかな赤色からの連想により命名されたとのことです。
本日、初めてホンモノをまじまじと観察し、改めて、貴婦人のドレスの赤色が本当に鮮やかで、ある種のなまめかしさも感じられ…
なるほど、確かに似てるかもと、感心しました。

とぷ


ガッツリ!

2011年08月12日 | culture


連日の猛暑の中、外出続きだったここ数日。
さすがに疲れました。
今日は、おとなしく自宅でゴロゴロの一日。
これもまたヨロシ…です。

さて、先日訪ねた西洋美術館。
私、ギリシャ彫刻の肉体美を堪能してまいりました。
“人類史上で最も美しい”と評価されるギリシャ美術。
まさに、THE BODY BEAUTIFULの世界。

体幹とかインナーマッスル等々、ちょっと筋肉づいている今日この頃。
一生懸命鍛えても、一朝一夕ではつかない筋肉。
自分の身体では堪能できないので、先人達の作り上げたものを観賞してまいりました。

そして、この日のランチは…

暑さを乗り切るのは、豚肉!!
って、ことで湯島の『かつ進』で、とんかつランチをガッツリといただきました。

肉食系女子(って、言ってもいいのでしょうか?)の一日でした。

とぷ

クレアモントホテル

2011年01月09日 | culture

前売り専門のペア券は2枚で2,900円とお得

久しぶりに神保町の岩波ホールに…

昔からハリウッドよりもヨーロッパ系の映画が好きで、足を運んでいたのですが、
ここしばらくは遠のいていました。

まして日曜日に映画を観るなんて、ここ数年なかったこと…

でも、この映画はどうしても観たくって、昨年の11月のうちにベア券を購入していたものです。
結果的には、年末のあわただしさにまぎれて、12月中に観ることはかないませんでした。

主人の仕事の都合もあり、思い立って出向いた日曜日の映画鑑賞。
笑って、笑って、そして、泣けました………。

主役のプルフリー夫人を演じたジョーン・ブロウライトの気品ある演技も秀逸でしたが、
ホテルの住人たちそれぞれの個性を際立たせる脇役陣の達者な演技も見ものでした。
もうひとりの主役である青年ルード役のルバート・フレンドの澄んだ瞳も印象的。

この映画を観たいと思ったきっかけは、パンフレットに記された「名作『八月の鯨』(87)を彷彿とさせる」という文言でした。
『八月の鯨』は大好きな映画で、私の生涯に観た映画ベスト10に連なるほどのものですが、
本日の『クレアモントホテル』も期待にたがわず、素晴らしい映画だと思います。

とぷ


CAT'S???

2010年12月30日 | culture


今日も寒かったなぁ…
暮れも30日ともなると、道行く車も少なくなって少しのんびりしたムードです。

横浜に出掛けた主人が、崎陽軒のシウマイをお土産に買ってきてくれました。

お馴染みの陶器で出来たお醤油入れ。
いつもと何か違う!?
“CAT'Sバージョン”です。

そおいえば、横浜で上演中の劇団四季のCAT'S。
崎陽軒+四季コラボで、CAT'Sバージョンのシウマイを発売していたんでしたっけ。

可愛い…

この仔は、ジェニエニドッツかしら…ね。

とぷ

ゴッホ展

2010年12月18日 | culture


ようやくというか、ほとんど駆け込み状態でゴッホ展に行ってきました。
展覧会の正式な名称は『没後120年ゴッホ展』。場所は国立新美術館。

10月1日の開催前から、待ちに待った企画でしたのに、どうしたわけか行きそびれ、
今月20日の終幕を目前に控え、ムリムリで時間を作りました。

朝一番に行ったにもかかわらず、すごい人出。
寒かったけど、好天で何より。


お土産に購入したポストカード。

大好きな『アイリス』を生で間近に鑑賞できたのが、最大の収穫でした。

とぷ

祝! ノーベル賞

2010年12月10日 | culture


スウェーデンのストックホルムで行われるノーベル賞の授賞式がいよいよ本番を迎えます。
本日、日本時間の午後6時半からリハーサルが行われ、化学賞を受賞する鈴木章さんと根岸英一さんが参加されたそうです。

リハーサルでは、スウェーデンの国王からメダルを受け取る動作など、長い歴史にふさわしい作法について確認しているということです。

本番は日本時間の11日午前0時半から始まるとのこと。きっと、明日の新聞ではトップニュースになるのでしょうね。

写真は、先日の北海度旅行の際に立ち寄った北海道大学博物館前で撮ったもの。
館内の展示でも鈴木先生の功績は大きく取り上げられてました。

  
ヒグマさんや、エゾシカさんも、嬉しそう。

とぷ

円山応挙の眼

2010年11月06日 | culture

ツルカメツルカメでオメデタイ
コレド室町エントランスのディスプレイは現代的な和風感覚

久しぶりに日本橋に行ってきました。

お目当ては三井記念美術館で開催中の『円山応挙』展。

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『空間の創造』というサブタイトルにふさわしい、スケールの大きな襖絵が展示されていました。
なかでも、最初の展示室の眼鏡絵が充実していて見所あり。
特に、今回の展示の目玉である『眼鏡絵 三十三間堂通し矢図』が見られて大満足。
襖絵の原点である応挙風の遠近法がこの眼鏡絵で習得されたことがよくわかりました。

『眼鏡絵 三十三間堂通し矢図』はうかうかすると、見逃すところでした。
なぜかというと、新聞記事で会期中の展示物の入れ替えによって、この作品が明日7日を最後に展示からはずされることを知ったのが、つい2日前でしたから。

人で混む土日での美術館めぐりはめったにしないのですが、今回は已む無し。
それでも、10時開館と同時に入場したので、比較的ゆったりと鑑賞でき、これも大満足。

三井記念美術館を出た後は、先日オープンしたばかりのコレド室町に足をのばしました。
こちらは美術館以上に混雑していましたね。
話題のラーメン屋で早めの昼食をすませました。

ramen
トッピング全のせの“せたが屋ラーメン”


とぷ