信濃毎日新聞母親2016(平成28)年2月12日
乳児虐待 居住環境も「危険因子」 国立研究センター部長ら論文
母親による乳児虐待には母親の年齢や経済状況に加え、居住環境も影響する―。そんな論文を国立成育医療研究センター社会医学研究部の藤原武男部長らが日本疫学会の学会誌1月号に発表。
虐待予防策を検討するため愛知県と同県の45市町の協力を得て、子どもの「4カ月検診」を受けた母親に調査票を配り、6487人から回答を得た。
◎子どもが泣いたり騒いだりしたとき、激しく揺さぶったことがある人の割合は3.9%で、
口をふさいだことがある人は2.7%、
どちらかをしたことがある人は5.4%に上った。
乳幼児を激しく揺さぶると脳や目がダメージを受け、障害が残ったり死亡したりすることがあり、
「揺さぶられ症候群」として世界的にも問題。今回の結果はオランダや米国での調査結果と同程度だった。
◎行動の背景
母親が若いことや経済的な苦しさのほか「産後うつ」の傾向があること、高層住宅の10階以上に住んでいることも「危険因子」となっていた。
一方、「部屋数が多い」「相談相手が多い」とリスクが下がる。
藤原部長は「高層階は静かなため赤ちゃんの泣き声がうるさく感じられることや、外出がおっくうになることが影響している可能性がある。こうした危険因子を、周囲の人や自治体が妊娠中から把握し、母親を支援することで赤ちゃんへの虐待を防ぐことができると思う」と話している。
揺さぶりと口ふさぎの危険因子
・母親が24歳以下である。
・第一子である。
・生後4か月の時点で母親が常勤で働いている。
・4か月検診の受診が遅れる。
・高層住宅の10階以上に住んでいる。
・経済的に苦しいと感じている。
・産後ウツの傾向がある。
(参考になるブログ)
http://3-5mama.com/archives/485