運命と出会う瞬間

映画・小説・音楽・・なんでもありの気ままな感想

永遠の・・・

2011年01月09日 21時17分16秒 | Weblog
やっと・・観ました。懐かしくって懐かしくって、私の、心の映画といえる宝物。
『フォロー・ミー』。

TOHOシネマの朝の名画座でラインナップされて
夢じゃないかしらと待ちながら、六本木ではすぐにSOLD OUTで
涙を飲んで、このたび、府中に回ってきたのを待ちかねて行きました

かつて観るたびにそうだったけれど
やっぱりまた、まだ何も始まらないうちに
ロンドンの街をただ、コート姿で傘を持って歩く男性の姿のところから
すでにグッときて涙、涙・・・

バックに流れている、ブランコがきしむような、なんともせつない、音楽のせいなの。本当に名曲。

ミア・ファローの一挙一投足、表情の変化、場違いなのを、ちょっとおじゃましているだけなのに、いいのかしらというような、遠慮がちな笑顔
そんな中に、それでも、わかりあいたいという、秘めた渇望をわかってくれる何かを一瞬みつけたときの目の端の輝きとか・・

1973年、はじめて観たとき、私は、やっぱりそんな、ひとりをもてあました学生だった。

そして、それからいろんな経験もして、いろんな人に迷惑をかけたり、世話になったりしながら、子供まで産んだり育てたりさせてもらって、心からの愛を注いだり、泣いたり、笑ったり。。
子供達を育てながら、保護しなくっちゃと、責任感で気を張ってきただけで
とっくのとうに大人になれているつもりでいたのに
本当は、私の中の私は、なんにも変わっていないことに気がついた。
ああ、なんだ、やっぱりちっとも成熟できていないんだって知った。
いまもなお、心ひかれるきれいなもの、やさしいもの、自然の声に揺れてばかり、導かれてばかりの毎日だ。

いまごろになって、この宝物に大きなスクリーンでまた再会できるとは思わなかった。
何度観ても、永遠に、のっけのシーンから、私は泣くと思う。
胸の中にきしむような、あのブランコみたいなメロディーを聴いて、泣くと思う。
泣ける幸せってあるって思うひととき。