最近読んだ本。
なかなか面白かったです。
極北のダメダメ病院が、一人の医師の赴任によって、少しづつ変わっていくわけですが、一人一人のキャラクターがなかなか面白くて、あっという間に読めました。
特に、厚生労働省の天下り機関からの、外部調査員の派遣や、調査員の上から目線の態度やそのからくりなどは、介護保険の公表制度や評価機関を連想させるところもあり、皮肉たっぷりで笑えます。
最後が今一つすっきりしない感じなのがちょっと残念ですが、楽な気持ちで楽しめる小説です。
そして、もうすっかりはまってしまったのが五木寛之の「親鸞」です。
あまりの面白さに、駐車場に車を止めて読みふけっていました。
時は平安末期、下級貴族だった父親が謎の出奔をし、母もすぐに亡くなってしまいます。
幼い弟たちと、叔父の家に預けられ勉学はさせてえもらえますが、肩身の狭い暮らしをしていました。
しかし、その家の奉公人夫婦に可愛がられ、また当時さげすまれていた川原聖や下人などと親しくなっていきます。
やがて、わずか9歳で当時最高峰だった比叡山に、つてを頼って入山するのです。
そこから、究極の修行に入るのですが、ここでの生活の内容は、私たちの知らない閉鎖された世界の話となり、それこそきれいなお坊さんが高僧の寵愛をうけたり、お山の中にも雲助みたいなお坊さんがいたりと、とても興味深い話も織り交ぜ、息をのむ展開になっていきます。
親鸞は、幼名忠範(ただのり)といいますが、9歳で出家するとともに慈円よりを範宴(はんねん)の名前を頂きます。
その後、山を下りることを決意し、法然に支持します。
この時、綽空(しゃくくう)と改名、さらに35歳の時に念仏弾圧で新潟に流刑になりますが、この時に親鸞と改名することとなりました。
この間、あらゆる陰謀と戦い、自分の道を究めていく中で、これだけの修行僧としては異例の結婚をします。
そのいきさつもまたドキドキものでした。
小説なので、ほとんどフィクションなのでしょうが、登場人物の何と生き生きとしていることか。
面白いのが、親鸞を陰で支えるいぬ丸、小夜夫婦、そして危ない時に疾風のように助けてくれる河原坊浄寛(かわらぼうじょうかん)、ツブテの弥七(やしち)、法螺房弁才(ほうらぼうべんさい)の3人組み、さらに宿敵の大悪人伏見平四郎、さらに美貌の僧侶であり、法然の高弟で後に斬首される安楽房遵西など、何と言っても魅力的な登場人物に、大活劇を見ているような錯覚にとらわれます。
これって、なんで映画化されないの??
大河ドラマになってもいいんじゃない??
とにかく面白いです。
宗教、布教の本ではあありませんので、本当に楽しめます。
なぜ今親鸞なのか、ぜひ一度読んでみてください。
ちなみに今は、本棚の隅っこにあった箒木 蓬生の小説「賞の柩」を読んでいます。
秋の夜長のほんの10分、違う世界の扉を開けてみてはいかがでしょうか?
極北クレイマー 上 (朝日文庫) | |
海堂 尊 | |
朝日新聞出版 |
極北クレイマー 下 (朝日文庫) | |
海堂 尊 | |
朝日新聞出版 |
なかなか面白かったです。
極北のダメダメ病院が、一人の医師の赴任によって、少しづつ変わっていくわけですが、一人一人のキャラクターがなかなか面白くて、あっという間に読めました。
特に、厚生労働省の天下り機関からの、外部調査員の派遣や、調査員の上から目線の態度やそのからくりなどは、介護保険の公表制度や評価機関を連想させるところもあり、皮肉たっぷりで笑えます。
最後が今一つすっきりしない感じなのがちょっと残念ですが、楽な気持ちで楽しめる小説です。
そして、もうすっかりはまってしまったのが五木寛之の「親鸞」です。
親鸞 (上) (五木寛之「親鸞」) | |
五木 寛之 | |
講談社 |
親鸞 (下) (五木寛之「親鸞」) | |
五木 寛之 | |
講談社 |
あまりの面白さに、駐車場に車を止めて読みふけっていました。
時は平安末期、下級貴族だった父親が謎の出奔をし、母もすぐに亡くなってしまいます。
幼い弟たちと、叔父の家に預けられ勉学はさせてえもらえますが、肩身の狭い暮らしをしていました。
しかし、その家の奉公人夫婦に可愛がられ、また当時さげすまれていた川原聖や下人などと親しくなっていきます。
やがて、わずか9歳で当時最高峰だった比叡山に、つてを頼って入山するのです。
そこから、究極の修行に入るのですが、ここでの生活の内容は、私たちの知らない閉鎖された世界の話となり、それこそきれいなお坊さんが高僧の寵愛をうけたり、お山の中にも雲助みたいなお坊さんがいたりと、とても興味深い話も織り交ぜ、息をのむ展開になっていきます。
親鸞は、幼名忠範(ただのり)といいますが、9歳で出家するとともに慈円よりを範宴(はんねん)の名前を頂きます。
その後、山を下りることを決意し、法然に支持します。
この時、綽空(しゃくくう)と改名、さらに35歳の時に念仏弾圧で新潟に流刑になりますが、この時に親鸞と改名することとなりました。
この間、あらゆる陰謀と戦い、自分の道を究めていく中で、これだけの修行僧としては異例の結婚をします。
そのいきさつもまたドキドキものでした。
小説なので、ほとんどフィクションなのでしょうが、登場人物の何と生き生きとしていることか。
面白いのが、親鸞を陰で支えるいぬ丸、小夜夫婦、そして危ない時に疾風のように助けてくれる河原坊浄寛(かわらぼうじょうかん)、ツブテの弥七(やしち)、法螺房弁才(ほうらぼうべんさい)の3人組み、さらに宿敵の大悪人伏見平四郎、さらに美貌の僧侶であり、法然の高弟で後に斬首される安楽房遵西など、何と言っても魅力的な登場人物に、大活劇を見ているような錯覚にとらわれます。
これって、なんで映画化されないの??
大河ドラマになってもいいんじゃない??
とにかく面白いです。
宗教、布教の本ではあありませんので、本当に楽しめます。
なぜ今親鸞なのか、ぜひ一度読んでみてください。
ちなみに今は、本棚の隅っこにあった箒木 蓬生の小説「賞の柩」を読んでいます。
秋の夜長のほんの10分、違う世界の扉を開けてみてはいかがでしょうか?