こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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看護師は手作りが好き!

2009-08-20 22:29:49 | 医療機器・介護用品
             
看護師は、昔からいろいろと工夫して、手作りしたり工作したりするのが、比較的好きな人種だと思っています。

特に昔(20年以上前は、今ほどいろんな便利グッズはなかったので)は、看護研究や、患者さんのためにいろんなモノを手作りしました。

今は一般的に売られている、ジッパー付きのつなぎなんかも、作ってみたりしました。

そういえば、去年胃瘻のストッパーを引っ張ってしまうおばあちゃんがいて、手を拘束するのも嫌だったので、手持ちのつなぎを改造してみました。

 チェックのところを開くと、穴があいていて、そこに胃瘻チューブを縛っておきます。 
とりあえず、根元のストッパーは引っ張らなくなりましたが、つなぎの着脱は意外に難しく、老老介護にはもっと考慮が必要です。
結局この方は、入所されました。

ちょっと見にくいですが、チェックの布はマジックテープでとめられます。


 これは、ウェディングドレスです。

去年、ブログにもちょこっと書きましたが(2008.9.25 最後の願いをかなえたい。)、
私と小澤先生で立会人をして、結婚式をあげた60代の花嫁のドレスです
夫婦二人だけで、寄り添って生きてきた方です。
二人の、最後の願いは、籍を入れることでした。
このため、小澤先生が奔走、本籍、住民票、婚姻届を揃えました。

ドレスは、うちのステーションのヘルパー責任者の若かりし頃のワンピースです。
ベールは、カーテン。花飾りを100均で揃えました。
ステーションから、ケアプラザから花束も届きました。
お父さんは、ポロシャツに、スタッフの持ってきた蝶ネクタイ。


結婚式の次の日行ってみると、表札がお父さんの名前に変わっていて、なんとハートの絵までついていました。
(あの、強面のお父さんが作ったと聞いて、思わず笑ってしまいましたっけ。)
そんな思い出のドレスです。

工作も好きだけど、あるものを使うのも得意です。

陰部洗浄や創の洗浄なんかには、定番のペットボトルや洗剤のボトルですが、そのなかでも、このfroschの空きボトルけっこう使いやすいですよ。

まあ、なんでもいいんですが、なんでも使っちゃいましょう。



在宅IVH(中心静脈栄養) カフティーポンプ

2009-08-17 22:25:33 | 医療機器・介護用品
今日は在宅でよくつかわれる、カフティーポンプのお話をします。


消化管の病気などで、ほとんど口から食事が取れない場合、鎖骨下静脈(最近ではもっといろんな血管を使いますが)という太い血管から、栄養を入れる方法を選ぶことがあります。

最近ではポートといわれる、小さな丸い台のついたチューブを身体の中へ埋め込んで、皮膚の上から丸い部分に針を刺したり抜いたりできるようにして帰ってきます。

チューブの部分が静脈に入り、丸い台は皮膚の下に埋められます。
  特別の曲がった針で、皮膚の上から丸い台を刺して固定します。

針を抜けば、いつでも自由の身です。
以前は、直接血管に管を入れて、糸で縫っていたので、自由に針を抜くことも、お風呂に入ることもできませんでした。

そして、これに繋ぐのは、高カロリー輸液です。
高カロリーなので分子が大きく、腕などの細い血管からは入れられません。

その点滴に輸液のルートを繋ぎ、ポンプにセットして、針に繋ぎます。
 これがルート。
ポンプは、これです。 

この作業は、入院中に練習するものの、ほとんどの方は訪問看護師に依頼されます。
24時間毎日入れている場合は、輸液だけをご家族が交換して、週に1回看護師がルートも交換して、針も差し替えます。
この時、針を抜いている間に入浴したりもします。

ポンプと、輸液はふだん邪魔なので、こんなキャリーバックに入れておけば、どこにでも持って行けます。
 胸元からでたルートを、ボタンホールにひっかけて、キャリーバックを持ってお出かけもできるわけです。

ポンプは、簡単に扱えるようになっていますが、やっぱり使い慣れていないと不安なものです。

空気が、ルートに入るとセンサーがキャッチしてアラームが鳴ります。
チューブが折れていても鳴ります。

わかっていても、アラームが鳴ると結構びっくりして、パニックになったり、触るのが怖くて緊急電話が入ったりします。

でも大丈夫。絶対空気は入らないようになっているので。
ポンプを止めて、調節のクレンメを止めてゆっくり考える、わからなければ電話をすれば問題ありません。

一度ポンプにルートをセットすると、カセット内のストッパーがかかってしまうので、カチットスタンドで、解除しなければならないので、やっぱりこちらで対応するのが無難かもしれません。
でも、機械に強い人は、どんどん操作できます。

針を抜いてしばらくポートを使わないときは、以前はヘパリンを注入しましたが、外国製品の感染事故があった後は、生理食塩水を使っています。

こういう機械も、なれてしまえばほとんど問題なく使えるようになります。

後は、感染に注意ですね。
あまり抜いたり刺したりが頻回だと、感染のリスクが高くなります。
在宅だと、週の半分だけ使って、あとは自由の身で過ごす方もいて、必然的に差し替えの機会は多くなります。

なので、発熱や刺入部の消毒、観察はとても重要です。

針を刺すとき、すごく痛がる方もいて、そういう時は表面麻酔のパッチなど使ってみたりしますが・・・。(そう、水いぼを取る時のパッチです・)

効果は、人それぞれですかねー・・・。



胃瘻管理を変えたい!

2009-04-26 01:18:07 | 医療機器・介護用品
今、胃瘻の患者さんが増えています。
嚥下機能が悪くなって、2~3回誤飲性肺炎を起こすと、ほとんどの方が胃瘻になって帰ってきます。
胃瘻に関しての賛否両論はあると思いますが、ケースバイケースだと思います。
最終的にはご家族の選択になるわけですし、作ったからにはちゃんと管理できないと、かえって面倒なことにもなります。

その中でも特に、胃瘻から栄養剤注入後の逆流によるゼロゼロが気になります。
吸引すると、結構白いものがズルズルと・・・
これじゃあ何のために胃瘻にしたのかわかりません。
結局肺炎になってしまいます。

で、最近普及してきている「半固形化」による注入に切り替えたいと模索中です。

去年、ある患者さんが、半固形栄養剤で指導を受けて帰ってきました。
でも、そのときは栄養剤と、アイソトニックゼリーとファイバーゼリーを3食使って、一食あたり約1000円。
3食あわせると、1ヶ月約10万かかってしまい、さらに奥様の手技的な問題もあって1回の注入を1時間半もかけてやっていました。
これじゃあ、何のための半固形かわからないし、まして年金生活で月に10万円もかかっていたら生活ができなくなってしまいます。
さらに、なぜか尿管カテーテルを胃瘻に使用しているため、しょっちゅう自然抜去が起こってしまい、そのつど奥様のパニックは相当なものでした。
(本来、バルンカテーテルは、胃瘻に使ってはいけないのですが、コストなどのこともあるのか、この病院ではいつもバルンが入ってきます)
この方の場合は、何度も病院NSWや、連携室ナースと相談し、結局再入院して胃瘻管理の再調整をして帰ってきました。
結局、保険適応の液状の栄養剤を、イルリガートルとよばれる容器にいれて、1時間ほどで滴下する方法にしました。
この方は歩行もできるし、注入後のゼロゼロもないので、このままで行きたいとは思っています。

が、とにかくゼロゼロする人を改善したいのです。
調べてみました。
半固形化というと、かなりの粘度が必要となります。
ある程度の粘度がないと、逆流の防止にならないとのことで、よくあるトロミ材ではだめなようです。
マヨネーズほどの粘度で、すでにできている製剤がいくつかあります。
その中でも最も効果的な粘度を保つのが「テルミールPGソフト」 400カロリーで1個350円
ほかにもニュートリートとか、ハイネゼリーゼリーとかあるようですが、粘度としして若干落ちるようです。
で、3食使ったとして1050円×30日で、31500円。
在宅では、カロリーもかなり抑え気味にするので、2食にしても21000円。
不思議な話ですが、元気に食べてているときは、きっとそれ以上お金かかっていたと思うんでよ。
でも、一度保険適応の栄養剤を使ってしまうと、そこから切り替えるのはなかなか抵抗感があるようです。
もともと、余裕があって保険外の栄養剤を使われている方は、これに変えるのが一番いいみたいです。
でも、年金生活など経済的に大変な場合は、粘度を調整するものを、現在の栄養剤に混ぜるほうが、経済的です。
それも、なるべく手間がかからず、割安に、粘度がちゃんと確保できるもの・・・

いろいろ探して、月曜日に大塚製薬の方が、サンプルもって説明にきてくださることになりました。
2008年版「看護技術8月号」や、「静脈経腸栄養Vol23№2」などがすごく参考になりました。
もし、これはすごくいいよーなんていう方法があったら、教えてください。