真岡鐵道の終点、茂木には国際的なサーキット場である「ツインリンクもてぎ(以下TRMとします)」があります。TRMでは年間を通して、世界戦から地方戦まで様々なクラスのレース(4輪・2輪)や、花火・熱気球・自転車・マラソン…といった各種イベントを開催しています。大きなイベントとなると県外からもたくさんの人々が訪れますが、公共交通機関としての真岡鐵道の役割はどうなっているんでしょうか。少し考えてみたいと思います。
TRMの最寄り駅は当然茂木駅となりますが、駅からTRMまでは5km程度と結構距離があります。徒歩での移動には難があるので、2次交通機関が必要なわけですが、現状では…
①路線バス(JRバス)―土休日1往復(イベント時増便あり)
②タクシー
③自家用車等での送迎
④レンタサイクル
が挙げられます。しかし、実際には、
○モータースポーツというジャンルの特性上、車での来場が圧倒的に多い。
○路線バスは、乗り換えに便利な宇都宮駅、水戸駅からの利用がほとんど。
○真岡鐵道はルートや時間的に利用しにくい。
などの理由で、真岡鐵道経由の利用はかなり少ないようです。が、年に数回は事情が違うこともあります。昨年9月に開催されたインディジャパンでは、こんなことがありました。
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2009年9月19日(土)、インディジャパン決勝日の朝、宇都宮発茂木駅経由TRM行きのJRバスが10時少し前に茂木駅に到着しました。時刻表上は、ここで真岡鐵道の普通列車の到着を待って、10時03分にTRMに向けて出発することになっています。しかし、バスはこの時点で超満員。これ以上乗れない状態でした。
そして、10時ちょうどに真岡鐵道の列車が到着。いつもは1両なのに2両で来たと思ったら、どう見てもレースの観戦客と思しき人々が次々と出てきます(写真)。
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人々の流れはバスに向かいましたが、バスは満員なので門前払いされたらしく、仕方なしに待機していたタクシーに乗り込んでいました。しかし、列車から降りてきたのは40~50人。全員がタクシーには乗れず、10数人が取り残されてしまいました。この光景を見て、何ともまずい対応だなと思ったのでした。
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この場合、宇都宮からのバスと別に、茂木駅⇔TRMのシャトルバスが必要だったと思います。こんなことでは、次は、「真岡鐵道経由では行かない」となってしまいますよね。関係各位が現状をどれくらい把握しているかは分かりませんが、来訪者の選択肢を広げるためにも、万全の体制で受け入れに当たってほしいと思います。
折しも、明日からはインディジャパンが開催され、10月にもMotoGPをはじめとしたレースが待ち受けています。今年も、茂木駅で途方に暮れている観戦客が見られるのでしょうか。