アンセル・アダムズの森の写真に、いつもピアノの音が聴こえるように感じていた。
新青森からの新幹線で、長い車中と思って本を買い込んで読んでいたら、なんだか社窓のほうから、気配というか、呼ばれているような気がしきりにして、
見たら、一面の雪野原が、静謐なのにその奥にわんわんと音を湛えて続いていた・・・。
ああ、雪は音を秘めるのだ。
雪景色の中には、実は封じ込められた音がたくさん鳴っている。
しばし、本を読むのをやめてみとれていた。
不思議なもので八戸では、ぐっと雪が減り、きれいなオレンジの雲と光が重なっていた。
この数年、関西や九州にご縁があったけれど、東北の、この原風景も胸に懐かしく沁みてくる。
日本は素晴らしい・・・。