こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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ばあばになりました。

2015-02-22 00:31:15 | 家族のこと
2015.2.21 12:18
私は、おばあちゃんと呼ばれる人になりました。

娘が、新たな命を授かり、この世に産まれて来てくれたのです。

3118g 元気な男の子です。

娘も、昨夜からよく頑張って、ちょっと頼りないけれどお母さんになりました。
娘の夫が、分娩室から出てきて、私の顔を見るなり泣きました。
しばらく声にならなくて、お父さんとしての万感の思いがあったのでしょうね。

私の娘は、随分と苦しい思春期を過ごしました。

私は、見ている他なくて、いつもオロオロとするばかりで、娘に何もしてやれなかったような気がします。
それでも、少しづつ、少しづつ自分の中で修復をして、咀嚼して、積み木を一つずつ積み上げるように大人になって行きました。

そんな娘が今、お母さんになりました。

最近は、仕事で忙しい私の代わりに、随分と家事を手伝ってくれたり、犬の散歩をしてくれたりと、大きなお腹で助けてくれて、私も楽をしていました。

退院後は、しばらくうちにいますので、さてどんなことになるのやら。

我が家には、愛犬と生まれたての赤ちゃんがいるなんて、もう仕事なんてしている場合じゃないかも・・。

でも、それは無理な話なので、お仕事はちゃんとしますよ。

元気をたくさんもらって、その分頑張ろうと思います。

長い年月、いろんなことがあるなぁ・・と思います。

随分苦しいいこともあったし、今でももちろんそれはあるけど、ちゃんと幸せもあるんだなぁ・・って実感しました。

愛犬うららと孫を連れて、早く広場に遊びに行きたいなぁ。

在宅の褥瘡について、あれこれ考える。その2

2015-02-14 23:53:39 | 訪問看護、緩和ケア
明日書くといったからには書かねばなりません。
今日は、夕方から3時間半に及び防災の初動シュミレーションを区役所でやっていて、これもなかなか考えさせらてたのですすが、今日はやはり在宅褥瘡の続きです。

うちはラッキーなことに、開所当時から素敵な腕のいい皮膚科医と連携できていて、この18年相当数の在宅の褥瘡患者さんを治癒の方向に持っていくことができました。
とはいえ、どうにもならない終末期の褥瘡や、在宅での限界例などもありました。

また、いろいろな患者さんの褥瘡と向き合う中で、主治医や皮膚科医の同意や協力もあって、随分といろんなことを試させてもらったし、新たに導入させてもらったものも多くて、本当にありがたい環境にあったと思います。

在宅の褥瘡で一番多いのは、仙骨部で、ついで大転子部、踵、腸骨部あたりに多く見られるようです。

ではなぜ仙骨部が多いかといえば、上向きで寝ていた時に、一番体重が係る部分だからです。そこに、おむつを使用していると、便や尿で汚染されますし、そのおむつをなかなか変えられなければ蒸れとかぶれであっという間に褥瘡となります。
一般的には、ここで「体位交換をしましょう。おむつ交換を豆にしましょう。」になるのですが、ここで体を引きずったり、おむつを無理やり引き抜いていたりすると、良くなるどころか、褥瘡の周囲の皮膚の下に断裂が起こって、ポケットと呼ばれる状態になります。

この原因であるズレや圧迫、湿潤環境をそのままにしていくら外科処置をしても、どんどん褥瘡が拡大していき、どんどんポケットが広がっていくわけです。

ですから、布団の人はベットにして高機能タイプのエアマットを導入したり、ポジショニングを工夫したり、入浴や洗浄などで皮膚の清浄を図ったり、おむつ交換を頑張ってもらったりと、一つ一つ環境因子を改善方向に持っていきます。

ですが、これがうまく行く人ばかりとは限らないのが在宅です。

介護者の状況によっては、1日に1回しかおむつ交換していなかったとか、数日に1回しかしていなかった人もいて、びっくりしたりします。

いくらデブリをしてお薬を塗っても、そのガーゼの上からおしっこやうんちが付いたままになれば、そりゃあ屎尿便パックにしかならないので、良くなるわけもありません。

ここ近年、ガーゼの弊害も一般的に知られることになり、各社競って褥瘡用のドレッシング材が出されていて、しかもちゃんと保険適応にもなっていますから、ケースバイケースでそういうものをチョイスしていければ、より治癒の促進になるとは思うのです。

よく褥瘡ができて病院を受診すると、不良肉芽の浸軟させるためにゲーベンクリームが出されます。これを不良肉芽の上にたっぷり塗って、柔らかくなった汚い組織を少しづつ落としていく薬で、入院中とか入所中でよく管理できる場所ではとっても効果的だとは思うのですが、この薬はブロメラインなどと同じで健常な皮膚に炎症を起こすことも知られています。ですから、たっぷりゲーベンを塗ったガーゼを仙骨部に絆創膏でビッタリ貼って、おむつ交換が少ない環境で置くと、ガーゼと薬と浸出液と尿でパックされた褥瘡の周囲が真っ赤にかぶれたりするのです。
さらに、この状態で上手に体位交換が出来なかったり、ベットのギャッチアップ、ダウンを繰り返すと、皮下が剪断され7ポケットも形成されます。

こういう褥瘡は浸出液も多いので、ビッチャビっちゃになりますが、これはこれでしょうがないわけで、ここにガーゼを厚く乗せるとガーゼが浸出液を吸う代わりに傷がドライになる傾向になり、さらにガーゼの厚さが圧迫の原因になり、ガーゼの部分が血流障害を起こしたり、ガーゼの繊維で傷をつけたりすることもあります。
これは、デュオアクティブなどの創傷被覆材でも起きることがって、そのドレッシング材の形に圧迫痕が残ることをよく見ます。

浸出液の多いデブリ後の褥瘡などは、吸水性の高いユーパスタとかが、結構良いような気がします。ただ、ユーパスタはやはり傷をドライ傾向にするので注意は必要だと思います。
抗菌効果でいえば、ユーパスタよりヨードコートとかカデックスなどのほうが徐放効果で殺菌力は継続するそうです。
他にもいろいろあるのですが、どれを使うかは主治医が決めるわけですから、それを使うしか私たちは方法がないわけです。
ただ、その環境や介護力、家族関係などの背景からチョイスしてもらえないとよくはならないし、時間が長引くだけだということです。

また、高齢者は栄養状態もあまりよくないですし、病的骨突出や介護状況の差が大きいので、長い目で見ていくことも必要だと思います。
浸出液は多くて当たり前で、徐々に収まっていくし、デブリをしてもスラフはできるわけで、無理に急いで取らなくても、必要な処置をしていれば、ちゃんと綺麗になってくるわけで、いじりすぎるのもかえって良くないと思うのですが、どうなんでしょうね。

そういえば、先日のセミナーで「最近褥瘡などの創傷に入浴や足浴をしてはいけない、と言われることが多くなったけれど、経験的にはよくなった人はいても悪くなった人はいないので、どうなんでしょうか?」と質問してみました。
この日の講師である形成外科の先生は「僕も悪くなった人は見たことがない。よほどの場合以外、入浴や足浴は効果的だと思うし、どんどんやっていいと思います。」と言われました。
一体何が本当かはわからないけれど、骨や体腔に達するような褥瘡以外は、綺麗な環境できちんと入浴なり足浴をして、ちゃんと泡立てた石鹸でよく洗い、シャワーできっちり流してから処置をしたいな・・と思います。(これも主治医しだいですが)

これはあくまで私が思ったことなので、実際はそれぞれケースバイケースでちゃんと分析、評価してみてくださいね。

在宅の褥瘡について、あれこれ考える。その1

2015-02-13 01:01:34 | 訪問看護、緩和ケア
本当に、お久しぶりです。
最後に更新してから、なんと2ヶ月も経ってしまいました。
いろんなことがありすぎて、PC開くこともできず、いろんなこと書きたいのに、伝えたいのに、結局そこから逃げてしまう毎日です。
今日は、久しぶりにパソコン開いたので、最近思うこと書こうと思います。

褥瘡のこと、いろいろ考える機会がありました。

神奈川県在宅皮膚科勉強会が主催する在宅褥瘡研究会には、毎回声をかけていただいて、本当に勉強させていただいています。
去年の秋の時だったと思うのですが、講演のなかで平成26年の診療報酬改訂の在宅患者訪問褥瘡管理指導料についての説明がありました。
簡単に言うと、在宅褥瘡チームによる在宅での褥瘡治療が行われた場合は、所定の計画に乗っとて行うと管理料を加算できるよ、というものです。
ただし、このチームは他職種であること、専門の医師がいること、そして在宅褥瘡管理に係る専門的知識・技術を有する褥瘡管理者がいることが義務付けられています。
この褥瘡管理者は、認定看護師はもちろんですが、日本褥瘡学会のセミナーを受講し、d2以上の褥瘡の症例報告を5例提出して審査を通過した医師または看護師のことです。
この時の講師の先生から、ぜひ皆さんとってくださいと言われ、すぐにその気になりました。
実際、管理者になったとして、この算定基準を満たすチームができるかどうかはわかりませんが、自分がこの地域で褥瘡管理者として在宅の褥瘡に向き合っていきたいという衝動に駆られたわけです。(そう、私は褥瘡を見ると治したい!病になるんです。)

そんなわけで、1月に新宿で開かれた日本褥瘡学会の在宅褥瘡セミナーに早速参加して、つい昨日郵便局から5症例と申請書類を投函してきました。結果は、まだ先の話ですが、おかげでしっかり復習したり、いろんな情報を知ることができました。

褥瘡と一口に行っても、病院や施設で管理する褥瘡と、在宅の個別の環境や家族背景に大きく左右される褥瘡管理とでは、本当に月とすっぽんくらい違うわけです。

褥瘡だから絶対治すのかといえばそうではなく、現在の病状や家族の意思、予後など含めて「治すことにとらわれない」褥瘡もあるので、最初にそこをある程度見極めないと、医療者だけが空回りすることにもなります。

患者さんやその家族が何を求めるのかにもよるのです。

とはいえ、基本私たちはなんとか治そうとします。
ここには、やはり在宅患者をとりまくチームプレイが重要になります。
これがうまくいかないと、褥瘡もちゃんと治ってくれません。

正直、褥瘡は環境に起因するものが大きくて、介護力や介護知識、介護環境が整わなければ、どんなにいい薬を上からぺたぺた塗っても良くなりませんから、これはもう私たち訪問看護師やケアマネ、ヘルパー、訪問入浴のスタッフなどの力が絶対的に大きいわけです。
なので、褥瘡の治療をする医師との間に信頼関係がないと、なかなか円滑に治療が進みません。

褥瘡を治療するにあたっては、まずその在宅の環境をアセスメントして、その原因を知ることから始まります。
これには、ブレーデンスケールとか、OHスケールとか、在宅版K式スケール、褥瘡危険因子評価表などがあって、点数化していくことで定期的に評価していくわけです。
そして褥瘡そのものを評価するものにDESIGNがあります。
重症度分類と、経過表とがあって、最近では経過表はDESIGN-Rで評価しています。

面倒くさいのですが、これらをちゃんとつけながら、写真もとって管理していくと、いろんなものがちゃんと見えてきますし、あとて振り返った時に、なるほどよくわかります。

なんか、ごちゃごちゃ面倒な話ばかりですが、ここから私が言いたいことなのです。
でも・・、もう真夜中丑三つ時になってしまったので、続きは明日ということで、ごめんなさい。