太陽がのぞく東の空と冠雪してる山が見える西の空・「武田春秋」島津亜矢・「武田節」三橋美智也

東の空
朝8時の空は日差しがまぶしい。
何日ぶりだろ、雨は降らずとも雲に覆われて
鬱陶しかった関東地方にやっとお天道様がでた。

青空と雲が混在する空に真っ先に現れたのは、
白い機体にブルーのラインのNHK報道ヘリ、
新木場の東京ヘリポートから次々と飛んでくる。

整備飛行か定期巡航にしてもここ数日は
さぞや天気の回復が待ち遠しかっただろう、
騒音はガマンするから盛大に飛んでおくれ。

朝9時になって雲が消えてきた。
プリズムいっぱい、さらにまぶしい。

西の空
写真の右奥に甲斐駒や八ヶ岳連邦がちらとでも
望めれば嬉しいけどなぁ、
地図を見るだけではさっぱりわからない。

それでも外に出てカメラを持つだけでうきうきした、

太陽は恵みだね。

ベージュのパネルに覆われたビルの解体工事現場の

屋上のパネルの隙間から動く人影が見える。

コンクリートを砕くドリルの音がしてきた。

「オーライ、オーライ、あと1メーターストップ」と

車を誘導する声が大きく響いてここまで届く。

そのうちきっとクレーンもくる、わくわく。

武田春秋／島津亜矢

 

武田節／三橋美智也

甲斐の山々 陽に映えて
われ出陣に うれいなし
おのおの馬は 飼いたるや
妻子(つまこ)につつがあらざるや
あらざるや

祖霊(それい)まします この山河
敵にふませて なるものか
人は石垣 人は城
情けは味方 仇は敵
仇は敵

　(詩吟)
　疾(と)きこと風の如く
　徐(しず)かなること林の如し
　侵掠(しんりゃく)すること火の如く
　動かざること山の如し

躑躅ヶ崎(つつじがさき)の 月さやか
うたげを尽くせ 明日よりは
おのおの京を めざしつつ
雲と興(おこ)れや 武田武士
武田武士