ハロゲン投光機のナットにとまる蜻蛉(かげろう)
このところ、
アタマの中を端唄や都都逸が流れている。
久しぶりに長唄の師匠の友人と五反田のカフェで
クリームソーダを、飲むというか、食べたのだが、
彼は終始憮然としていた。
そりゃそうだ。
ぼくより遊び人の彼がたいした用もないぼくに袖をひかれ
まっ昼間からカフェで甘味に付き合わされている。
居心地のわるさに尻がもぞもぞしてるだろう、
これが夜のお座敷なら二つ返事でほいほいだろな(-"-)
興に乗った彼が唄い踊る端唄「ぎっちょんちょん」の節回しと
踊りの振りを知りたくて、録画を撮ってほしいと頼んだら、
「俺のぎっちょんちょんは高くつくよ」
彼はにたっとしながらYouTubeを教えてくれた。
お座敷で遊んでいたのはもうふた昔も前のことなのさ。
松が見事な料亭とあの置屋は廃業してしまったし...。
座敷芸がすたれることはないと思うが、忘れられるかも。
2011-06-11の記事にYouTube追加
同世代の彼らと呑むのは楽しい、なにせ話題が豊富でテンポが速い。
麻雀しかり、腕達者の面子が揃えばあっというまに夜が明ける、
こんなはずじゃなかった、そんな後悔を打ち消す喜びがある。
一軒目は会場近くの寿司屋の二階で軽くビールと寿司をつまんで解散、
二次会はメンバーの知り合いの店に流れた。
普通のクラブ風に見えるドアを開けたら、そこは別世界、
きらびやかな衣装のオネーサンの嬌声はダミ声だった。
うほ、オカマバー!
見たい聞きたいの好奇心がうずいた。
「愛はかげろう」の話題が出てひとしきり盛り上がっているとき、
ふいに青いドロワースが脳裏をかすめ、隣のオネーサンのスカートを
なにげにつまんでチラっと足を見た。
オトコオンナのおねーさんがうまい節回しで唄った端唄は
どこかで聞いたようなセリフ、そうそう長唄の師匠が、
妙に納得してメモってきた。
「ぎっちょんちょん」
高い山から 谷底見れば
ぎっちょんちょん ぎっちょんちょん
瓜やなすびの花盛り
お山がどっこいどっこいどっこい
よういやな ぎっちょんちょん ぎっちょんちょん
ぎっちょんちょん ぎっちょんちょん
物も云いようで 角が立つ
お山がどっこいどっこいどっこい
よういやな ぎっちょんちょん ぎっちょんちょん
時おり激しい雨の中、友人の奥方が酔っ払い連中を送ってくれた。
新車のアルファード350G(Lパケ)、トップグレードの4WDだよ、
うらやましいなぁ。
室内をよごさないようしゃっちこばって座ったのもつかの間、
すぐ眠りに落ちた。
自宅に着いたらカラスが鳴いていた。
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