すずきせいこの「日々雑感」

政治や暮らし、孫のことから平和・原発問題まで“本音でしなやかに”・・・

福島原発「吉田調書」と大飯原発運転差し止め裁判

2014年05月21日 | 日々思うこと

昨日、朝日新聞は東京電力福島第一原発事故の責任者だった吉田昌郎所長(2013年死去)が、政府事故調査委員会の調べに答えた「吉田調書」とも言われている「聴取結果書」を入手する大スクープで、ネット上にも公開されました。

「吉田調書」http://www.asahi.com/special/yoshida_report/

これによると大震災4日後の11年3月15日朝、第一原発にいた所員の9割にあたる約650人が吉田所長の待機命令に違反し、10キロ南の第二原発へ撤退していたそうで、事故対応が不十分になった可能性があると指摘です。福島原発事故では2ヶ月間もメルトダウンを隠し続けてきた東京電力ですが、さらに吉田所長のこの命令違反による現場離脱を3年以上伏せてきたというから恐るべき企業です。
「福島第一の原発所員、命令違反し撤退」

http://www.asahi.com/articles/ASG5L51KCG5LUEHF003.html

ところでこのページを開いていたら、朝日新聞広告局企画・制作の「いのちのとけい」(作・にしやま まき)という素晴らしい電子絵本に出会いました。夕方、二人の孫も仲良くパソコンの前に座って、いのちの誕生に感動の様子です。

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そして本日、福井地裁は関西電力大飯原発3・4号機の運転差し止めを求めた住民訴訟で、250キロ圏内に住む住民らは差し止めを求めることができると判決を言い渡しました。2011年3月の福島原発事故後の運転差し止めを求めた訴訟の判決は初めてですが、差し止めを命じたこの判決が確定しない限り、再稼働審査に適合すれば大飯原発
の運転は可能ということです。しかし司法の判断を無視しての再稼働には世論の大きな反発が予想され、全国各地の原発再稼働に向けた動きに影響を与えることでしょう。

ところが菅官房長官は記者会見で、原子力規制委員会の安全審査を経た原発を再稼働させる政府方針は「まったく変わらない」と述べ、「安全を客観的に判断してもらった上で再稼働することは正しい」と強調です。「
吉田調書」に限らず政府事故調は、情報を隠さず公開し過去の誤りを徹底的に検証してこそ「世界一の安全基準」と言えることで、安倍政権の隠ぺい体質といのち軽視の原子力推進政策にあきれ果ててしまう終日です。