こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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緩和ケア 支えることの難しさ。

2009-08-31 23:07:52 | 訪問看護、緩和ケア
一言に、患者さんの支えになるとか、傾聴するとか言うけれど、じゃあ実際どうするんだと聞かれたら、答えられる人は、すごく少ないと思います。

いくら対話ケアを勉強しても、実際の会話になれば、反覆なんてどっかに飛んで行っちゃたりして、的外れな言葉がでちゃったり、自分の期待する言葉の誘導になっちゃったりして、結局は思いの半分も受け止められないし、伝わらない・・

そんなジレンマが、いつもついて回ります。


患者さんのお母様からの電話がありました。

病気の娘とかかわることの苦しさ、切なさ、どうしようもない不安、なすすべもなく、見ていることの恐怖・・・
苦しんでいる家族に、向き合えない自分のふがいなさ、それでも逃避したくなる弱い心。

いろんな思いを、たくさん話してくれました。

答えることの、言葉一つ一つを考えて、嘘であったえはいけないと、ただの慰めであってはいけないと、何か力にならないかと、選んだつもりの会話でした。

でも、受話器を置いたあと、忘れないように会話記録として、だいたいを記録していくうちに、やっぱりちゃんとわかっていないことにきずかされます。

後で、小澤先生に報告のため、会話記録を持参。

私から先に行ってはいけない言葉「辛いね、苦しいね」
これは、相手が言ったら、初めてそれを受けて言う言葉。
改めて、指摘されちゃいました。とほほ・・・

先導するような言葉は、言わないこと。
基本ですよね。何年やっているんだか・・・

でも、でも、どんない苦しいだろうかと、辛いだろうかと思ってしまいます。
それがつい口をついてしまいます。
感情移入が激しい私のいいところでもあり、欠点でもあります。


でも、私は私なので、ある程度は私なりでもいいのかな、とも思ったりして・・

だってこんな私に、苦しい胸の内を電話して来てくれるんだから。

でも、会話記録を書くことで、担当看護師も先生も、一緒に何が解決すべき問題なのかがはっきりしてきます。

どんなふうに、誰の負担を軽減するか。
どうしたら、本人の希望がかなうのか。
家族の思いは、本人の思いはどこにあるのか・・

私は、相手にはなりえない。
でも、わかりたいと思うし、わかってほしいとも思う。

難しいですよね。
誰かの力になろうなんて、おこがましい話なのかもしれないけれど、それでもいないよりは、いたほうがいい人でありたいと思います。


日本が変われるかな?

2009-08-30 22:08:52 | 日々のあれこれ
今日は、選挙当日。

朝から夫と二人で、投票にいってきました。
今回は期日前投票が多かったとのことで、けっこうすいていました。
この混沌としたご時世、貧富の差はどんどん激しくなり、先の見えない情勢の中で、さぞや投票率は上がるかと思いきや、以外に選挙行かない人も多いと聞いて、なんだかがっかりしてしまいました。

まったく政治に興味もなく、社会人としての意識もない人たちがたくさんいれば、政治家や官僚が何をやっても気にもしないんでしょうね。

それじゃあ、日本はどこ行っちゃうんでしょうか…。

だいたい、いろんな宗教団体まで大騒ぎをしていますが、何で宗教が政治に参入するのか・・・税金も払ってない団体がなんで参加するの?

民主党を全面的に信頼しているわけではないけれど、とにかく今の日本をとにかく変えてもらわないといけないので、不安ながらも一票投じた国民の期待を裏切らないでほしいものです。

お金をばらまくのは、ちょっと考えながら、「天下り」「渡り」や、その受け皿の箱もの作りは、一掃してほしいと思います。

小学生よりお金かかるのは、進学してからだし、高速道路が渋滞するより、今の半額にしてくれるほうがありがたいし・・
あんまり、度を過ぎても国民は喜ばないと思うんですが・・

ぁ今、小泉新次郎君は受かりました。
でも、彼はいい目をしているので、お父さんを見習わず、いい政治家になってほしいなと思っています。

とりあえず、やっしーガンバレ~!!

あと、珍獣ハンター井本 すごいですね~。

根性!もそうだけど、やっぱり並はずれた体力と運動神経がなければ無理。

ああいう元気が、今の日本に不足してるんだな~と思います。
時間に間に合わず、あとでちょこっとしかやらなくて可哀そうでした。
日にちが悪いよね。政権交代の日なんて。
だけど、やっぱり頑張っている人を見ると、元気が出ます。

「自分に出来ることを、精いっぱいやる」

だれか一人でもいいから、自分が頑張っていることで、元気になってくれたらいいですよね。
みんなに、努力とと逃げない勇気を見せてくれた「いもっちゃん」は、やっぱりえらい!!

奇しくも、政権交代の日というとこで、日本の未来に少し光がさしたような気がします。

あ!!やっしー勝ちました!

民主党のお手並み拝見というところです。



介入困難

2009-08-29 16:09:32 | 訪問看護、緩和ケア
うちのステーションは、訪問看護のほかに、居宅支援(ケアマネ)と、ささやかながらヘルパー事業所も併設しています。

ここで13年もやっているので、口コミなんかでもいろんな相談が来ます。
でも、全部が全部うまくいくわけではなく、かなり問題があっても当の本人、もしくはその家族がすべてをシャットアウトしてしまうケースもあります。

ケアプラザからうちにきたUナースいわく「、ケアプラザでは、ただ働きは日常茶飯事ですよ。」とのことだから、頻度としてはいいほうなのかもしれませんが・・・

は~・・・

困ったときだけ、「今すぐ助けて!なんとかして!お宅に電話すれば助けてくれるって、近所の人から聞いたから!」って。

聴けば、老老で病気を抱えた夫を介護中に、自分もぎっくり腰で動けなくなり、もう何日も近所の人の世話になっているとのこと。
それじゃあ大変だからと、うちのケアマネが何度も足を運び、代行申請をし、前倒しでヘルパーを入れやっと一息着いた頃・・・

なんとか自分のことはできるまでに回復したと思ったら「まったく、介護保険がこんなに面倒なことだとは思わなかった。お金もかかるし、もういいわ。」って・・

さらに、まったく連絡をよこさなかった息子が登場。
「もういいからさー、ヘルパーも要らない。お金かかるし。こっちで病院に相談しておやじのことも何とかするから全部切って。けあまね?いいよ、知り合いにいるから。」って、迷惑そうに。

だったら、最初から知り合いに頼めよ!
親をちゃんとみろよ!
近所の人に迷惑かけて、挙句親に「たすけてー!」とか言わせるなよ!
と、言いたい言葉を飲み込んで。

「お父さん、かなり弱っていますよ。
転倒繰り返しているし、病気も悪化しているし、うちじゃなくていいから、とにかく看護師さんにも来てもらってくださいね。」
ケアマネが何度か言いましたが、「ふんふん」と気のない返事で終わったそうです。

結局介護度も出ていなうちに、動かされるだけ動かされて、なんとかヘルパーの給付だけはとれるものの、ケアマネとしてはほとんどボランティアです。

こんなことが、ケアマネでも訪問看護でも年に数回はあります。

心配なのは、状態が悪化しているおじいさんですが、もう、私たちになすすべはありません。
ご家族が、病院に連れてい行ってくれるのを祈るだけです。
一応、こういうケースはネグレクトが心配されるので、ケアプラザと高齢担当には報告しておきますが・・・。

権利ばかりを振りかざして、人としての義務や常識は棚に上げてしまう。

そんな人たちも少なからずいるのは、致し方のないことでしょうが・・
モンスターペーシェントに困っている病院も多いと聴きますが、それでも「たすけて」と言われれば、私達は動きます。

でも、「それも人生経験、勉強になったね。」って言いながら納得するしかないんだろうな~。

でも、でも、そんな人たちばかりじゃない!
最初は、人が入ることをかたくなに拒んでいた人が、ちょとしたことがきっかけで、少しずつ心を開いてくれて、今では必要なサービスをうけて、ご夫婦で穏やかに楽しく過ごしているかたもいる。
安心しているよ」と言ってくださる、たくさんの利用者さんがいる。

まあしうがないかな。
それでも「助けてくれる」場所として、地域に根差しているのだとしたら、それも私たちの役割なんだろうし。

それにしても、ペーパーだっだケアマネ業務を、一生懸命こなしている彼女。
3月から始めて半年・・。
なんだかんだ言いながら、よくやってくれています。
嫌にならない適度に、頑張ってほしいと思っています。



訪問看護師募集中ですが・・・

2009-08-28 23:38:59 | 訪問看護、緩和ケア
ひえ~
忙しくなってきました。

訪問看護は波があって、寄せては返す波の如しです。
忙しくなると一挙にこれでもかと御依頼があったり、退院されたり、訪問回数が増えたりします。

また逆も言えるのですが、今は寄せてきていて、かなり厳しくなっています。
特に8月9月は、みんなでお休みを融通しあうので、ますます勤務表がごちゃごちゃになって・・・

特に、月、金はみんなびっしり患者さんが入っていて、今日も勤務表を前に、ガマの油よろしく油汗をたらして眺めていました。
でも、いくら眺めたって隙間ができるわけもなく、取れるところは自分が取って、
取れないところは、なんとか入れ替えをお願いして、やっと新患さんの担当を決めました。

このままでは、病欠が出たり、緊急に訪問増えた場合困ってしまうので、やっぱり人手が欲しいところです。

緊急電話も持ってくれて、将来常勤でもいいよ!とかいう人、来てくれないかな~。
(でもそんな贅沢言ってられないし、週3日くらいからでもいいんだけど・・・)

ホームページや、前回のテレビ放映なんかで、数人増えた経緯はあるものの、せめてあと一人か二人は欲しいんです。

やる気があって、笑顔があって、ハートが熱い看護師さん。

うちのステーション、楽しいですよ。
最近入った人たちも、もう10年位いるような顔してサクサク働いてますし
おいしいものもいっぱいあります。
みんなやさしいし、おもしろいですよー。
ホ・ホ・ほーたるこい

隠れてないで、一緒に訪問看護やってみませんか??

隠れている人いたら、ぜひご一報くださいませ。

AED設置

2009-08-27 23:15:32 | 訪問看護、緩和ケア
うちは、医師会立の訪問看護ステーションで、土日は休日急患診療所、平日は私たちが使っています。

以前は休日診療所も、人があふれかえるほど混んでいましたが、最近は休日にやっているクリニックが増えたこともあって、患者さんはだいぶ減っているようです。

とはいえ、人が集まるところだし、医療機関でもあるので、やっとのこと「AED」が設置されることになりました。

AEDは安くても30万前後のもので、ケースは更に別売りで7万とか10万とかするそうです。(うちは、ケース買えませんでした。)
今日は、業者さんが来て、その取り扱いを説明されました。



いろいろ、メディカルセンターの人がリサーチして、これが一番安かったそうです。
高い奴は、EKGモニターもあるようですが、これは安いのでモニターはありません。
バッテリーは4年期限で、300回使用できるとのこと。
ただし、胸にはる電極は使い捨てで、メーカーにより1万円から2万円前後とのことでした。
じゃあ使ったら誰が払うのか?
というと、設置した側の負担になるそうです。
まあ、だいたい公共に近いところが設置しているので、問題ないのでしょうが・・・

手の空いている人と、休日診療所のひとで、取扱い方法の説明を受けました。
練習用の機械です。
除細動が必要かどうかは、機械が判定してくれますが、1回作動するとしばらくは人が心肺蘇生をします。
その時この機種は心マッサージのリズもを刻み、人工呼吸のタイミングも音声誘導してくれます。
10分ほど蘇生しても戻らない場合は、再度機械が判断して再チャージが始まるそうです。
かしこいですねー。
これなら、誰でも扱えそうです。
成人で150ジュール、25キロ以下だとそれ以下になります。

これで助かる人がダントツ増えているとか・・・

あの松村もそうですよね~

私たちも、ちょっと安心しました。

何から手をつければいいのやら・・・

2009-08-26 22:32:34 | 訪問看護、緩和ケア
毎日、いろんな事がありすぎて、昨日は歯医者さんの予約をすっかり忘れてしまった・・・

インフルエンザも、すぐそこまで迫っていて、徳用マスクを手に入れるのも大変ですよね。
以前買った、防塵マスクは、まるで鳥のくちばしみたいで、ちょっと抵抗があり、スタッフは使ってくれません・・・。
あんまり鳥みたいだから、つい色を塗ってみました。写真ではよくわからないかもしれませんが、ペリカン風に塗ってみました。
最近ちょっと(かなり?)壊れているので、こんなことを合間にしていますが、決して暇なわけじゃないんです。
                

新患さんに行って、担当者会議に出て、認定審査会に出て、そのまま皮膚科の往診3件に行って、薬をもらって帰ってきたら、ドクターと患者さんとのトラブルが待っていて、それが解決したときには、頭真っ白でした。

でもまあ、こんな毎日でも頑張って送れることを感謝しないといけないな、と。
私の役割をきちんとこなさないと、せっかく生きているんだから。
なんか、不平不満ばかり言って、人の悪口を言ったり、隣の芝生をうらやましがることはしたくないなと、この年にしてすごく思うようになりました。

私はこの仕事が天職だとおもうし、だからこそ出来る何かをやらないといけないんじゃないかと・・・。
それがどういう形にせよ、誰かの力になりたいし、問題を発信し続けないといけない。

だから、AERAの取材にせよ、NHKの取材にせよ、これは一つのチャンスだと思っている。
自分に出来ることの一つ。
現場でしかわからない不条理を、ちゃんと伝えたいなとおもう。
でっかいスケールでは考えられなくても、一番近くにいる私たちだから伝えられることがあると。

今日、いずみの皮膚科の増田先生とも話していたけれど、やっぱりどんな形にせよ、苦しんでいる人たちがたくさんいることを、ちゃんと知ってもらわないとはじまらないと思う。

今日は、二人の患者さんのご家族が、取材を了解してくれた。
みんな、訴えたいんだと思う。
でも、なすすべがないだけ。
うまく伝えられる方法はなにか、みんなが救われる方法はないか。
問題提議だけしか、出来ないかもしれないけれど、伝えなければ始まらないし、人材育成にしても、興味を持ってもらわなければ始まらないんじゃないかな。

どうなっていくのかな、日本。             





在宅医療をどう伝えるか?

2009-08-25 22:34:02 | 訪問看護、緩和ケア
訪問看護振興財団を通して、NHKの取材があった。

在院日数が短縮され、在宅へと押し出される人々、さらに政権交代の叫ばれる今、それぞれの政党のマニフェストにも、医療制度改革という言葉が繰り返されている。

では、現実問題で在宅療養の問題はどこにあるのか、あまたある問題の中から、どこにフォーカスを当てるのか。

最低限度の年金と老老介護で、生活保護の対象にも、特定疾患の対象にもならない人々の苦しい現実。
さらに、介護保険や重度障害の対象外の、若い末期癌の患者さんの抱える問題など、いくつかの問題提議をした。

社会のひずみの中で、在宅療養を受けたくても、経済的な理由でサービスを思うように受けられない。

だからと言って、医療や介護の報酬をこれ以上引き下げれば、現場を支える人員が不足してしまう。

その、悪循環をどう対処するのか・・・

私だけの取材では、持っているものはたかが知れているので、めぐみ在宅の小澤先生のところにお連れした。(突撃訪問でしたが・・)

小澤先生の意見は、
「もっと大きな視野でみなくてはいけない。すべての根源は、社会を支える人材を育てることである。」ということでした。
人が育てば、おのずと問題は解決されると・・・
でも、たった今、現実問題苦しくても、痛くても、病院にもかかれない人たちがいることも事実。

「もちろん、広い視野で、もっと具体的に社会が納得する方法を提示できればいいけれど、そんなことは今の段階では無理。でもこういう現実があることを、知ってもらう必要があるのでは。」と私も反論しました。

しかし、情報の伝え方を間違えると、とんでもないことになると先生。
「お金を払えない人がいるなら、診療報酬や介護報酬を下げろ」という、短絡的な発想になる可能性も示唆。

以前、NHKスペシャルの「最後の願いをかなえたい」の制作には半年近い準備期間があったように思えるけれど、今回は2か月もない様子。

50分番組を作るとのことだけれど、「どこにフォーカスをあてるのか?」そう小澤先生につめよられて、ディレクターも考え込んでいました。

なんだか、混乱させてしまったのかな・・・と不安がよぎる。
(天下のNHK、責任が重いですよね。)

実際のケースをご紹介できるかも不安。
みんな、家の中をさらけ出すには抵抗がある。
まして、病気や経済的なこと、「武士は食わねど、高楊枝」の時代の方々には屈辱的な話かもしれない。

でも、今伝えないと、忘れ去られてしまう。
どうするのかな?どうにかしないと。
うーん、難しい話になってしまった。



さようなら、先生。

2009-08-24 22:45:26 | 訪問看護、緩和ケア
長年この地域で、町のお医者さんをされていた、N先生が亡くなられました。
このステーションの立ち上げの時から、とても大切にして下さった先生です。

「なかよくしなさいね。」「元気で頑張ってくださいね。」

以前はよく、お顔を見せに来てくれました。

「長生きの8カ条」とか「古武術の介護法」とかの紙を届けてくれたり、季節の果物をわざわざ持ってきて下さったり・・

いつも穏やかで、会議でも看護師の立場を、いつも守ろうとしてくれました。

「生涯現役」
そう言って、87歳の今までお医者さんをやっていました。

一週間前まで、診療をしていて、具合が悪くて病院へ行く日の朝まで、自分の患者さんの処置をしていました。

ご家族が、どんなに引退を勧めても、入院をすすめても「患者さんが待っているから」と言うことを聞かなかったそうです。

それでも、自分の最後を分かっていたのか、自分の葬儀のことから、連絡先、電話番号、手はずなど全部書きのしてあったそうです。

前任の管理者は、ずっと父のように尊敬していましたので、辛そうでした。

同じ年代のY先生が、「みんないなくなっちゃうね・・・」寂しそうにつぶやきます。

前理事長H先生と、N先生の親友のY先生、私と前任の管理者上原さんの4人で出棺を見送った時、
上原さんがH先生に「先生、絶対死んじゃいやですからね!」腕を揺さぶって言いました。
「そうです!絶対死なないでくださいね!」私も言いました。
ステーションの危機を救ってくれた先生たちです。
涙がぽろぽろこぼれました。

H先生は、一時はメディアでも騒がれた病院の元理事長です。
国のシステムに問題はあっても、H先生は頑張っていたのに・・
全部自分が責任を取って、辞職された立派な先生です。
本当に大変な時代を生き抜き、夜中もいとわず医師としての使命を全うされた先生たち。
今は、ビル診療で時間がきたらさっさといなくなっちゃう先生が多い中、本当のお医者さんがまた一人、いなくなってしまった・・・

N先生。
いつも温かく見守って下さいました。
いろんな役員を、人の嫌がる仕事を、率先してこつこつとされてきました。
ご家族を愛していました。
このステーションも愛していました。
長い間本当にありがとうございました。
どうぞ、やすらかに、お眠り下さい。

三ツ境南公園にて

2009-08-23 23:37:05 | オキタマ太鼓
        
森に囲まれた南公園で、今日はこの地区のお祭りがありました。
地元の神様も祭られています。

集合すると、先生が中心となって立ち位置などを確認したり、お兄さんたちから注意事項が話されたりします。     
              

中学生は、太鼓の積み下ろしをはじめ、絞め太鼓の準備を積極的にしなければいけません。   

今日の演目は、お兄さん3人による鼓童オリジナルの「千里馬(ちょんりま)」から始まりました。
馬が草原を走り回る所をイメージした、すごい早い太鼓の掛け合いです。
お兄さんたちが、全身の筋肉を使って演奏しました。

その後は、「彩」「豊年」「ぶち合わせ」「族」と続きました。

演奏の後は、ジュースやかき氷券をご褒美に頂きました。
お兄さんたちも、ちゃんと礼を尽くします。

中3娘たちも、ほっと一息・・・

近所のおばあさんやおじいさんが、近寄ってきては声をかけてくれます。
「いいね~。血が騒ぐね~」「今度はどこでやるの?」
私まで、うれしくなってしまいます。

来週は、東野幼稚園の夕涼み会で叩くようです。

蝉しぐれのなか、まもなく終わる夏休みを惜しむように、涼しい風が吹いていました。
                        

退院前訪問で。その2

2009-08-22 15:01:19 | 訪問看護、緩和ケア
いろんな病院へ退院前訪問に行きますが、時々びっくりすることがあります。

昨日は、うちからお願いしたケアマネさんと一緒にある病院へ退院前訪問に行きました。
主治医から、「すでに治療は終了し、今後は療養型やホスピスなどの転院を考えるか、在宅での療養を選ぶか、もし在宅を希望するのであれば、往診医と訪問看護が必要である」と言われ、在宅を選ばれた患者さんです。

いつも、とてもよく連携を取ってくれる病院でしたので、特に問題もなく、ソーシャルワーカーさんと、患者様ご家族と退院調整のお話をしていました。

当日の担当看護師も同席しましたが、ほとんど言葉はなく、聞いたことだけ困ったような顔をして、ぼそぼそと答えていたのはちょっと気になりましたが・・・

ところが、途中で師長さんが登場し、担当ナースは行ってしまいました。
そして、師長さんが言ったのです。

「ちょっといいですか?私、訪問看護は入る必要あると思うんです。
ポートが入っているし。
でも、なぜ在宅の先生が入る必要があるのかわからないんですが。
先生も、わからないようでしたが、どうしてそうなったんですか?
まだ、通院できますよね。先生から、通院日を言われると思いますよ。
それなら、在宅医はいらないんじゃあないですか?」

「?」話は通ってなかったの?
ソーシャルワーカーさんは固まってます。


終末期の患者さんが、ポートを付け在宅IVHをしながら療養する。

なぜ、在宅往診医が必要ないのか、こちらが聞きたい。

具合が悪いからと言って、すぐに病院来て下さいって、毎回往復すろことが、末期のましてご高齢の患者さんにどれほど負担があるか、ご家族に負担があるか。

「疼痛コントロールのことでしたら、とても上手に苦痛をとってくださる先生ですから、普段の通院も必要ないと思いますが。
もし、入院のご希望があれば、先生が直接病院の先生とご連絡を取ってくださると思いますよ。」

でも、納得がいかない様子。
「まだ、今の状態なら通院できますよね。それでいいんじゃあないですか?」

何度も「師長さん」に説明しているうちに、とうとうご家族の方が、「これは先生から二つ出された選択肢のうちの一つなんです。先生から往診医と訪問看護を勧められました。
最後は病院にお願いするかもしれませんが、それまでは、在宅で見たいと思っています」とはっきり言われ、「ああ、そうなんですか。先生はそんな風には言ってなかったような・・」
「じゃあ、退院後は全部その先生が、やってくれるんですね!退院時処方や、ルートはいいんですね」
「いえ、とりあえずの分は持たせて下さい」
なんか、すごく好戦的な話し方。
みんな、氷ついたように固まっていました。

後で聞いたら、癌専門看護師をとって、師長になったばかりとか・・・

申し訳ないけれど、なにを勉強されてきたのやら・・・

地域連携や、在宅緩和ケア、患者さんやご家族の不安や、負担の軽減などは教えてくれないんでしょうか?
もろに病院内の連携や方針の違いを、ご家族に暴露したようなものです。
あんな調子で、スタッフに接していたら、スタッフも何にも言えないかも。

主治医の先生はまだ若く、そのへんの方針を看護師にうまく伝えられなかったのか。
ご家族から「先生が全部そのご紹介もしてくださるのかと思っていたら、いつの間にか相談室の方が全部動いてくれるようになりました。そこの連携が、私たち家族にはちょっと疑問だったのです・・」と、本音をポロリ。

かわいそうなソーシャルワーカーさんは、ずっと謝ってくださいましたが、本当に御苦労さまでした。

肩書きや理論もいいけど、自分の身に置き換えて考えることができなければ、緩和ケアどころか、日常のケアも難しいんじゃあないでしょうか。



110番はしちゃだめなの!?

2009-08-22 10:55:22 | 日々のあれこれ
昨夜は、PCを前に、いつのまにか爆睡してしまい更新できなかった・・・
まだ実は眠いんですよ~。それはさておき。

昨日うちのスタッフが、朝カンファのあと、こう言いました。

「昨日、○○さんのお宅へ訪問しようとして、車をお降りたら、おばあさんが荷物を両手に持って歩いてきて、急にバタンと倒れたんです。
びっくりして、助け起こしたんだけれど、『誰かが殺しにくる!』とか叫んでまたバタンと倒れる・・で、周りの人も助け起こそうとするんだけど『お前も殺されるぞー!来るな~!触るな~!』と騒ぐので、みんな引いてっちゃって、でも頭を打ちそうになるし危険なので、もう一人居てくれたおじいさんと110番に保護してもらうことにしたんです。

110番に連絡したら、お巡りさんが3人来て、そのうち一人が現場を見て、
「こんなことで110番しないでよ。110番は一日3000件もかかってきて大変なんだよ。この程度の事なら直接瀬谷警察に電話してよ!」

「!?」
「そんなの無理ですよ!瀬谷警察の電話番号なんて知らないし!」
「じゃあ、ノートに書いといて。教えるから!」

そう言って、ノートに所轄の警察署の電話番号を書かされて帰ってきたそうです。

生真面目な彼女は「そういうわけで、皆さんそういうことに遭遇したら110番ではなくこの電話番号にかけてください」と、カンファで告げたわけです。


「なに!それ!おかしいでしょう?人が倒れて困っていて、危険を伴うから、国民の義務として、人として110番に電話したのに、電話するな?
じゃあなんのための110番なのよ!!」

どう思いますか?国民の何人が所轄の警察の電話番号を知っていますか?
彼女は、警察が来るまで、この騒いでひっくり返るおばあさんを保護していて、患者さんの訪問を40分も遅れてしまったんですよ。
朝一番で40分遅れると、その後の患者さんみなさんに迷惑をかけることになるんです。
それでも、ほっておくわけにはいかないでしょう?人として。

その彼女に対して、「御苦労さま」でもなく迷惑そうに「110番するな」
それはないですよね。馬鹿にしてる。

そのあと、あんまり腹が立ったので、もとお巡りさんをしていたケアマネに話しました。
彼は「それはおかしいよ。絶対苦情の電話を入れたほうがいい!何バカなこと言ってんだか。言わなきゃだめだよ!」とのこと。

その後医師会長にも電話、「そんなバカな話はない。どういうつもりでそういうことを言っているのか、はっきりさせて!」との後押し。

まず、110番に電話、事の顛末を話しました。
110番の方いわく、「それは所轄の警官が到着してから言ったんですね。それでは110番のものではなく、所轄の警官が言ったんだと思いますので、所轄のほうに言って頂ければ・・・うちのものではないので。電話番号わかりますか?」

ええ、ええ、スタッフがメモまで取らされてますから、と言いたいのをこらえて
しばらくしてから所轄の警察へ電話しました。

電話すると、すでに話がいっていて、「大変申し訳ありません。うちの署員が行っていることは間違いありません。本当に申し訳ありません。」と平謝りでした。

でも、何でそんなこと言ったのか?3000件電話が来るからといって、それを善意の市民に言った理由を知りたかったんですが・・

「じゃあ、こういう場合は、110番でいいんですね?」
「はい、結構です。でも自転車の鍵がなくなったとか、別に急がなくてもいい場合はこちらまでご連絡ください」
「うちのスタッフは、それくらいの状況判断はちゃんとできます。」
「はい、すみません。ところで、あの方のその後はご存知ですか?」
「知りません。」
「あのかたの家のすぐ前だったとかで、すぐにおうちの方にお引き渡ししました。特に、認知などもないとのことでした。」

当事者のスタッフに、今の話をすると「エー。家の前じゃないですよ。前の棟の4階かなんかじゃないかって、近所の人が言ってたけど。それに、被害妄想もすごくて誰も近ズけない状況で、「殺すの、殺されるの」って大変でしたよ。近所の人も新聞配達の人も、結局みんな手が出せずに去っていきましたよ」

警察のかた、問題のないおばあさんが、ちょっとけつまずいたくらいで、スタッフが110番を呼んだと判断したんでしょうか?






看護師は手作りが好き!

2009-08-20 22:29:49 | 医療機器・介護用品
             
看護師は、昔からいろいろと工夫して、手作りしたり工作したりするのが、比較的好きな人種だと思っています。

特に昔(20年以上前は、今ほどいろんな便利グッズはなかったので)は、看護研究や、患者さんのためにいろんなモノを手作りしました。

今は一般的に売られている、ジッパー付きのつなぎなんかも、作ってみたりしました。

そういえば、去年胃瘻のストッパーを引っ張ってしまうおばあちゃんがいて、手を拘束するのも嫌だったので、手持ちのつなぎを改造してみました。

 チェックのところを開くと、穴があいていて、そこに胃瘻チューブを縛っておきます。 
とりあえず、根元のストッパーは引っ張らなくなりましたが、つなぎの着脱は意外に難しく、老老介護にはもっと考慮が必要です。
結局この方は、入所されました。

ちょっと見にくいですが、チェックの布はマジックテープでとめられます。


 これは、ウェディングドレスです。

去年、ブログにもちょこっと書きましたが(2008.9.25 最後の願いをかなえたい。)、
私と小澤先生で立会人をして、結婚式をあげた60代の花嫁のドレスです
夫婦二人だけで、寄り添って生きてきた方です。
二人の、最後の願いは、籍を入れることでした。
このため、小澤先生が奔走、本籍、住民票、婚姻届を揃えました。

ドレスは、うちのステーションのヘルパー責任者の若かりし頃のワンピースです。
ベールは、カーテン。花飾りを100均で揃えました。
ステーションから、ケアプラザから花束も届きました。
お父さんは、ポロシャツに、スタッフの持ってきた蝶ネクタイ。


結婚式の次の日行ってみると、表札がお父さんの名前に変わっていて、なんとハートの絵までついていました。
(あの、強面のお父さんが作ったと聞いて、思わず笑ってしまいましたっけ。)
そんな思い出のドレスです。

工作も好きだけど、あるものを使うのも得意です。

陰部洗浄や創の洗浄なんかには、定番のペットボトルや洗剤のボトルですが、そのなかでも、このfroschの空きボトルけっこう使いやすいですよ。

まあ、なんでもいいんですが、なんでも使っちゃいましょう。



夏野菜そうめんデー

2009-08-19 22:31:56 | 訪問看護、緩和ケア
今日は、夏野菜のあったかいツユで頂く、おそうめんの日です。

毎年夏に必ず私が作る賄い食です。

午前中に時間のある日は、時々管理者が賄いを作ります。(前任の管理者も秋田郷土料理をよくつくってくれました。)

  

ナス、シメジは必ず入れて、あとはその時ある夏野菜をいれます。
野菜は、まず油でよく炒め、そして水、ダシ、醤油、めんつゆなどで味をととのえます。(そうめんは、事務方さんにお願いですが・・)
自慢の超短時間料理ですが、毎年リクエストがあります!

薬味にネギ、茗荷、あれば大葉や生姜などを刻み、好みでトッピングします。

たっぷりゆでて、冷たく冷やした素麵を、あったかいおつゆでどうぞ。


ヘルパーさんも、看護師さんも、三々五々訪問から帰ったら、セルフサービスで食べていきます。
たくさんお変わりしてくれると、すごくうれしいです!!

残ったおつゆに、明日すいとんを入れてみようと思います。


午後、裏の手洗い場のプラスティックのトタン屋根に面白い影が映っていました。

   影絵          

どこから来たのか・・・

屋根とトタンの間で、勝手にお昼寝。
尻尾だけが時折パタパタ動いていました。ま、いいか。どうぞごゆっくり。



28回めぐみ在宅緩和ケア研究会

2009-08-18 23:51:36 | めぐみ在宅緩和ケア関連
お盆明けではありますが、今月も緩和ケア研究会がありました。
今回も、ケースのプレゼンのあと、4グループに分かれグループワークを行い、私は、今日もファシリテーターとして、とりまとめを行いました。
  


顔なじみになった人も、初めての人も、みんな積極的に発言してくれました。

緩和ケアを勉強するために、集まった多職種の仲間です。
                  

訪問入浴の方も、ケアマネさんも、介護関係の方も、看護師も、傾聴ボランティアの方も、医学生も、看護学生も・・・

こんな田舎の町だけど、一生懸命在宅を支える人たちがいます。
1円だって出ないけど、みんな夜の時間を割いて勉強しようとしています。

苦しみは何か、支えは何か、どうすれば支えを太くできるか・・

繰り返しのワークと、日々の患者さんとのかかわりの中で、少しずつ導き出されるもの。
積み重ねが、教えてくれるものもあります。

小澤先生が言うように、ここから「本当の在宅緩和ケア」を発信できるようになったらいいなとおもいます。

あきらめないこと。
逃げないこと。
最後まで寄り添うこと。

実際は、困難の連続ですが、素晴らしい出会いも多いいのです。

年とともに、病気をすればなおのこと、いろんな事を考えます。
苦しみのひとかけらでも、共有出来たりもします。

この仕事を続けるのは、苦しくもあり、誇りでもあります。

と書いていたら、たった今緊急電話です。
お別れのようです。今から行ってきます。

在宅IVH(中心静脈栄養) カフティーポンプ

2009-08-17 22:25:33 | 医療機器・介護用品
今日は在宅でよくつかわれる、カフティーポンプのお話をします。


消化管の病気などで、ほとんど口から食事が取れない場合、鎖骨下静脈(最近ではもっといろんな血管を使いますが)という太い血管から、栄養を入れる方法を選ぶことがあります。

最近ではポートといわれる、小さな丸い台のついたチューブを身体の中へ埋め込んで、皮膚の上から丸い部分に針を刺したり抜いたりできるようにして帰ってきます。

チューブの部分が静脈に入り、丸い台は皮膚の下に埋められます。
  特別の曲がった針で、皮膚の上から丸い台を刺して固定します。

針を抜けば、いつでも自由の身です。
以前は、直接血管に管を入れて、糸で縫っていたので、自由に針を抜くことも、お風呂に入ることもできませんでした。

そして、これに繋ぐのは、高カロリー輸液です。
高カロリーなので分子が大きく、腕などの細い血管からは入れられません。

その点滴に輸液のルートを繋ぎ、ポンプにセットして、針に繋ぎます。
 これがルート。
ポンプは、これです。 

この作業は、入院中に練習するものの、ほとんどの方は訪問看護師に依頼されます。
24時間毎日入れている場合は、輸液だけをご家族が交換して、週に1回看護師がルートも交換して、針も差し替えます。
この時、針を抜いている間に入浴したりもします。

ポンプと、輸液はふだん邪魔なので、こんなキャリーバックに入れておけば、どこにでも持って行けます。
 胸元からでたルートを、ボタンホールにひっかけて、キャリーバックを持ってお出かけもできるわけです。

ポンプは、簡単に扱えるようになっていますが、やっぱり使い慣れていないと不安なものです。

空気が、ルートに入るとセンサーがキャッチしてアラームが鳴ります。
チューブが折れていても鳴ります。

わかっていても、アラームが鳴ると結構びっくりして、パニックになったり、触るのが怖くて緊急電話が入ったりします。

でも大丈夫。絶対空気は入らないようになっているので。
ポンプを止めて、調節のクレンメを止めてゆっくり考える、わからなければ電話をすれば問題ありません。

一度ポンプにルートをセットすると、カセット内のストッパーがかかってしまうので、カチットスタンドで、解除しなければならないので、やっぱりこちらで対応するのが無難かもしれません。
でも、機械に強い人は、どんどん操作できます。

針を抜いてしばらくポートを使わないときは、以前はヘパリンを注入しましたが、外国製品の感染事故があった後は、生理食塩水を使っています。

こういう機械も、なれてしまえばほとんど問題なく使えるようになります。

後は、感染に注意ですね。
あまり抜いたり刺したりが頻回だと、感染のリスクが高くなります。
在宅だと、週の半分だけ使って、あとは自由の身で過ごす方もいて、必然的に差し替えの機会は多くなります。

なので、発熱や刺入部の消毒、観察はとても重要です。

針を刺すとき、すごく痛がる方もいて、そういう時は表面麻酔のパッチなど使ってみたりしますが・・・。(そう、水いぼを取る時のパッチです・)

効果は、人それぞれですかねー・・・。