睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

満月の夜に・・・モリアオガエルと白い蝶々と草野心平

2010-08-26 05:26:52 | 本棚・思想・禅と仏教

白い妖精みたいな蝶々
Cannon EOS Kiss X4




ガラス水槽のモリアオガエルの子が逃走したもよう。
8/22(日)には岩をよじ登る練習(?)をしていたのに
昨日(8/25)の夜はもういなかった。
尻尾が出てるまま裏山にお帰りか?

  阿武隈カエル図鑑(9)より引用

  変態直後のモリアオガエルの子は、1日ほど低木の草の上などでぼーっとしている。
  このときが唯一の撮影チャンスで、この後はすぐに森の奥深くへと移動してしまう。
  そこから先は、3年後、産卵のために戻ってこない限りはまず目にすることはできない。
  そのへんが他のカエルとは違うところだ。

上のサイトの画像を見て裏山に帰ったのだと実感した。
鳥に見つからず、ヘビに狙われず、無事に森に帰リ着いた
としても野生動物に安住の地はない。
子ガエルの1年後の生存率は10%に満たないという。


蛙を愛しすぎた草野心平の詩集
軽くおどけたセンテンスの行間で心平が泣いている
シニカルな慟哭が胸を打つ。

草野心平 詩集「定本蛙」より

  ヤマカガシの腹のなかから仲間に告げるゲリゲの言葉

  痛いのは当り前ぢゃないか。
  声をたてるのも当り前だらうぢゃないか。
  ギリギリ喰はれてゐるんだから。
  おれはちっとも泣かないんだが。
  遠くでするコーラスに合はして歌ひたいんだが。
  泣き出すことも当り前ぢゃないか。
  みんな生理のお話ぢゃないか。
  どてっぱらから両脚はグチャグチャ喰ひちぎられてしまって。
  いま逆歯が胸んところに突きささったが。
  どうせもうすぐ死ぬだらうが。
  みんなの言ふのを笑ひながして。
  こいつの尻っぽに喰らひついたおれが。
  解かりすぎる程当り前にこいつに喰らひつかれて。
  解かりすぎる程はっきり死んでゆくのに。
  後悔なんてものは微塵もなからうぢゃないか。
  泣き声なんてものは。
  仲間よ安心しろ。
  みんな生理のお話ぢゃないか。
  おれはこいつの食道をギリリギリリさがってゆく。
  ガルルがやられたときのやうに。
  こいつは木にまきついておれを圧しつぶすのだ。
  そしたらおれはぐちゃぐちゃになるのだ。
  ふんそいつがなんだ。
  死んだら死んだで生きてゆくのだ。
  おれの死際に君たちの万歳コーラスがきこえるやうに。
  ドシドシガンガン歌ってくれ。
  しみったれ言はなかったおれぢゃないか。
  ゲリゲぢゃないか。
  満月ぢゃないか。
  満月はおれたちのお祭ぢゃないか。

もう一遍は
  「
ぐりまの死


夜は満月
月の光に照らされる白い蝶々を飽かず見ている
昨日の夢が稲妻のようにフラッシュバックされた


あっというまに朝がきた
一日が矢のように過ぎていく。




2010モリアオガエル産卵~オタマ~カエルになるまで記事リスト



最新の画像もっと見る

コメントを投稿