睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

散文:木漏れ陽が落ちる場所

2009-11-18 23:20:59 | 散文うたかたの記

月がおじぎをしてる夜
足の爪先を眺めてる
爪がきりきり肉を噛む

痛いときは痛むが候
ほんの一瞬でも没我の至福があれば
残り23時間と59分と数十秒は我慢する
かのAuschwitzの檻のなかにも
ひとときの平安と至福はあったはず

でも3日もつづけて痛いのはNGだ
若山牧水の草履がほしい
  
   「枯野の旅」 若山牧水

   草履よ
   お前もいよいよ切れるか
   今日
   昨日
   一昨日
   これで三日間履いて来た

   履上手の私と
   出来のいゝお前と
   二人して越えて来た
   山川のあとをしのぶに
   捨てられぬおもひもぞする
   なつかしきこれの草履よ
 


陽光に煌く銀鱗のような詩人たち
彼等に、
拾い集めた言の葉から詩は生まれない
生木に繁る青の瑞々しさをつたえてよ
はらはらと散る落ち葉の色を見せてくれ




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