今は書筆も絵筆も持ちたくない。
衝動のままに掴むのはカメラだけ。
今はそういうモード。
依頼があってもいまはダメ、
3日続けて寝坊するくらいぴりっとしない、
ムーヴにほど遠い、だら~んと伸びたゴム。
愉しいけど。
布団のなかで日経を読みながら淹れたての珈琲を飲む。
新聞をめくる音に果敢に突撃してくる千衣子がいない朝は、
3年たってもまださびしい。
日経&ネットnewsに目を通す1時間は活字を追い拾うとき。
気になる語句はポンポンと頭の引き出しに投げ込むことが
できた...数年前までは。
今は右から左に流すだけ。
目の粗いザルでも必要なものは直感的に残るマジック。
今日の天気は曇り。
こんな日はミッションに[洗濯]があってもパス!
洗濯物は青い空に晒さないとリセットにならない気がする。
橋の下流の瀬を抜けた右側にゆるく蛇行する川の淵は、
水面に張り出した木々に暗く深く緑色に淀んでいた。
ある日、そこに花柄のスカートが浮いた。
川舟から降りた消防団の若い衆は、
店の前で半被に残る塩を互いに払い落としていた。
広い土間に一升瓶と湯呑みの支度をした母は彼等を
手招きして呼びよせた。
僕は母のうしろにすわり彼等の云うことを聞くともなしに聞き、
花柄のスカートのくだりを聞いてどきっとした。
色鮮やかな小花を散らしたフレアスカートを僕は2日前に見た。
バス通りのT字路を過ぎたあたりにいつもいる少し頭のいかれた
あの娘がはいていたスカートだ。
金木犀の花は咲き終わった時期なのか、
今年はまだ一度も黄色い花を見ていない。
郷愁に胸がときめくあの匂ひ。
「日本国記」がベストセラーらしい。
いまのとこまだ読む気になれなくて、
積んどく本の一番上に鎮座してバリケードの一助になっている。
そういえば日本の国の歴史を一冊にまとめた本て記憶にない、
そろそろ読もうか。
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