今日も寒い一日でした。
朝から快晴でしたが、北北西の風が吹き、思わず身震いするクリスマス・イブ。
神保町の岩波ホールで、映画を観てきました。
アラン・レネ監督作『風にそよぐ草』。
アラン・レネといえば、『去年マリエンバードで』があまりにも有名。
私も同時代ではないけれど、観たことがあります。
何ともいえない不思議な映画で、どんな映画かストーリーを説明しろといわれても、答えようがないけれども、あの幻想的な映像美だけは、一度観たら忘れられない…
そんなレネ監督も、今年で89歳。
巨匠の最新作は、「芳醇なワインのごとき、大人のための恋愛映画」とか。
そんなキャッチフレーズに魅かれて、寒風の中、出かけました。
なかなかどうして。
《難解派》でならしただけあって、夢と想像と妄想が複雑に入り組んだイリュージョンの世界に放り込まれた気分です。
で? 結末はどうだったの?って訊かれても、やはり困る。
それは『去年マリエンバードで』同様、答えようがありません。
ただひとつ、最後に突然現れた少女の一言。
「ねぇ、ネコになったらキャットフード食べてもいいの?」
それまでのドタバタは、すべてこのファンタスティック!なセリフの前振り?
と思わせるほどに、唐突で、かつ、魅力的なエンディングでした。
それにしても、さまざまな場面で垣間見せる映像美の見事さは、サスガというしかありません。
公開して間がないので、年明けにでも機会があれば、
もう一度、観たい…
と思わせるものがありました。
とぷ