こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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調子がいまいちで・・(^_^;)

2013-02-28 23:55:05 | 日々のあれこれ
インフルエンザ以降、全く咳がとれなくて、またああの咳喘息地獄に落ちた感じで困っています。

今日、お薬を増やしてもらったので、何とか早く治るといいのですが・・

風邪でもないのに、患者さんの所で咳が止まらなくなると、言いわけするのもなんだか気が引けて、冷や汗ものです。

そんなわけで、昨日も今日もブログを更新する気力が萎えています。

うちは、お爺さん、母、従兄、姪っ子、娘と喘息家系で、お爺さんも母もそれがもとで亡くなっています。
母の妹も肺気腫を患っていますし、どうもこれから先が思いやられます。

そんななか、昨日夫の単身赴任が急に決まり、なんだか我が家は落ち着きません。
ずっと近隣で済ませてきたので、流石に今回は断れなかったようです。
とはいえ、関東圏なのでよしとするしかありませんね。

そうなると、今度はその赴任先である茨城県の日立市が気になって、せっかくだから一緒に楽しませてもらおうかなんて、脳天気な考えも出てきて、現在茨城をリサーチ中です。(*^^)v

と言うわけで、今夜はこれで寝ます。

早く咳が止まりますように。

NANDAとはなんだ。

2013-02-27 23:26:11 | 訪問看護、緩和ケア
ここ数年、サマリなどを読んでいると、NANDA看護診断の表現方法で書かれていることがままあります。

たとえば、「皮膚統合性障害のリスク状態」とか書かれているんですが、要するに褥瘡があるってことなのですよね。

そもそも、電子カルテ化を進めるにあたって、北アメリカの看護診断協会が作成したものを日本語訳して導入されたらしい。

1つの症例であっても、患者の伝え方によって看護師の受け取り方や定義する症状が異なる場合があるため、誰が見ても統一して安定継続した看護が提供できるよう、問題の状況を共通言語化して、そこから選択するようにできているものだということです。
(2~3年ごとに開かれるNANDA大会で新しい診断の追加や改訂が行われている。)

これもかなり込み入った理論があるので、きっとこれを学んだ人は、自信を持って使っているのでしょうね。

・・が、これを在宅のサマリに書かれても、一瞬「なんのこっちゃ??」ということになります。

「粘稠痰による非効果的気道浄化」って言われても、要するに痰が粘稠性でゼロゼロしているってことで、この教育を受けていない私たちは、しばらく考えて転換しなおさないと「なんのこっちゃ??」となってしまうのです。

なにせ、在宅では経費の関係もあり、なかなか全部を電子カルテ化するのは難しくて、特にうちのスタッフはアナログタイプが多いので、コツコツ自分の言葉でわかりやすいように相手に伝えることをモットーにしているので、なかなか頭に入っては来ません。

きっと、すばらしいものなのだと思いますが、在宅では関わる人たちも看護師だけではなく、それぞれの業務の職種からなるチームでの情報共有が必要なので、「誰でもわかりやすい、個別性を踏まえた表現方法」の方が、使い勝手が良いのです。

今日も「 活動耐性低下のリスク状態」と書かれ、やたら横文字の略語が多いサマリを見ながら、「そういえばさ、以前いたステーションでも、これを勉強しないといけない!って力説してた人がいたなー。やめちゃったけど・・」ってつぶやくスタッフがいました。

でも・・
私たちからすると、その中身をもっと具体的に言ってもらわないと、それこそ「NANDAってなんだ??」ってことになっちゃうんですよね。

だって、その言葉から私たちは何も見えないし、誰でもわかるはずの状態が理解できないのですよ〜。
これって、私たちのレベルが低いってことなのでしょうか???

すみません。勉強不足で・・

でも、電子カルテもないので、もうちょっとわかりやすく、ありのままを書いていただいた方が、サマリはありがたいのです。


引き継がれる命

2013-02-25 22:03:09 | 訪問看護、緩和ケア
103歳のおばあちゃんが、旅立ちました。

今では珍しい、4世代大家族の長老だったおばあちゃん。

いつも穏やかに、担当の看護師の訪問を楽しみに待っていてくれた患者さんでした。

103年の人生。

子供夫婦だって80最近い年齢で、その子供が生まれて、歩いて、成長して、そのまた子供が生まれて・・
たくさんの「ただいま!」や「いってきます!」を聞き、笑い声や叱られて泣いている声を聞いて、お祝いやお別れの会をして、いくつもの時代を見ながら年をとってきたのでしょうね。

寝付いてからは、家族の暮らす音を聞きながら、ずっと家族を見守ってきたのだと思います。

思い出の写真やお気に入りの日用品が、きちんと整頓されている暖かい部屋。

そのいつもの部屋で、少しずつ食べられなくなり、飲めなくなり、眠る時間が増え、最も自然な形でその命を終わらせることができたのです。

こんなお別れができるのは、ほんとに少ないのではないでしょうか。

昔は、何世代もの大家族で、人が老いていく過程を自然に感じながら、自分も年を重ねて行ったのです。

だから、昨日まで生きていたおばあちゃんが、ある日死んでしまって、灰になって仏様として祀られていく様をみながら、死んでしまったら、もう二度と会えないことを、どの子供たちも当たり前に分かっていたのだと思います。

そこにリセットボタンなどは存在しないのだと、当たり前の事実をちゃんと見届けられるのです。

ずっと以前、あるおばあちゃんが危篤状態になったので、「お孫さんも、お別れしなくていいですか?」とおすすめしたら「前に会わせたからもういいです。子供も塾やらなんやら忙しいので。」とすごく嫌そうに言われたことがあります。

老いて弱っていく姿や死ぬことは、決して忌み嫌うことではないし、出来ることなら家族として一緒に子供たちにも向き合わせることが、とても大切だと思うのです。

それを思うと、103歳の死は本当にあっぱれで、それは死という概念より、大家族に引き継がれし生そのもののような気がします。


少子化が深刻な日本で、2030年には超高齢化社会となり、その後は人口は加速度的に減少すると言われています。


私たちが引き継げる相手はいるのでしょうか。


ところで・・・

 先週、我が家の福寿草が咲き出しました。


               


         もうすぐ春が来ます。

夜間排泄用尿吸引ロボヒューマニー

2013-02-22 23:55:12 | 医療機器・介護用品
昨日、介護用品の事業者さんが、ヒューマニーという商品の説明会をしに来てくれました。

ユニ・チャームヒューマンケアのもので、夜間の尿を尿とりパットが感知して、どんどん吸引してくれるというものです。
専用の尿とりパットは一枚300円するので、使える人は限られますが、夜間の尿量が多くて、いつも尿漏れして洗濯が大変だったり、何度もおむつ交換に家族が起こされる人には、朗報かもしれません。
普通の尿とりパットだって、夜間用は結構高いので、何回か交換したり介護量や介護時間の短縮と考えれば、1ヶ月パット代9000円と吸引機本体のレンタル料600円/月を安いととるか、高いと取るかはケースバイケースですね。

             

機械本体から尿とりパットに吸引チューブがついていて、尿とりパットにその先のセンサーを取り付けるだけです。
(ただし、初回にチューブと蓄尿ボトルを3000円で購入しないといけません。)
パットは、男性用と女性・男性両用とがあります。

これをおむつの中で尿とりパット同様しっかり装着すると、尿の成分・温度などを感知してパット越しに尿を速やかに吸引します。

尿を吸引したパットは、すぐにサラサラと乾いて、不快感もなく朝までグッスリ清潔に眠れるというものだそうです。

その名も 尿吸引ロボ「ヒューマニー」 

ただ、これを使うにはいろんな条件があって、実用的に使える人は本当に限られています。

尿とりパットにセンサー付きのチューブがついているので、朝まで寝ていてくれる人、チューブを触って引っこ抜いたりしない人でないと、ずれたり壊れたりしやすくなります。
また、夜間下痢が頻回だと、便は吸引しないので結局交換をする羽目になります。

スカットクリーンもそうですが、値段が高いだけに、選択の時は十分検討が必要ですね。

ぎりぎりの選択だったけれど。

2013-02-19 22:46:39 | 訪問看護、緩和ケア
入院中の家族を、在宅へ連れて帰りたいと願う人はたくさんいますが、いろんなハードルがあって、諦めてしまうことも多いのが現状です。

年末に、腰椎圧迫骨折で動けなくなった妻を、老健にショートステイに出した○山さん。
80過ぎても、ずっと妻の介護を一人でやってきました。
認知症でいろんなことがわからなくなって、ほかにもたくさん持病を持っていた妻は、いつも冗談とも本気とも思えることを言っては周りを笑わせていました。
生真面目な夫が一所懸命介護をしているのを、まるで茶化しているように好き勝手なことを行っているのを見ると、まるで夫婦漫才のようで、そんな二人を見ているのが、みんな大好きでした。

その妻が寝たきりになり、体を動かすのも痛みを訴えるので、夫にはどうすることもできなくなり、緊急ショートステイを利用したのです。

とにかく自分で介護したかった夫は、随分と悩みましたが、自分の体も思うように行かなくて、そうするよりほかに方法がなかったのです。

途中から、褥瘡がひどく悪化し、発熱などの症状も出たため、病院に転院することになりました。

転院したものの、すっかり食事を取らなくなってしまい、夫は毎日食事介助に通いました。
それでも、みるみる妻は弱っていき、「家に帰りたい。」と繰り返すようになりました。

病状の悪化、介護力の不足、経済的な問題、吸引の問題・・などなど、病院では退院なんて無理!という判断でした。


夫はそれでも諦めきれず担当だったスタッフに会うと、「家に連れて帰りたい。」と泣いていたようです。

そして、在宅のクリニックにも「連れて帰りたい。」と泣きながら相談に行ったりしました。

「なんとかなるよ、お父さん、連れて帰ってこようよ。」

私も在宅の医師もそう言いました。

既に食事も水分も何日も取れていないとのこと。
点滴もしていず、話に聞くだけでも、もう時間は残されていないと感じました。

夫の涙ながらの訴えで、昨日妻は家に帰ってくることができました。

でも、もう意識も朦朧としていて、それでも「ここはどこだかわかる?」と聞くとわずかに頷くことができました。
仙骨にあると聞いていた褥瘡は、大きなポケットを形成していて、壊死組織はドロドロに自壊していて、悪臭を放ってました。

もう、治すという状況ではありませんでした。

その褥瘡を見て、「こんなになって、ごめんな。もっと早く連れて帰っていれば、こんなにならなかったのに。遅くなって済まなかった・・」と夫はまた涙を流していました。
それでも、やっと連れて帰って来れた安心感で、時々笑顔も見せていました。

ただ、状況はかなり厳しく、ここ数日でお別れになることを覚悟しなければなりませんでした。

そして一晩を過ごし、今日の午後妻は眠るように息を引き取りました。

夫や子供や孫に囲まれて、穏やかに旅立ちました。


昔、踊りが好きだったとのことで、担当ナースとちょっと派手なお着物を着せると、今にも踊りだしそうないいお顔になりました。


ぎりぎりのタイミング、ぎりぎりの選択でした。
あと一日、夫の決断が遅ければ、妻は帰ってくることはできなかったと思います。

連れて帰ってくるはずの前日、亡くなってしまう方もいらっしゃいます。
周囲の反対で、泣く泣く諦める方もいらっしゃいます。

このタイミングが本当に分かれ目なのです。

夫は、なんども「帰って来れてよかった」と言っていました。
家に帰って長引いて、夫がまた疲れきってしまわないうちに、するっと妻は旅立っていったのだと思います。

間に合ってよかった・・。

本当に仲の良いご夫婦の、最後の願いがかないました。

在宅医療人材育成事業 地域リーダー研修

2013-02-17 22:16:44 | 訪問看護、緩和ケア
厚生労働省委託事業で、神奈川県が行う「他職種による在宅チーム医療を担う人材育成事業 地域リーダー研修」に行ってきました。

瀬谷区からは、医師会のK先生、高齢・障害支援課係長のFさんと私の3人。
各区から、医師・看護師・ケアマネ・各区役所の事務職が声掛けによって集まり、総勢140名の研修となりました。

団塊の世代がリタイアして、総人口は減少する中、2035年には75歳以上が79万人から152万人に、65歳以上は183万人から272万人に膨れ上がります。
この高齢者をどこで誰が見るのか。
多死時代を迎え、在宅の受け皿を拡大していかなければ、在宅難民が地域にあふれることになります。

そのためには、チームとしての在宅療養がどこででも受けられるような拠点づくりをし、そこで他職種が同じレベルで共働するための研修をすることが必要になります。
国は、そのための地域リーダを育成するという目的で、今回のリーダー研修が企画されたようです。

とはいえ、一日研修を受けたくらいでリーダーと言われても、ちょっと困ってしまいます。
しかし、誰かが始めなければ、これまでと同じように、医師も看護師も敬遠しがちな在宅医療はなかなか推進しないわけで、とにかく「今日の研修を受けた者は、地域に帰って音頭を取りなさいよ!」的な感じなのだと受け取りました。

とにかく、現状の日本の医療状況や高齢化率やらの統計的な報告とか、モデル事業で行われた実際の在宅医療地域拠点事業の報告などを聞き、その後近隣地域ごとに分かれてのグループワークなどをしました。

私は、瀬谷区・旭区のグループでしたが、久しぶりにKJ法を使って地域における在宅医療の課題抽出を行いました。

   
話題になったのは、担い手である医師や訪問看護師、ヘルパーなどのワークバランスです。

確かに、誰かがやらねばならない在宅医療。
その重要性も理解できる。
でも、大好きな趣味の世界や家族との大切な時間を大幅に割いて、在宅医療の世界に飛び込めるのか。
自分為の時間をほとんど捧げる24時間、365日営業に、どうしても踏ん切りがつかないのが現状です。
一度開いてしまったら、後戻りができないのでは・・・と考える医師を、誰も攻めることはできないと思います。
やってみたけど無理だった。では無責任になる・・そんな話も出ました。

ひとりで担えきれないからこそ、地域の中での連携が必要なわけで、その連携システムをどう構築していくかがこれからの課題となります。
そのため、医師や看護師、在宅のケアスタッフなどの意識改革をする必要がありますし、せっかっく頑張っている在宅医療者への後方支援病院も、もっと充実しなければいけませんよね。

また、もう一つ問題になっていたのが、ケアマネの質です。
ケアマネの質に、あまりに格差がありすぎるということ。
阿吽の呼吸で動けて、利用者のニーズを理解できる人と、のらりくらりと向き合おうとしないケアマネ。
誰より先に「もう無理です。入院ですよね。もう在宅は無理ですよね。」と逃げの体制に入る人もいます。
そこの底上げもこれからの課題となっていました。

持続可能な体制づくり、推進体制をどう構築するのか、これからそれぞれが地域に持ち帰ることとなりました。

瀬谷区のFさんとも、今後の方向性を考えることができて、実りのある研修会となりました。

神奈川県立がんセンター50周年記念パーティー

2013-02-16 00:04:23 | 訪問看護、緩和ケア
昨日は、いつもお世話になっている神奈川県立がんセンターの50周年にお招きいただきました。

連携関係事業所として出席しましたが、一緒に招待された管理者仲間とは離れた席で、知らないドクターに囲まれやや緊張しましたが、その分いろんな情報もキャッチすることができて、とても有意義な時間を過ごせました。

管理者仲間と一緒に、バイキングをあれこれ選びながら、お腹も満足でした。

嬉しかったのは、医療相談支援室の前室長のSさんと、久しぶりにお話できたことです。
ここの支援室は、いつも本当に良く連携してもらえるので、何かトラぶっても、すぐに的確に対応してくれるので、本当に助かるのです。

特にSさんとは、長年いい関係を保てていたので、部署が変わってからさみしいなぁ・・と思っていたので、本当に嬉しかったです。

そして、新しい支援室のスタッフともたくさんお話ができて、今関わっている患者さんのことも含め、これから顔の見えるいい関係を築けるきっかけになったと思います。

あまたあるステーションの中から、選んでご招待していただけたことに、本当に感謝感謝です。

私のお隣の先生は、保土ヶ谷で活躍されている清水先生で、その穏やかなお人柄にも感激しました。

狭い瀬谷の中だけで、普段活動しているので、「もっともっと広い視野でいろんな人たちと関わっていくことが、本当に大切なことだよね。」と、管理者仲間のYさんと再確認したパーティーでした。

帰りは、ラッキーなことに瀬谷区の医師会長田村先生と、保土ヶ谷区の医師会長とともに、私とYさんはタクシーに載せてもらい、楽々家まで送っていただきました。

いつも思うのですが、こういう宴席にしても、会合にしても、絶対に出席した方が良いと思うのです。

あちこち出ていくことで、自分の事業所の看板をしょっていくわけで、臆せずいろんな人と挨拶を交わすことで、人脈にせよ新しい情報にせよ獲得していけるわけです。

何かあった時に、「あ、そういえばあそこの管理者と話した事あるから、あそこに連絡してみよう。」と思ってもらえることから、連携関係を始めることができますよね。

先日行われた瀬谷区医療・介護セミナーにしても、役所もケアマネも各訪問看護ステーションも一緒にやっているわけで、そこに集まったケアマネさんたちとも新たに顔合わせができたりするわけです。

そういう場所での情報交換は、本当に貴重なものだったりもするわけで、新しくステーションを立ち上げた管理者には、絶対に顔を出したほうがいいよ!といつも葉っぱをかけているのは、そういうわけなのです。
まあ、それでもで出てこない人はいますけど。

というわけで、これからも地域連携をしっかり意識していきたいな、と思いました。

バタバタしてます。

2013-02-13 23:09:59 | 訪問看護、緩和ケア
昨日残した2枚の報告書、今日もとうとう書けずに終わりました。
あすこそ書き上げると心に誓い・・(T ^ T)

今日も朝からバタバタして、あちこち電話をかけまくっているうちに、昼の審査会の時間となり、午後は新患さんに訪問して、その記録を書きながら、夕方の担当者会議の準備をしていたら、すぐに夕方になってしまいました。

ただ、夕方からの担当者会議は、とても重要な内容で、休みの看護師も出て来て、関わるナース全員とケアマネ、クリニック主治医とナースでの、真剣な話し合いになりました。

現状の苦しみや不安、これから起こり得る辛い選択に対してどう支援すべきか、みな答えの見えない課題に対して、悩みながらも同じ方向を向いているのだと実感できるものでもありました。

病気と向き合う・・という言葉をよく使いますが、これがどれほど難しくて苦しいものかは、当事者でなければわかろうはずもありません。

それでも、そこを避けては前には進めないわけで、せめて支援する私たちが向き合わなければ、選択肢を提示することすらできないのです。

けれど一番難しいのは、ご本人が向き合おうとしているのに、ご家族が向き合えないことです。

家族が不治の病に犯された時、それも大黒柱が倒れた時、私たちだったらどうなってしまうのか。

今まで、大きは傘の庇護の下にいた人が、突然傘から投げ出され、敗れかけ雨風に晒されたその傘を守る立場になってしまったら・・。

3年ほど前、すべてを夫にまかせ、守られてきた妻から相談されました。
「今まで、全部頼ってきたから。何から何まで全部任せて、私は何も考えずにここまできました。だから、今度は私が恩返しをします。難しいかもしれないけれど、夫の希望どうり、私が夫を看取ります。だから、私にその方法を教えて欲しい。何度でも練習するから、看護師さんがやるんじゃなくて、私ができるようにして欲しいんです。」と。

実際、彼女は何度も失敗しながら、夫に怒られながら、メモを取っては家中に貼り、何度も繰り返し練習して、医療処置も機械も操作できるようになりました。
そうして、約束通リ夫を見送りました。

みんながそうできるわけではないけれど、やっぱり近い将来の話を避けてしまえば、その話を今しておきたい相手との距離は遠くなってしまいます。

さらに、いくつものハードルがある中での、話し合いはため息も混じるものでしたが、それでも一つの方向性は見つけることができたので、今度はご家族を交えての次のステップへと向かうことになりました。


重く暗い人生の終焉に向けて、私たちは結局は無力なんだと思います。
でも、だからこそ私たちもそこから逃げないで、関わりたいと思っています。


ところで、話はすごく変わりますが、うちのスタッフが韓国旅行のお土産を持ってきてくれました。

そのなかに、こんなものがありました。
           


これ、よもぎ蒸しのお手軽版。

よくテレビで穴のあいた椅子にガウンを羽織って座ると、椅子の下でよもぎがグツグツ煮えてて、下半身を蒸すっていうのをやっていますよね。
その、お手軽版です。
中には、5×2センチくらいの筒状のものがあって、そこにはホカロンの中身にヨモギが入っています。
それに女性の生理用品(ナプキン)が付属してあって、下着にヨモギホカロンを置き、その上にナプキンを重ねて下着に固定し着用するのです。
あとは、普通に過ごすだけです。

「熱くなるから気をつけて!」とYナース。

で、やってみました。

開封すると、ホカロンよろしく発熱します。
ヨモギ入り漢方薬?のいい匂い。
やがて、どんどん熱くなり確かに、下手をすると危ない。(^_^;)

結局夜まで暑さは持続し、ポッカポカになりました。

でも、よく考えたものです。
旅先には、いろんな発見がありますね。



1週間のブランク

2013-02-12 22:41:55 | 訪問看護、緩和ケア
先週の火曜日から、一週間ぶりのステーション。

案の定机の上は、貼り紙と封書と新患さんの相談記録が・・・。

しかも、1月の報告書の締切日ときています。

そういえば、1月は8名の新患さんがあって、1月中にスタッフに振りきれなかった患者さんが5人ほど、私の報告書分として置かれています。
もともとの患者さんと合わせて、今日一日で書くのは至難の業・・。

結局2枚残ってしまい、それは明日書いて自分でクリニックに届けます。とほほ・・

それにしても、新患さんを8人受けても、なぜだかまだまだ余裕があります。
あれれ??
大丈夫かなぁ・・。

何しろ入退院やら入所やらも多くて、なくなる方もいて、なんだか年始早々しっくりこないです。


で、今日も新患さんのご依頼2件ですが、まだまだ余裕のよっちゃんです。

4月には一人非常勤が増え、さらに夏頃には産休明けのスタッフも出てきますので、まだまだたくさんの患者さんをお引き受けできます。

ここ10年先ぐらいには、在宅に押し出される高齢者がものすごい数になると言われていますが、今のところそんな感じはないですね。
とはいえ、あまり新患さんが増えると、覚えるのがなかなか大変で、名前を言われても「えーっと。えーっと。」としばらく考え込んでしまうこともあります。
「ほらほら、スーパー○○の近くの、息子さんが介護している・・」とか言われると、「あ、わかった!」となるわけです。
それでも、全体を把握できるように、初回訪問だけは私が行くようにしているので、何回か話に上がればそこでインプットすることができます。

それにしても、一週間家でばてていただけに、今日は久しぶりのお仕事で、今も朦朧としています。

そうそう、うちのケアマネが受けて、サービスを開始したばかりで、連休明けの今日往診医が入るはずだったご利用者さんが、週末に急変して亡くなってしまったそうです。

タイミングが悪く、残念でした。

往診医と訪問看護が入る前だったため、警察介入となってしまったそうです。

それまで、近医に半年以上も代理受診だったそうで、死亡確認もしてもらえなかったようです。

本当は半年も代理受診だけというのは、ダメなはずなんですが、今でも延々代理受診で処方箋だけ出している医師はたくさんいます。
でも、それじゃあ何もわからないですよね。
何が起こっていても、気づくはずもなく・・。

もっと早いタイミングでご相談いただけたらいいのにな。。と思うことは随分あります。

やはり在宅は、まだまだ一般には周知されていないのだと思います。

というわけで、明日もお仕事がたっぷり待っていますので、今日はこのへんで。



「たったひとりでも旅立つ」

2013-02-10 21:39:52 | めぐみ在宅緩和ケア関連
病み上がりで、とにかく眠くて眠くて・・
ちょこっとコタツに寝転がると、いつの間にかウトウトしてしまいます。
肩こりもひどくて、首から頭までガンガンします。
幸い3連休も重なって、ゆっくり休むことができたので、昨日からとりあえず活動を開始しました。

めぐみ在宅で行われた「おひとり様の終活と看取り  今からでも早すぎることはない.自分らしい最後を迎える準備」のシンポジストととして、完全防備の上出席してきました。

参加者は、40名くらいでしたが、近隣のお年寄りは20名もいなかったでしょうか。
あとは緩和ケアを勉強中の学生さんや、福祉関係の方が目立ちました。

この企画をされたのはNPO「いのちと心」で、色々な理由から現在おひとり様(50才から)の、人生設計・デザインをエンディングノートを用いて支援をする団体のようでした。
私も初めてお目にかかりましたが、代表の出口明子さんは、そりゃあパワフルな方でした。
ちなみに、瀬谷にもそういう人たちの支援をさせたらどこまでもやっちゃう「わくわく」の中野さんもいて、もちろん当日もいろんなアドバイスをして頂きました。
ウルトラパワーのお二人からの話は、現実問題遺言や自分が死んだあとの事後処理のことまで、それはそれはたくさんの情報提供をしていただきました。
自分がこれからどういう人生の最終章を歩むかどうかはわかりませんが、法的なことをしっかりわかっていないと、思いもよらないことになってしまいます。

そんな時の、つよーい見方というわけですね。

内容は小澤先生ののいつもの基調講演のあと、私は「たった一人で旅立つ ~こんな形もあるということ~」という内容で、本当に身寄りのない状態の中で、強い意思をもって旅立った患者さんの事例をお話しました。
その事例をもとに、いつ誰に、どのように自分の意思を伝えるか。
そこから、在宅へつながり、自分の意志でプランニングするには、どうしたらいいかなどを中心に話しました。
また、これから迎えるといわれている多死時代に向けて、国がすすめる介護サービスの形なども訪問看護を中心に少しお伝えしました。

みなさん、本当に真剣な表情でメモを取ったり頷いたりされていました。

また、葬儀をしないで遺体を荼毘に付し、最寄りのお墓まで納骨するのに、私の事例では30万円かかったことをお話すると、「うちでは25万円でやっています。」というような現実的な話もありました。

私のあとにはケアマネジャーの視点から、やはり一人で旅立った事例を通して「ケアマネジャーって何する人?」「どんなふうにサービスにつながるの?」などを介護支援センター「人・花」の青木さんが優しくお話してくれました。

質疑応答などもたくさんあって、私たちもとても勉強になりました。

終活として考えるとき、自分がしっかりしているうちに、自分がもし病気になって判断能力がなくなった時、そして死んでしまった後に、どうして欲しいかをちゃんと伝えておくことが必要だという話に終始しました。

自分が残したお金が、ありえない相手に渡ってしまうことだってありますし、自分が望む治療を受けられないこともあります。
また、最後の場所を自分が意図しない場所にされてしまうことだってあるわけです。
ひどい時には、お金だけ持って行かれて、分からにのをいいことに、とんでもない生活を強いいられる事だってあるわけです。

自分がこれからどうしたいのか、
どこで過ごし、どんなケアを受け、誰に何を残しl誰に残したくないか。

任意後見人とはなにか。
きちんと公正証書を書いて、自分のプランの執行人を指定する。そこまでを誰に依頼するのか。

法的な問題がたくさんあって、自分たちには難しい内容も、ちゃんとサポートしてくれます。

今回の主催者NPO「いのちと心」もそういうお手伝いをされているそうです。

瀬谷区では、区役所からのお便りにも特集を組むと言っていました。
また、<ワーカーズわくわく>でも、毎週一回無料相談会をやっているそうですよ。
<NPO絆の会>も同様です。(絆の会は、経済状況により費用が変わると、以前言っていました。)

この手の相談やサポート内容などは、各個人がどこまでやってくれるのか、そして費用はいくらかかるのかをきちんと納得して、選択していったほうがいいですね。
安ければいいわけでもないですし、バカ高いのも心配ですよね。
後見人に関しては、以前弁護士会が一番高くて社会福祉士とか司法書士とかは比較的安いと聞いたことがあります。

どちらにしても、自分の意思をまず、周囲の家族や関係者に伝えて、理解してもらうことから始めないと難しいことですから、なるべく早く始めたほうがいいということです。

そのために、自分のエンディングノートをつける必要があるわけですね。

・・て、私も50を過ぎていますから、人ごとじゃあないですヮ。(^_^;)

さてさて、どうしますかね・・。

眠って治す!

2013-02-07 15:36:33 | 日々のあれこれ
一昨日の夜から発熱しだして、昨日午前中に調べてもらったら、しっかり頂いていました。
インフルエンザの試験紙に、早々と綺麗な二本線が浮かび上がり、クリニックのナースさんと「Aですね!」と確認。

あ〜、ちゃんと予防注射もしたのに、頑として病院に行くことを拒否して、居間で転がっていた夫は、やっぱりインフルエンザだったのです。
その撒き散らしのおかげで、息子も感染。

もちろん私も出勤停止となりました。

月曜日、患者さんの訪問がなく管理業務だけで、しかも調子が悪くなりかけていたので、火曜の午後はもうお休みをもらいましたから、たぶん職場での拡散はしていないと思います。

今度夫が風邪をひいて帰ってきたら、病院に強制連行し、その後は絶対に完全隔離しようと心に決めました。

私と息子まで感染したことで、夫はちょっと気まずそうにしていますが、少し反省してもらわないといけません。

イナビルの吸引で、夜半には解熱して少しずつ楽になってきていますが、とにかく眠い。
気がつくとウトウト眠ってしまいます。

体痛いな〜、頭痛いな〜、鼻が詰まって苦しいな〜、とか思いながらズブズブ寝てしまいます。

そうして目が覚めるたびに、少しずつ薄皮をはがすみたいに楽になっていきます。

普段こんなに一日中寝ることはないので、なんだかもったいないのですが、やはり眠るという作業は、体の修復作業なのだと実感できます。
一番辛い時はうなされながら寝る感じですが、今は修復がかなり進んできているなと感じます。
何しろ、パソコンを開く気力が出てきましたから。

それにしても、接触時間が短いとは言え、同じ家の1階と二階に住んでるだけの違いで、ご飯も一緒に食べていた我が家のじいちゃん、ばあちゃんの免疫力はすごいものがあるなあ・・と関心です。
今のところ、娘も大丈夫なのは、ほとんど出かけているせいでしょうか。

そんなわけで、今週はほとんど仕事をしていません。
みんなに悪いな〜。

とにかく、早く治して来週からはまた頑張ります!

風邪です。

2013-02-05 21:36:49 | 日々のあれこれ
週末から風邪をひいて、熱を出して寝込んでいた夫。
何度もインフルエンザの検査をしろの、仕事休めの言っても、全然いうことを聞かず、家の中で菌をばら蒔いていました。

そのせいかどうかは定かではありませんが、咳と鼻水と喉の痛みでヤバイです。
もしかしたら、鼻炎かもしれないけれど、どんどん辛くなってきます。
でも、熱はないからやっぱり鼻炎かな〜??

右の華はすごく痛くて、鼻水がとめどなく出てくるし急性副鼻腔炎になっているかも・・。

なので、今日はここでおしまい。

明日元気になーれ。

この頃のうららさん

2013-02-03 21:49:14 | うらら
1月に1歳になったフレンチブルドッグのうららさん。

先日2度目のお泊まりでも、毎日全力で遊んで来たようです。

家では一人っ子なので、のんびりコタツムリ。

       

でも、犬の中でたくさんのことを学んできたうららさんは、最近ちょっと落ち着いてきたようです。

夜の興奮状態がめっきり減って、なんとなく雰囲気も変わりました。

やっぱりワンコはたくさん遊ばせて、発散させないとストレスが溜まってしまうのかもしれません。

昨日の夕方バイオレットファームから帰ってきたばかりですが、今日は午前中にいつもの動物病院に行ってお薬をもらい、一旦家で休んでから、海軍道路まで遊びに行ってみました。

もしかしたら、バイオレットファームの仲間たちも来ているかもしれないと思いましたが、残念、入れ違いに帰ってしまいました。

でも、ナガーイ紐を足して海軍道路の草原を進むと、今日は一緒に遊べるお友達がたくさん来ていました。

「こんにちは!やあフレンチブルドッグ。いくつですか?」
一緒に遊ばせてくれる飼い主さんは、とってもフレンドリーなのですぐに犬同意もご挨拶となります。

          

すると、そこにほかのワンコたちもどんどん集まって、みんな元気に走り回ります。


              

そのうち5匹くらいでぐるぐる走り大騒ぎ。



賢いお友達と一緒だったので、うららのリードも始めて外してみました。
でも、ちゃーんともどってきてくれました。

時々戻ってきては、「お母さん、大丈夫だよ。」って。
     

お水ももらって一息入れたら。

        

また走る、走る。


   
         
          

たくさん遊んだので、あっさりとサヨナラができて、かえってからはまたまたコタツムリになってしまいました。

また遊びに来ようね。
 


第10回瀬谷区医療・介護セミナー

2013-02-02 20:51:24 | 訪問看護、緩和ケア
昨日は、第10回瀬谷区医療・介護セミナーが開催されました。

瀬谷区内7箇所の訪問看護ステーションと、この地域の中核病院である聖マリアンナ医科大学横浜西部病院ホームケア(総合相談部)、瀬谷区ケアマネット、瀬谷区高齢福祉課との代表からなる連絡会主催しています。
毎年、西部病院から場所や懇親会の費用、事務処理などのもろもろを提供してもらいながらの運営です。

もちろん区役所や医師会の協力もあり、地域を上げてのセミナーです。

対象は、周辺のケアマネさんや介護職、看護職です。
医師会にも声をかけてはいますが、あまり出席はありませんね・・。(^_^;)

昨夜は、西部病院総合相談部の医師と、途中から田村医師会長、めぐみ在宅の小澤先生の3人でした。

それでも100名近い参加者が集まりました。

事例は「老齢期における看取りをどう考えるか」
100歳で在宅看取りとなったケースを発表するとともに、グループワークで在宅看取りについて話し合ってもらいました。
途中、小澤先生からもご意見をいただきました。

最近では、在宅での看取りが普通になりつつあります。

どのグループも、しっかりとした看取りに対する意見が出て、支援内容、プランについてもしっかりとしたものが定着しつつあるなと感じました。

       
       (10グループにわけ、なるべく多職種になるように工夫しました。)

なかには、飛び込みで来てくれた傾聴ボランティアの方もいて、すごく嬉しかったです。(*^^)v

話題は、100歳の高齢者というより、看取り全般に及び、参加者の看取りに対する意識の高さを感じました。

そして、ケース発表のあとは、西部病院の緩和ケア認定看護師による特別講演「答えに困る訴えにどう対応するか」がありました。

「どうしてこんな病気になったのか?」
「なぜ自分なのか?」
「こうまでして生きる意味があるのか?」
「私の苦しみは誰にもわからない。」
「人の世話になって迷惑かけて生きていても、なんの値打ち見ない」

そんな言葉を投げかけられたことはありませんか?
そして、その時言葉を失って呆然としたことはありませんか?
話を変えて、その場から逃げてしまったことはありませんか?

なぜ、患者さんはその言葉を投げかけたのでしょうか?
一体、患者さんは何を求めていたのでしょうか?

現場での経験を交えながら、とてもわかりやすくお話をしてくださいました。

私たちに出来ることは何か。
どう頑張っても私たちは無力だけれど、そこから逃げないことが無力の持つ確かな力になります。
自分の苦しみから目をそらすことなく、じっと聞く事の意味を皆再確認したのではないでしょうか。

そんなわけで、セミナーは大成功となり、終了後の懇親会にも去年よりもたくさんの方が参加してくれました。

地域全体の底上げと、意識の向上を図るために、これからも連絡会は熱い会になりそうです。



ところで、来週はまたお看取りに関する集まりがあります。

場所は、めぐみ在宅クリニックで、<いのちと心>というNPOの主催です。

私も、いつも連携している<ひとはな>のケアマネさんも参加することになりました。

対象は、これから自分の終末をどうしようかと考えている皆様です。
夫を亡くして一人になってしまったとか、ずっと一人で生きてきたけれど、晩年をどう過ごそうか不安・・そんな方々と一緒に「おひとり様の終活と看取り」を考える会です。


お近くの方で、興味のある方はぜひお寄りください。