三木正夫 好きです須坂! がんばろう!

信州須坂から徒然なるままに様々なことを書き記してまいります。

民は之に由(よ)らしむべし、之を知(し)らしむべからず [論語]

2017年02月24日 | Weblog

(20150501) 民は之に由(よ)らしむべし、之を知(し)らしむべからず [論語]

 論語のこの言葉を「民衆には何も知らせてはならない、信頼させて黙っ

てついてこさせるべきだ」との解釈がありますが、正しい解釈とはいえま

せん。

 正しくは「民衆からは、その政治に対する信頼をかちうることはできる

が、政治の内容を知らせることはむずかしい」ということです。

 「政治の内容を知らせることはむずかしい」ということは、現代でも

同じです。例えば、須坂市は厳しい財政状況が続いていますが、そのこと

は、全体としては理解していただけますが、個別には理解していただけな

いことが多々あります。その結果、市行政に多くの要望があります。

 

◯ある区から次のような要望書が提出されました。

「要望に対処することが困難な場合は、「予算の関係」「技術的に難し

い」「要望が過剰要求」「順番待ち」などの見解を示してください。次年

度以降の要望書作成の資料とし、区行政の円滑な運営に心がけます」

 ただ単に要望するのではなく、市の説明を求めて、次年度以降の要望に

生かそうとしていただいていることに敬意と感謝を申し上げます。

◯ほかの区長からは「区の各組から要望を提出してまとめている

が、新たに就任した組長は『何かを要望しなければ』という思いで要望を

行うので、区としては要望しないわけにはいかない。市において要望の実

現が困難な事項は、困難と回答してほしい」とお願いされました。

◯選挙で選ばれる者は、要望に応えなければ選挙に不利になると考えがち

ですが、私は、きちんと説明すれば理解していただけると考えています。

為政者は個別最適ではなく、全体最適を考慮し、「断る勇気」も必要と考えて

います。

◯20160504 先日、ある会合で、市民の方から多くの要望をいただきました。帰りがけに出口で、ある市民の方が、「財政状況が厳しいのに、多くの要望があってお気の毒ですね。お体に気をつけて下さい」とおっしゃって下さいました。

◯20160504 2回目の選挙運動期間中に、ある一人暮らしのお年寄りの女性の方から、「厳しい時代だけど、誰かにやってもらわなければいけないから」といわれました。声高ではないその言葉から、声なき声を大切にしようと思いました。

同じことを言っても、捉え方が違う。理解してもらうことは、難しいと感じます。

 

 

※民(たみ)は之(これ)に由(よ)らしむ可(べし)、之(これ)を知(し)らしむ

不可(べからず) [論語]

 

 原文は「民可使由之、不可使知之」(「可・不可」は「できる。できな

い」)の意味。

 由しらしむべしの「由る」は「頼る」「従う」という意味。「べし」は

可能の意味。「べし」を「命令」または「当然」の意味に解釈した結果で

す。間違えた解釈となりました。

 

「論語の読み方(山本七平著。祥伝社発行)などから

http://kotowaza-allguide.com/ta/yorashimubeshi.html 


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