先日、住基カードをつくりに市役所に行ったときのこと。
新規は40分かかると云われ、長椅子に腰かけスマホで遊びながら待っていた。騒々しい音に顔をあげると、市民課のカウンターを拳で叩きながら怒鳴り散らす白髪の老人がいる。その傍らにポシェットを斜め掛けにした老婦人がおろおろしていた。
免許証がどうたらこうたら・・・激高した喚き声はカウンターにいた受付嬢を押しのけ、年配男子にバトンタッチさせたが、彼はただ頭を下げて老人をなだめるだけの逆効果、ますますヒートアップしたところに上司らしき人が登場。その指示でフロア片隅のテーブル席に移動し、さらに押し問答を続けていた。
老人の怒りは収まらずテーブルを叩く音もやまないので、ぼくは役人をかき分け老人の後ろに立ち肩に手を置いた。ぎょっとして振り向く老人に「おっさん、回りに迷惑だから静かにやっとくれ」と声を掛けた。一瞬の静寂のあと、連れ合いと思われる老婦人が人に迷惑かけちゃいけないと老人を諌めていた。
長椅子に戻ってスマホのつづき。しばらくすると今度は若い男の怒鳴り声とイスを蹴飛ばす音が...、回りを取り囲む役人の隙間から見えたのは、白いポロシャツを着たアンチャンが大声あげてクダを巻いているすがた。甲高く裏返った声は苦笑もんだが、言葉のはしに「俺はカタギじゃねえんだ・・・」と。
これを聞いて好奇心がうずいた。どこの若い衆よ?いっちょ顔でも見とくか。定まらない焦点と目つき、じっとしていられない衝動的な動き、声の震えとイミフな言い草。あのハイ状態はなんらかのチュウを思わせた。キ印につける薬はなし、留置場にブチ込んで荒ぶる精神が静まるのを待つのみ。
老人の身内ではなさそう。騒動にスイッチを押された便乗組がイキがっているように見えたが、ぼくの右隣に座ってる年配の紳士は「市長選が近いからなぁ」と意味深につぶやいた。
遠巻きに見ている人、表に出る人、われ無関心の人、いろんな人がいて、さまざまな見方があって、人はみな面白い。
そのうち警察官が一人きたがラチがあかなくて、総勢5人の警察官がきて収まったもよう。住基カードをもらって表に出ると駐車場に察カブ3台とパンダが一台停まっていた。この暑いなかご苦労様でした。
はだしのゲン「描写過激」小・中に閲覧制限要請 [松江市教委]
news.livedoor.com/article/detail…
どこでこんなに曲がっちまったんだろ、
静かな怒りが湧いてくる。
お盆がおわった。
これが最後になりそうだからと、70近い息子に手を引かれ、大叔父が線香をあげにきた。息子の嫁は先年に没し、一粒種の孫は海外にいる。その昔に隆盛を誇ったお宅が今はnuclear familyとなり、老々介護を絵に描いたような寂しい宅になった。浮世に遠き思ありき。
「青いとんぼ」北原白秋
青いとんぼの眼をみれば 緑の、銀の、エメロード。
青いとんぼの薄き翅 燈心草の穂に光る。
青いとんぼの飛びゆくは 魔法つかひの手練かな。
青いとんぼを捕ふれば 女役者の肌ざはり。
(つづく)
青いとんぼの綺麗さは 手に触るすら恐ろしく、
青いとんぼの落つきは 眼にねたきまで憎々し。
青いとんぼをきりきりと 夏の雪駄で踏みつぶす。
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