中学校卒業式(平23・3)市長祝辞から(抜粋)
祝 辞
これから新しい世界に漕ぎ出す皆さんに、贈りたい言葉があります。
イタリアのサッカー選手、ロベルト・バッジョ選手の「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持った者だけだ」という言葉です。
昨年夏の、サッカーのワールドカップでは、日本代表が大活躍しました。最後には、駒野選手がPKを外して敗れてしまいましたが、失敗した駒野選手を、チームメートが肩を組んで慰め、とても爽やかな印象を残してくれました。
12年前のワールドカップ、フランス大会では、優勝候補であったイタリアチームの選手が、やはりPKを外して敗れ去ります。この時、チームメートのバッジョ選手は、「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持った者だけだ」と、外した選手に声をかけたと言われています。その四年前のワールドカップ、アメリカ大会の決勝戦で、イタリアチームのエースであったバッジョ選手は、最後にPKを失敗し、優勝を逃していました。
人生の中で、失敗をしない人など、一人もいません。残念ながら皆さんも、人生のどこかで、必ず、つまずく経験をします。その失敗で悩み、心が折れそうになるかもしれません。
しかし、PKを蹴る勇気がなければ、けっしてPKを決めることはできないのです。失敗にくじけず、挑み続ける者だけが、成功を勝ち取れるのです。
無限の可能性を秘めた皆さんの、挑戦し続ける青春に、エールを贈ります。
●勇気 その2
「人類の徳目の中でもっとも尊いものは勇気だ。人は勇気があって初めて助け合いや慈善などの徳目を行うことができるようになる」(チャーチルの言葉)
●勇気 その3
こども武道憲章に、「勇気と思いやりと正義感」という言葉がありますが、
今の時代、勇気が重要だと常日頃感じています。
そう思っていましたら、日経私の履歴書の寺澤芳男元米国野村証券会長の最終回が次のような文章で結んでいました。
ドイツの文豪ゲーテの言葉をとくに若い人たちに紹介したい。
財を失うことは小さく失うことである。
名誉を失うことは大きく失うことである。
勇気を失うことはすべてを失うことである。(20111204掲載済み)